学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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時が過ぎるのって早いですよね〜。


修行の終わり

 

八幡side

 

 

八幡「………それで、小苑さんは何処へ行ったんですか?もう鍛錬の時間が始まるんですけど……」

 

麗蘭「えぇ。ですので、始めますよ。」

 

八幡「いや、だから………ん?麗蘭さんが相手をするんですか?」

 

麗蘭「不服ですか?」

 

八幡「いえ、そういうわけでは……でも急ですね、一体どうして?」

 

麗蘭「貴方の動き、技術、戦術、スタイル等を見て久しぶりに動きたくなった、と言えば納得してもらえるでしょうか?」

 

八幡「要は手合わせをしてみたくなったでいいんですよね?」

 

麗蘭「頭が良いですね。その通りです、ですので今日は私が相手をして差し上げます。言っておきますが、私の目が盲目だからといって手加減をする必要はありません。念の為ハッキリと申し上げますが、私は小苑と手合わせをして一度も膝をついたことはありません。これで理解はして頂けましたか?」

 

 

………成る程な。つまり本気を出している小苑さんでも、麗蘭さんに膝をつかせるほどの傷や深手を負わせる事が出来なかったって事か。とことん化け物じみてるな、【万有天羅】ってのは……だが、

 

 

八幡「俺はその【万有天羅】を倒すために此処に居ますからね。手合わせであっても手加減はしません。全力で行きます。」

 

麗蘭「それを聞いて安心しました。その覚悟、忘れないでくださいね?私も本気で貴方と相手をします。」

 

八幡「はい、お願いします。」

 

麗蘭「では……参ります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の戦いは1週間の期間の中で、4日目から始めとし残りの日まで続いた。

 

この2人の戦いは言葉では表せない程、激しいものだった。その戦いは六花中に何度も地震のようなものを与えるものだった。

 

 

そして最終日………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麗蘭「………」

 

八幡「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

麗蘭「……見事、と言ったところでしょう。」

 

八幡「はぁ……はぁ……」

 

麗蘭「それだけの傷を負いながら、それだけ疲労が溜まっている中で、ほんの少しとはいえ私に傷を負わせたのですから。貴方は充分自分を誇りに思っても良いと思います。私も貴方を称賛します。」

 

八幡「はぁ……はぁ……ははっ、初代程の人に、そう言われるなんて………光栄、ですね。」

 

麗蘭「……よく立っていられるものです。」

 

八幡「俺が、膝をついたり……倒れたりするときは、はぁ……はぁ……負けを認めた時……だけですので……はぁ……はぁ……なので、俺は……まだ貴方に、負けたつもりはありません……」

 

 

麗蘭(……そうですか、だから貴方は強いのですね。そして貴方が憑いた理由も分かりました。)

 

 

麗蘭「……まだ負けたつもりはありません、ですか。ふふっ、という事は、私を倒すつもりでいると?」

 

八幡「……ははっ、歴代最強を名乗るのも、悪くないと……思いましてね。」

 

麗蘭「……まだ20歳手前の若造に負けるわけにはいきませんね。でも……貴方と戦うのは楽しいですね。心踊ります。」

 

八幡「戦闘狂ってわけでもないのにそんな事を言うんですね。」

 

麗蘭「私もそういうときくらいありますよ。それに、事実を述べる事は悪いことではありませんからね。」

 

 

確かにその通りだが……素直になりすぎてないか?

 

 

八幡「そういえば、麗蘭さんが相手をしてから小苑さんが居なくなりましたけど……どうしてですか?」

 

麗蘭「あぁ、彼女なら界龍に行きましたよ。何でも暇つぶしをしに行くとか。」

 

 

あっ、絶対星露で遊んでるな。

 

 

麗蘭「八幡さんも、この1週間よく耐え切りました。公式序列戦まで後3日あります。今日明日は体を休めて、明後日に星露との決闘を申し込んでおくと良いですよ。彼女も大喜びするでしょう。」

 

八幡「直接言いに行った方が喜びますかね?」

 

麗蘭「ふふっ、そうですね、そちらの方が喜ぶでしょう。」

 

八幡「でしょうね………1週間ありがとうございました。次は会場でお会いしましょう。」

 

麗蘭「はい、期待していますよ。」

 

 

うし、早速シルヴィんとこだな。

 

 

八幡sideout

 

麗蘭side

 

 

……………

 

 

麗蘭「ふぅ……少しの傷、ですか。私も飛んだ嘘つきですね。」

 

 

麗蘭は巫女装束の袖を捲ると、腕にはには大きな切り傷があった。八幡の【祢々切丸】によってつけられたものだった。

 

 

麗蘭「強がってはみたものの、私も歳という事でしょうか?ふふっ、若者が羨ましいですね………どうです?彼の成長は?」

 

 

すると、後ろの戸から小苑が出てきた。

 

 

小苑「………最早儂では相手にならぬな。」

 

麗蘭「若者の成長速度は異常ですね。それだけ私たちが老いたということでしょうか?」

 

小苑「やめんか、儂はお主ほど歳ではないわ。じゃが、3日後が楽しみじゃのう。」

 

麗蘭「えぇ、そうですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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