学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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祝!500話達成でございます!!自分もまさかここまで続くとは思いませんでした!1話1話短いという理由もあるかもしれませんが、読んで下さっている方々のおかげとも思っております。

この作品も後半になり、もしかしたら年内までには終われると思います。

これからも【学戦都市の“元”ボッチ】をよろしくお願いします!




天羅VS月影 ④

 

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序列戦が始まってから10分程が経っていた。ほんの少しだけアクシデントこそあったが、今は落ち着いている。八幡の続行か中止かの答えについて、星露の返答は《続行》だった。

 

 

星露(八幡を見るからに、体力は限界のようじゃのう。それに精神力も。八幡ほどの男があの状態になるのを見たのは久しぶりじゃ。暁彗以来かのう?じゃがあの頃と同じじゃ……あの眼からは闘争心が一欠片も落ちておらぬ。最後まで戦い抜くつもりでおるようじゃのう。ふぅ………小苑よ、お主が羨ましいわい。これ程素晴らしい大器を持った輩は世界でもほんの一握りじゃ。その一握りをお主が弟子に取ったのじゃからのう。とはいえ、妾も本気を出さなくてはのう……やはりアレを出すしかないのう。)

 

 

ーーー序列1〜12位の部屋

 

 

虎峰「師父はいつもの調子ですが、やはり手負いなのか重心がやや前のめりですね。それに表情に余裕がなさそうに見えます。」

 

セシリー「そうだねー。あたしもあんな顔した師父は見た事ないかなー。いつもはケラケラしながら適当にあしらってるのに、今はマジな顔になってるよねー。」

 

沈雲「ですが師兄方、比企谷くんも大分状況は悪いみたいです。見てお分かりになっているとは思いますが、あの状態の彼を見るのは、3年前の大師兄との公式序列戦以来です。」

 

沈華「逆境に強い所はこの前の戦いでも見せては頂きましたが、今回の戦いでは厳しいかと。いくら強いとはいえど、相手は師父です。ただ逆境に強いだけで勝てる相手ではございません。」

 

虎峰「………確かに貴方たちの言う通りです。今の八幡に勝てる要素なんて見当たりません。むしろ皆無です。でも、八幡ならと思える自分もいるのです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁彗「………………私は比企谷八幡が勝つ事を信じる。」

 

 

 

 

「「「「っ!!!」」」」

 

冬香「突然どうしたのですか暁彗?突拍子もなく突然そのような事を口にするなんて……」

 

暁彗「………………比企谷八幡に負けたからこそ分かるのだ、この負ける男ではないと。性格的に似合わないと自負しているが、敢えて言わせてもらう。私はあの男に可能性を感じたのだ………歴代【万有天羅】の力をも超越する力を持っていると。」

 

 

冬香(暁彗がここまで饒舌に……しかも八幡さんをそこまで信頼しているのですね。ふふふっ、彼女でもないのに、少しだけ妬けてしまいますね。)

 

 

冬香「私は最初から八幡さんが勝つ事を信じています。あの人はただ敵が強大だからといって諦めるような方ではありません。むしろ燃え上がるタイプのようですしね。」

 

セシリー「確かにそうですねー。あたしも今回は八幡側かなー。師父には悪いけどー。」

 

虎峰「……八幡にとって最初の友人としての信頼です。今回は八幡の勝利を信じます。」

 

沈雲「成る程、師兄方はそうお考えなのですね。沈華はどうなんだい?」

 

沈華「愚問よ沈雲。私も同じ考えよ。」

 

 

ーーーVIPルームーーー

 

 

雪ノ下母「これは……分からない展開になりましたね。陽乃、貴女はどう思いますか?」

 

陽乃「私?私は八幡くんしか応援してないから。星露を応援しても良かったけど、やっぱりさ………私の正体を一目で見抜いた彼を信じないわけにはいかないからね。」

 

雪ノ下母「………貴女なりの考えがあっての事でしょう。なら私も比企谷さんに賭けてみましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小苑「麗蘭よ、お主はどちらに賭けるつもりじゃ?当然儂は八幡一択じゃが。」

