学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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天羅VS月影 ②

 

 

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星露「行くぞ八幡よ、ここからが本番じゃあ!!」

 

八幡「最初から本番で来やがれっ!」

 

 

再び金属の音が鳴り響いた。星露が仙具3つに対して八幡は刀一本に硬化した片方の腕と2つ。よく対処していた。

 

 

星露「………ここまで凌ぐとはのう、流石と言うべきか規格外と言うべきかのう?じゃが、先の借りは返させてもらうぞい。」

 

星露「伸びよ。」

 

八幡「っ!!?」

 

 

星露がそう呟くと、星露の懐あたりから突然黒い棒状の物体が八幡の腹部目掛けて伸びてきた。だが八幡は咄嗟の判断で腹部に星辰力の壁を作り、直撃を防いだ。

 

 

星露「お主、どんな動体視力をしておるのじゃ?今の攻撃はお主の目には見えておらんかったじゃろう?」

 

八幡「……あぁ、確かに見えてなかった。所謂第六感って奴だな。てかそれなんだよ。孫悟空かよ、如意棒なのかよ。」

 

星露「ほほう……良い線を言っておるがちぃと違うのう。今の武器は《如意金箍棒》という物でな、闘戦勝仏が所持していたといわれる武器じゃよ。伸び縮みが自在可能な武器でも有名じゃな。」

 

 

八幡(それ、如意棒と大して変わらんだろう。悟空に謝れよ。)

 

 

星露「お主が先言うた如意棒とは少し違くてのう、如意金箍棒は音速で伸び縮みが可能なのじゃよ。」

 

 

八幡(………ごめん、やっぱかなり違ったわ。音速って何だよ。反則だろ。)

 

 

星露「して、紹介し忘れとったが、この3つが仙具の中でもバランスに長けた仙具《業煉杵》じゃ。様々な能力を有しておるのじゃが、お主には効いておらんようじゃのう。」

 

星露「じゃが、今の《如意金箍棒》を勘で防いだというのは良い事を聞いたのう。次からはその勘とやらをあてには出来んのう?」

 

八幡「そりゃそうだ。何度もそれで防げるんなら、勘でも何でもねぇよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小苑「ふむぅ……圧勝かと思うたが、仙具の事を考慮しとらんかったわい。確かにあれがあれば、勝算だけでなく、戦闘力も大幅に上がるからのう。しかし厄介じゃのう。」

 

麗蘭「えぇ。今の八幡さんには星露さんに致命傷を与えるだけの手数がありません。いえ、あるにはありますが、出せる状況にはありませんね。もしそれを発動しようとしても、《如意金箍棒》で防がれるのがオチですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「くっ!」

 

星露「ほれほれどうしたのじゃ!受けるだけで精一杯ではないかえ!妾に攻撃を当ててみぃ!!」

 

 

八幡は防戦一方の状態だった。未だ攻撃の糸口が見えずにいた。

 

 

八幡(くそ……どうする?憑霊をしようにもこの攻撃の嵐だ、止まれば一瞬で終わる。玄武を使おうにも憑霊をしないと出せねぇ………八方塞がりだなこりゃ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『ふんっ、余の主人ながら情けない。その程度では余を従わせるなど笑止千万な話だ。』

 

八幡(っ!?誰だお前!?)

 

???『お主の中におる霊の1人とでも言っておこう。お主の無様な姿を見ていられなくなってな、こうして出てきてやったというだけの話だ。1分だ、1分間だけお主を手助けしてやる。神の気まぐれに感謝することだな。』

 

八幡(おいっ!勝手に……!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「伸びよっ!」

 

 

伸びた《如意金箍棒》が八幡へと襲い掛かっていった。そのまま八幡の校章に当た………

 

 

ガギイィィィィィンッ!!!

 

 

ることはなかった。何と、剣の切っ先で《如意金箍棒》の一撃を止めていた。それも八幡は直立したまま片腕だけでだった。それも苦しい表情をせず、興味なさげにしていた。

 

 

八幡『ふんっ、この程度か……』

 

 

八幡は刀で抑えるのを止め、そのまま棒を片手で掴んだ。

 

 

星露「?何を考えておるのじゃ八幡。それを掴んだとしても意味などないぞ?」

 

八幡『無意味かどうか、試すのが一番早かろう。』

 

星露「なんかキャラが変わっとるような気もするが……まぁ良いじゃろう。それもそうじゃしな!」

 

 

星露は《如意金箍棒》を縮める動作に移した。そしてそれに伴って八幡も星露へと音速のスピードで接近していた。だが、そうはさせないと、3つの仙具《業煉杵》が襲い掛かった。

 

 

星露(音速の速度に《業煉杵》の3撃じゃ!これをどう防ぐ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡『……愚かな。』

 

 

八幡は棒を掴んだまま超高速回転をした。その回転により《業煉杵》は3つ全て弾かれていた。八幡はそのまま星露の元へと突っ込んで行った。

 

 

星露「っ!」

 

 

星露は《如意金箍棒》を手から放し、上へと飛んだ。すると八幡は………

 

 

八幡『ふん、態々空へ逃げてくれるとはな!追う手間が省けたぞ!』

 

 

完全に通常の長さに戻った《如意金箍棒》を地面に突き刺し、床に立つ事なく棒の真上へと乗った。

 

そして、あり得ないことが起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡『伸びよ。』

 

 

【万有天羅】にしか扱えない仙具が八幡の言う事を聞いたのだ。音速の速度で伸びる《如意金箍棒》と、八幡の脚力を活かした跳躍力は次元を超えていた。

 

 

星露「っ!?何じゃと!!お主いつの間に!?」

 

八幡『態々空に逃げてくれるのだ、追わぬ手はなかろう?ムンッ!』

 

星露「ぐはっ!!」

 

 

八幡はそのままスピードを維持したまま、星露に膝蹴りを放った。音速のスピードで放たれるのだ、とてつもないダメージだろう。

 

 

八幡『落ちろっ!!』

 

星露「がぁっ!!」

 

 

今度は踵落としで星露を地面まで叩きつけた。八幡もすぐに地面に降りて、星露の落ちたところを見ていた。

 

 

八幡(なんだこの程度か?我が主人はこの程度のつまらん奴に遅れを取っていたのか?実に情けない奴だ。)

 

星露(な……なんじゃ今のは?身体全体に響いておる。今の一撃、明らかに手加減をしておらんかった。手加減抜きとは言うたが、ここまで容赦抜きにされるとは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小苑「………八幡ではないのう。」

 

麗蘭「おや、貴女も見抜いていましたか。あれは八幡さんの中に眠っている神でしょう。おそらく神憑りを強制的に行使している状態でしょう。八幡さんはそんなことをするような人ではありませんからね。」

 

小苑「まさかここで出てくるとはのう……如何するのじゃ?止めた方が良いか?」

 

麗蘭「いえ、これも戦いです。止めるというのは無粋でしょう。」

 

小苑「ならば続行じゃな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ついに出てきてしまった謎の神!!

1分もの間、どんな事が!?

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