学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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八幡「共感出来る奴と、出来ない奴とで別れると思うぜこの話は。」


お節介という名のお礼

八幡side

 

 

あー今日も疲れたなぁ〜。学校・勧誘・鍛錬・そして星露の弟子入り、最後の1つ以外は見事に元に戻ったな。さて、今日もあいつが来るかもしれないからな。今日は何にすっかなー。

 

 

プリシラ「あっ!比企谷さんっ!」

 

八幡「ん?」

 

プリシラ「覚えていませんか?この前助けて頂いたプリシラ・ウルサイズです!」

 

 

……そういや、この前追われてた奴だったな。あぁ、あの時の子か。

 

 

八幡「よぉ、あの後からは大丈夫か?」

 

プリシラ「はい。あの日から今日まで追っ手は来てません。本当になんとお礼を言ったらいいか……」

 

 

参ったなぁ……俺こういう奴は少し苦手だ。よく分からんが、得意じゃない。ここは早く立ち去った方がいいかもな。

 

 

八幡「無事ならいい。俺のやった事が無駄じゃなかったってことだな。」

 

プリシラ「はい!おかげさまで!」

 

八幡「それじゃ、お互い買い物があることだし、この辺で失礼する。」

 

 

よし、これで………

 

 

プリシラ「あっ!待ってください!」

 

 

………ねぇ?何でなの?貴女ってどうしてそんなに構ってちゃんなの?

 

 

プリシラ「あの……よろしければ家に上がって行きませんか?この前のお礼もしたいですし。姉も会いたがっているので。」

 

八幡「姉っていうと、ギャンブルにどハマりしてるお前とは正反対の不良学生か?俺が行ったらとても無事に帰れるとは思えないんだが?」

 

 

正直、もう帰りたいです。はい。

 

 

プリシラ「た、確かにお姉…い、いえ、姉はちょっと乱暴で気が短い所がありますが、根はすっごく優しい人なんです!私が助けてって連絡した時は、すぐ駆けつけてくれるんです!比企谷さんも姉の事を誤解しないで下さいね!」

 

 

うん分かった。分かったからまずはその天井に向かって跳ね上がっているお下げ髪を何とか元に戻しなさい。凄い跳ね方してるぞ。

 

 

八幡「分かった、本当は優しい奴なんだな。なら、そう記憶しておこう。」

 

プリシラ「ありがとうございます!それで、お食事の件ですが……」

 

 

………忘れてなかったのね。仕方ない、諦めて腹括るか。ここはご馳走になろう。

 

 

八幡「分かった、お言葉に甘えさせてもらう。すまないな。」

 

プリシラ「いえ、此方から頼んでいることなので滅相も無いです!」

 

 

それから暫くして、

 

 

ーーー六花外縁居住区ーーー

 

 

プリシラ「着きましたよ!比企谷さん!」

 

八幡「ほう、住み心地の良さそうな場所だな。良いところだ。」

 

プリシラ「ありがとうございます!どうぞ中へ!早速準備しますので。」

 

八幡「お、お邪魔します。」

 

プリシラ「そんなに固くならなくていいですよ。自分の家だと思ってください。」

 

 

いや、それ大体の人が無理だから。

 

 

プリシラ「ただいまーお姉ちゃん。お客さんだよ。」

 

???「はぁ?客?誰だよ、ウチに客なんて。」

 

八幡「こ、こんばんは。お邪魔します。」

 

 

すると突然、目の色が変わった。まるで敵意を剥き出しにしてるような感じだ。

 

 

???「おい。あんた誰だよ?プリシラの何だってんだ?」

 

八幡「買い物仲間ってところです。」

 

???「買い物仲間だぁ?ふざけるなよ。正直に答えやがれっ!」

 

 

え?ダメだった?いや結構マジに考えてマジで答えたつもりなんだが。ハートキャッチ出来なかった?

