学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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穴の空いた界龍

 

 

虎峰side

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

ここ最近、八幡が学校に来ていません。担任の先生、というよりも学院側には公欠届を出しているみたいなのですが、何処に行ったかまでは分かりませんでした。師父なら何かご存知だと思って聞いてみたのですが、師父も知らないとのことでした。そのせいもあってか、いつも放課後に鍛錬している皆もあまり精が出ていない様子です。

 

一体、どこへ行ったのでしょう……

 

 

セシリー「あぁーん……八幡いないからつまんないよー!」

 

冬香「仕方ありませんよ、セシリーさん。八幡さんが何処にいるのかも分からないのですから。」

 

沈華「ですが、本当に何処へ行ったのでしょう?まるで大師兄と戦う直前のように、神隠しにでもあったようですわ。」

 

虎峰「えぇ……確かにあの後、八幡が何処に行ったかなんて検討もつきませんでしたからね。今も何処に行くかなんてよく分かってないのですが。」

 

暁彗「……………誰にも話していないのか?」

 

沈雲「それなのですが、比企谷くんがどこに行ったのか知ってる人が居ないのです。【戦律の魔女】の元へ行く、なんてことではないと思いますが………」

 

 

今の界龍の冒頭の十二人は八幡がいないだけでこの調子です。それは師父にも言えた事でした。彼の行方が分からなくなってから2日もしないうちに、『八幡の飯が食えんのじゃ〜!』っと嘆いていました。

 

 

ですが、やはり寂しいです。いるはずの人間が居なくなってしまうと、こうも雰囲気が変わってしまうのだと改めて実感しました。この出来事、確か3年前にもありましたね。

 

 

ガチャッ

 

 

星露「あぁ〜暇じゃのう………八幡がいない日々は、全く歯ごたえが無いわい。早く戻って来んかのう。おぉ、お主らもおったのか……」

 

虎峰「えぇ、ちょうど八幡の話をしていたところです。」

 

星露「やはりのう……本当に何処へ行ってしまったのかのう?妾は暇で暇で仕方ないぞい。」

 

セシリー「まぁ今師父が手合わせをしているのは八幡ですからねー。見てても凄いって思いますよアレはー。」

 

星露「妾もつい本気の一歩手前まで力を出してしまう時があってのう、そうしないようにしておるのじゃが、なかなか難しくてのう。」

 

 

……そう。師父の暇潰しに八幡が偶に付き合わされているのですが、その暇潰しがとんでもないくらいに激しい打ち合いなのです。僕でも目で追えないくらいの拳戟で、師父も攻撃を受けて飛ばされる事もあります。

 

そして偶に思います。この2人は本当に我々と同じ星脈世代なのか?と。

 

 

冬香「本当にどこへ行ってしまったのでしょうね?八幡さんがただ居なくなっただけとは、とても思えませんが、意図が全く見えません。師父にも教えていないとなると余程のことだと思われるのですが……」

 

セシリー「それが分かれば苦労しませんよー。あぁー八幡に会いたいー、八幡のご飯が食べたいー!」

 

虎峰「セシリーの場合は後者でしょう……ですが、確かに早く帰ってきてほしいですね。」

 

沈雲「えぇ、今や彼はこの界龍の代表、その彼がいなくては教えを受けている人たちも、調子が出ませんからね。」

 

沈華「その通りね、早く戻ってきてほしいわ。」

 

暁彗「………………揶揄う訳ではないが、2人がそんな事を言うとは思わなかった。」

 

沈華「我々だって比企谷によって変えられましたから。」

 

沈雲「昔のように人を見下したりはしませんよ。最も、戦術はあまり変わってはいませんが。」

 

 

八幡、僕たち界龍の皆は貴方の帰り心待ちにしています。ですので、早く帰ってきてくださいね。

 

 

虎峰sideout

 

八幡side

 

 

八幡「……と言うわけなんだが、頼めないか?無理なら諦めるが……」

 

???『ううん、久しぶりに八幡から頼ってきてくれたんだもん、協力するよ!』

 

八幡「……ありがとな、戸塚。それで報酬なんだが……これくらいでどうだ?」

 

戸塚『そんなの要らないよ。僕は八幡の役に立てるだけで満足だから。』

 

八幡「だがな……俺は一応依頼者だ。それを請け負った人には報酬を出すのが当然の義務だろう?」

 

戸塚『確かにそうだけど、僕と八幡の仲なんだからそういうのは無しにしてほしいな。友達なんだから、困ったときはお互い様でしょう?』

 

 

うぅむ……それだと俺の気が済まない。なんかねぇか………あっ、そうだ。

 

 

八幡「なら今度、俺が料理を作ってやる。これでも料理は嗜んでる方でな、少し自信がある。それでどうだ?」

 

戸塚『分かった!じゃあ暇な日が分かったら連絡してね!流石にその日にさせる程、僕は鬼じゃないから。』

 

八幡「あぁ、分かった。じゃあよろしく頼む。」

 

戸塚『うん、任せて!じゃあね!』

 

 

そして通信が切れた………さて、行きますか。

 

 

ーーー龍生九子・とある部屋ーーー

 

 

八幡「お邪魔しますよ、アレマさん。」

 

アレマ【………なんだい八幡ちゃん?そんなに闘気をむき出しにしてさ。そんな闘気を見せつけられたら、アタイ興奮しちゃってその気になっちまうじゃないか。】

 

八幡「えぇ……そのつもりですので。よければ付き合ってくれませんかね?」

 

アレマ【ああぁぁ………八幡ちゃんが珍しくその気になってるなんてね………アタイとしてはもう我慢出来ないよ!じゃあヤろうじゃないか……アタイをしっかりとイかせてくれよ?】

 

八幡「言葉がやらしいのはほっときますね。まぁ此処ではやりづらいので、人目のつかないところでお願いしますよ。」

 

アレマ【全く……アタイは楽しみで仕方ないよ。八幡ちゃん、期待を裏切らないでおくれよ?】

 

 

………当たり前だ。貴方を倒せないようじゃあ、星露を倒すなんて夢のまた夢だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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