 

麗蘭「私も八幡さんですね。可能性が無限大にある若者に賭けるのは当然の事です。」

 

小苑「それを言うたらチビの方が八幡よりも若いぞい。10くらい離れておるんじゃからな?」

 

麗蘭「………彼女の言葉遣い、性格からして若者に思えますか?」

 

小苑「行動は年相応に見えるが、その2つに関してはそうは思えんのう。」

 

麗蘭「なので私は八幡さんが勝つ方を選びます。」

 

 

小苑(チビよ……おそらくじゃが、お主に賭けておる奴はこの会場の中には極一部の輩しか居らなさそうじゃ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………八幡くん、私は君が勝つって信じてるよ。だから……思いっきり君の想いをぶつけて下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「覚悟は良いか?八幡よ。」

 

八幡「………あぁ。」

 

星露「そうか……ならば、来るがよい!!」

 

 

そう言って星露は身の丈の倍以上はある槍を手にしていた。

 

 

星露「一騎打ちの一撃勝負なら、この武器以外にふさわしい武器などなかろう。妾もこの武器に全身全霊をかけてお主との一発勝負を受けようぞ!」

 

八幡「………そうか。なら俺も敬意を払って今出来る最大の技を使う。」

 

 

その瞬間、八幡から大量の星辰力が溢れて、青色の気も出ていた。

 

 

八幡「青龍………憑霊だ。」

 

青龍『ぶっつけでやるとはな……八幡殿は中々驚かせてくれる。』

 

 

青龍が半実体化して現世に顕現して、八幡の身体へと纏わりついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「憑霊………颶風(ぐふう)天翔龍神(あまかけるたつがみ)!!」

 

 

八幡の見た目は変化していなかったが、瞳がまるで宝石でも埋め込まれたような綺麗な瑠璃色になっていて、瞳孔は丸から縦長になっていて、龍の目のようになっていた。

 

 

八幡「怒りを力に変えよ、龍の逆鱗っ!」

 

 

八幡がそう唱えると、八幡の持っている【祢々切丸】が青白い光に包まれた。

 

 

星露「………なんて力じゃ。妾からも感じるぞい、その途轍もなく強大な力を。」

 

八幡「一発勝負なんだ、今俺が出来る最大にして最強の技だ。」

 

星露「ならば妾もそれに答えんとのう!!」

 

 

星露も星辰力を爆発的に高めた。今の2人を例えるなら、龍と虎だろう。それくらいの迫力だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星露「行くぞ八幡っ!!」

 

八幡「望むところだ!!」

 

 

「「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステージが光に包まれた。勿論生徒や他の人も2人の状況は分からなかった。

 

光が徐々に無くなっていくと、互いに背を向けて攻撃をし終わった後の態勢を取っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ゴフッ!!」

 

 

すると、八幡の胴体から大きな傷が出来ていた。肩から腹にかけてバッサリと斬られていた。

 

 

八幡「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

星露「………妾の………負け、か……」

 

 

ドサッ!!

 

 

八幡「はぁ……はぁ……竜の逆鱗は斬撃技じゃねぇ。一時的に刀身を、腹側と同じ状態にさせて………極限にまで高められた……はぁ……星辰力で、相手の意識を刈り取る技だ。ようは……相手を意識消失にさせる逆刃刀ってヤツだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ファ……ファ……茫星露選手、意識消失!!!勝者、比企谷八幡ー!!!!!』

 

 

界龍全体が揺れていた。それ程の大歓声が界龍に響き渡っていた。

 

 

八幡「はぁ……はぁ……ははっ、やった、ぜ。」

 

 

ドサッ!!

 

 

八幡はその場に倒れてしまった。無理もなかった、体力、精神共に底をついた状態であれだけの大技、そして最後に星露の攻撃を食らっているのだ。

 

 

八幡「また……このパターン、だな。もう……眠くて仕方ね……ぇや。」

 

 

 

そして八幡はそのまま眠るように気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




八幡、力を出し切っての大勝利!!!

これは八幡が【万有天羅】継承か!?

次回に続きます!!


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