学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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天羅VS月影 ③

 

 

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星露(何じゃ彼奴のあの動きは!?さっきまでとはまるで別人じゃ!!とてもではないが、妾ではついて行けんくらいのスピードとパワーじゃ!しかもその中に高度な技術と計算された洗練されていて繊細かつ鋭い動き……こんな力を隠しておったのか!!)

 

 

八幡『考え事とはな………余裕ではないか。その考え事も出来ぬくらい追い詰めてやろう。』

 

星露「くっ!!」

 

 

八幡と星露の戦いはさっきと違い、八幡が星露を圧倒していた。それも八幡は全て体術で星露にダメージを与えていた。刀は握っているが、あくまでも周りにある仙具を弾くために使っているだけであって攻撃手段としては使っていなかった。

 

 

八幡(現代の人間とやらはこの程度なのか?つまらぬ、実につまらぬ!百万年前の方がまだ楽しめたぞ!余の前では退屈凌ぎにもならぬな。)

 

 

小苑「むぅ……見た目は八幡じゃが、中身の違う人間がやっているとなると、あまり良い光景ではないのう。」

 

麗蘭「そうですね……八幡さんが早く目覚めてくれれば良いのですが………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………違う。あんなの八幡くんじゃない!八幡くんは戦いであっても、あんな風に傷つけたりしない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ムンッ!!」

 

星露「うぐっ!!」

 

 

八幡の攻撃を受け続け、ついに限界が来たのか、その場で倒れたままになってしまった。仙具も所々に散らばっていた。

 

 

八幡『これでトドメだ。』

 

星露「……の……ようじゃ、のう。」

 

 

星露は目を瞑った………だが、いつまで経っても八幡が振り上げた刀が当たることはなかった。だが、何かの呻き声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡『うぅ、うううぅぅぅ!!お、おのれぇぇ!余の邪魔をするか!?』

 

八幡「うる、せぇっ!!勝手に出てきた奴が……なにいって、やがる!!」

 

 

端から見れば滑稽なものだったが、そんな事を言っていいような場面ではなかった。頭を抱えて苦しそうにしているからである。この状況で一人芝居をやっているような風には到底見えなかった。

 

 

「な、なぁ……尊師はどうされたんだ?」

 

「分かんねぇ……ただ、物凄く苦しそうにされている。」

 

「ねぇ、こんな時に演劇なんてする人じゃないよね、あの人は。あれって一体……」

 

「あぁ……だからこそ分からない。何なんだ?」

 

 

麗蘭「………八幡さんがあの神と戦っているようですね。体を乗っ取る程の力を持った神と戦えば、精神力や体力を大幅に削ります。八幡さんは大丈夫でしょうか?」

 

小苑「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「今……すぐ、引っ込みやがれ!!誰が出て来い、なん、て言いやがった!!」

 

八幡『貴様が……無様な戦いを、晒すからであろう!!余が相手を……してやると言っているのだ!!大人しく………していろ!!!』

 

八幡「口の減らねぇバカ神が………これじゃ青龍たちの方がよっぽど使えるな。」

 

八幡『貴様!!!神である余ではなく、たかが守護する霊の方が使えると申すか!!無礼者めっ!!』

 

八幡「だったら大人しく待ってる事だな……オメェの出番は今じゃねぇんだよ!!」

 

八幡『ふんっ!貴様の命令を聞く義理などない!』

 

八幡「聞き分けのねぇ……バカ神がっ!!」

 

 

ザクッ!!!

 

 

 

「「「「「「っ!!!!!!?」」」」」」

 

 

八幡「ぐっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡は自身の持ってる刀【祢々切丸】を自分の左肩に突き刺していた。

 

 

八幡『き、貴様……なにをするっ!?』

 

八幡「大人しく中に引っ込んでろ……それとも何か?神ってのはそんなに傲慢な奴らばかりなのか?ならお笑いだな……」

 

八幡『貴様ぁ……神である余を愚弄するか!!』

 

八幡「だったら早く戻れよ……もう1分切ってんだろうがよ……俺の勝負に水差してんじゃねぇよ。誰が替われっつったんだよ?人の言葉も理解できねぇのか?」

 

八幡『………』

 

八幡「早く戻れ……命令だ。」

 

八幡『ふんっ……言われなくても戻ってやる。1分ちょうどで終わってやろうと思って無視していただけだ。無様に負けを晒すが良い。』

 

 

そして八幡から放たれていた異様な雰囲気が消えた。それと同時に八幡も刀を肩から抜き、それを杖代わりにしていた。すでに息は絶え絶えだった。

 

 

八幡「はぁ……はぁ……すまない、星露。少し邪魔が入ってな………」

 

星露「……なるほどのう、お主の攻撃スタイルや口調が変わったのは、別の人格が乗り移ったからなんじゃな?」

 

八幡「そういう事だ……はぁ……お前が決めてくれ。俺はこの状態だ、やるとしても最後の力を振り絞っての一撃が限界だ。それか、中止にしてもらっても構わない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「………続けるのじゃ。最後の一撃、それで決めようぞ。」

 

八幡「……良いのか?」

 

星露「よく考えれば今の状態はちょうど良いのじゃ。お互い手負いじゃしのう……決着をつけるにはちょうど良いのじゃ。」

 

八幡「恐らく俺はお前に勝ったとしても勝った気にはなれないだろうな。だが、お前がそう決めたのならそれに従おう。」

 

 

小苑「……どうやら八幡はあの神に勝ったようじゃのう。」

 

麗蘭「そのようですね。ですが、八幡さんの中にいる神様も中々聞き分けのない強情な神のようですね。」

 

小苑「自身の肩に刀を突き刺す程じゃからのう……全く恐ろしいわい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





八幡が神様に打ち勝ったようですね!

さて、次回はいよいよ決着!!

今出せよっ!って思う方もいるかもしれませんが、これも楽しみ方の1つとしてご理解して頂けると嬉しいです。


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