 

 

プリシラ「お姉ちゃん!この人だよ!この前話した比企谷さんだよ!」

 

???「何だと!?」

 

 

すると威圧的な雰囲気は消え、急にしおらしくなった。

 

 

???「プリシラ!先に言えよな!恥かいちまったじゃねえか。」

 

プリシラ「お姉ちゃんが早とちりし過ぎるんですっ!」

 

???「ったく、妹が世話になったな。それとさっきは悪かったな。あたしはイレーネ・ウルサイズってんだ。よろしくな。」

 

八幡「比企谷八幡だ。お前もレヴォルフなのか?柄的に。」

 

イレーネ「初対面なのに結構ズケズケくんじゃねーか。まぁ間違っちゃいねーか。その通り、あたしもレヴォルフさ。」

 

八幡「そうか。」

 

プリシラ「じゃあ私、準備してきますね!お姉ちゃんの話し相手になってあげてください。失礼します!」

 

八幡「あいつってさ、結構ズバッて言うよな、無意識なんだろうが。」

 

イレーネ「分かんのか?意外だな。」

 

八幡「俺も妹いるからな。何でこう妹には逆らえないかねぇ。」

 

イレーネ「あぁ、分かるぜ。反論したくても出来ない時ってあるよな。」

 

八幡「あーよくあるな。これってあるか?妹に何かを勝手にされることって。」

 

イレーネ「比企谷もか!?あたしもしょっちゅうやらされてるぜ!謝る時なんて頭下げさせられるんだぜ?ったくよ、こっちの話も聞いてくれってんだ。」

 

 

スゲェ……分かる、分かるぞ。こいつの気持ちが。こんな所にも俺と同じで妹に苦労してる奴がいたんだな。まぁ俺にはもう関係ない話だけどよ。

 

 

八幡「なんかお前とは、いい関係になれそうだな。なんかもう苦労人的な?」

 

イレーネ「奇遇だな。あたしもそう思っていたところだ。」

 

 

ガシッ!!

 

 

こうして2人は、妹の苦労人という極めて不思議な絆で結ばれた。

 

 

イレーネ「まさかこの苦労を共感できる奴がいたなんてな。何が起きるか分かんねーモンだな!なぁ比企谷っ!」

 

八幡「確かにな。この苦労分かってくれる奴誰もいねぇからな。」

 

 

すると奥から料理の入った皿を持って来たプリシラがきた。

 

 

プリシラ「お待たせしました!ヒヨコ豆とトマトのサラダです!前菜にどうぞっ!」

 

八幡「おおっ、美味そうだな。」

 

イレーネ「そうだろ!プリシラの料理はとにかく絶品なんだぜ!っいて!何すんだよ。プリシラ。」

 

プリシラ「行儀悪いよお姉ちゃん!」

 

八幡「いや、気にしなくていい。むしろそうしてくれないと余所余所しい感じがして食いづらくなる。」

 

イレーネ「へへっ!なかなか分かってるじゃねぇか!比企谷。」(パクッ)

 

プリシラ「もう……じゃあ私戻りますね!姉の相手をお願いします。」

 

 

そうしてまた、キッチンへ戻っていった。

 

 

八幡「(パクッ)…ん、確かに美味いな。」

 

イレーネ「だろ?」

 

八幡「あぁ、レシピでも教えてもらおうか。試してみてぇ。」

 

イレーネ「ん?お前も料理すんのか?」

 

八幡「夕飯だけな。朝と昼は食堂で済ましてる。俺の学園は聞いてんだろ?」

 

イレーネ「あぁ。しかしこうして生で見るとホントに信じらんねぇな。お前が界龍なんてよ。目を疑うぜ。」

 

八幡「ほっとけ。」

 

 

 

それからも絶品と言っていいくらいの手料理と、妹がいることに対しての共感で、有意義に過ごすことが出来た。

 

やっぱさ、妹と姉がいる家庭って最強なんだよ。真ん中って絶対やるせない感じになっから。多分だけどな。

 

………まぁ、こんな事を思う事はもう二度とないだろうけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




明日は投稿出来るかどうか分からないので、二作出しました。

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