八幡side
八幡「……というわけで無事に目を覚ました。暇が出来たら2人もそのうち界龍に来てくれ。」
シルヴィア『うん、分かったよ。良かったぁ……』
戸塚『僕もお役に立てたようで何よりだよ。もし何か必要だったらいつでも呼んでね。八幡の頼みなら些細な事でもすぐ駆けつけるから。』
八幡「あぁ、その時は頼む。突然悪かったな、急に連絡入れたりして。取り敢えず報告だけでもしておこうと思ってな。」
シルヴィア『ううん、そんな事ないよ。私も気になってたから。』
戸塚『僕も少しね。あんなに怪我した人を見るのは初めてだったから。』
とりあえず俺は、さっき玉緑が目を覚ました事を2人に報告している。他学園の生徒とはいえ、ウチの生徒が世話になった人と、助けられた人がいるんだ。流石に言っておかないとな。
『あれ?戸塚くん誰と話してるの?』
戸塚「界龍の友達だよ、この前の。』
『あぁ〜あの青髪の美人さんね?戸塚くんの『コレ』でしょ?』
戸塚『そんなのじゃないよ。じゃあ僕はもう切るね。それじゃ!』
最後に気を遣ってくれたのだろう。もしもあの場で俺の名前を出してたら、絶対大騒ぎになってただろうからな。
八幡「戸塚にはまた礼を言わないとな。」
シルヴィア『ふふっ、じゃあ戸塚くんも序列戦に招待する?』
八幡「それも良いな、ちょうど席なら空いてるし。」
俺と星露の席が。つっても俺の席なんて全く使わないから、あってないようなものだけどな。
シルヴィア『あっ、そういえば八幡くん。序列戦はいつになったの?』
八幡「一応は玉緑が歩けるようになってからって話になってる。門番だから見れないとはいえ、今回は別だ。怪我人に門番をやらせるわけには行かないからな。見やすい場所で観戦させようと思ってる。勿論帆季もな。」
シルヴィア『おぉ、VIP待遇だ。勿論私は八幡くんの席だけどね〜♪』
八幡「そう言うと思ってたよ。安心しろ、俺の席に座った奴なんて今までに1人しかいないから。」
シルヴィア『あの時はしてやられたよ〜!』
そう、オーフェリアの事だ。1年前の学園祭の時にだ。俺も後から聞いたが、凄いアホらしかった。
シルヴィア『あ〜……なんかこうやって話してるとさ、直接会いたくなってくるよ。八幡くん、いつ会える?』
八幡「俺はいつでもいいが、ペトラさんに言われてるんだろ?学園で謹慎してろって。だったらそれまで我慢だ。」
シルヴィア『でもそれまで長いよ〜!1週間のうちまだ3日しか経ってないんだよ!早く残りの4日過ぎてよ〜!』
八幡「そんなこと言うなよ、俺だって会いたいんだ。」
俺は謹慎されているわけではないが、流石にあんなことがあったから学院にいた方が少しは安全だ。だから互いに家には帰らないようにしてる。
八幡「俺も我慢してるんだからシルヴィも我慢してくれ。待つのって結構しんどいんだぞ?分かってると思うが。」
シルヴィア『それは身に染みて理解できてるけど……でもさ、やっぱり会いたいの!』
ダメだこの子、駄々コネ子になってる。
八幡「シルヴィ、もし4日間我慢出来るのなら、俺たちの家で飯をあーん、一緒に風呂、一緒に寝るを進呈してやろう。」
シルヴィア『八幡くん、私頑張るね。』
現金な奴だ……いや、俺の周りはそんな連中ばかりだけどよ。
八幡「よし、なら大丈夫だな。じゃあそろそろ切るぞ、あまり長く話し過ぎたら、授業に遅れるからな。」
シルヴィア『うん、分かった。じゃあね八幡くん。』
八幡「おう。」
そして俺は通信を切った。そしてその夜、シルヴィから通信があって話したくなったと言ってきたのは別の話である。