学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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一応メインはあの時に好評があった彼です。




閑話⑤
出世した彼


 

八幡side

 

 

俺が序列1位を勝ち取ってから1週間が過ぎた。界龍にはもう報道陣やら他学園の生徒で一杯だった。帆季(ファンジー)玉緑(ユーシェン)には少し悪い事をしたな。今度なんか奢ろう。え?今か?今も続いてるぞ。俺は今界龍ではなく、シルヴィの家にいる。此処がまぁ天国なんだわ。近所の人達も気遣ってくれているのか、はたまた知らないだけなのかもしれないが、家に押しかけるようなことは今の所ない。すんごく助かるね!

 

ありがたいのはそれだけじゃなかった。ある程度交流のある他学園の生徒からは、通信で『おめでとう。』の一言と雑談だけで済ませてくれるのだ。俺にとってはこれが何よりの気遣いだ。けど、これで俺も簡単に外には出られなくなっちまったな。商業エリアなんかに行ってみろ、絶対に囲まれるぞ。何かをしたい気分ではあるのだが、外出する気にはなれない。お外が怖いんだもん。

 

 

八幡「はぁ……何処もかしこも【神羅武双】の事ばかりじゃねぇかよ。いくら前代未聞のことだからって騒ぎすぎじゃねぇのか?」

 

シルヴィア「それもあるけど、1番は八幡くんが姿を見せないからだよ。」

 

八幡「俺が?」

 

シルヴィア「うん。私のときだって大変だったもん。《王竜星武祭》準優勝した時なんて、ファンが学校前に押し寄せてくるほどだったんだから。男子は入れないから境界線から先には入れなかったけどさ。」

 

八幡「俺が姿を現せば何か変わるかね?」

 

シルヴィア「きっと変わると思うよ。この前の会見みたいに隠し事をしているんじゃないかって言われるのも嫌でしょ?」

 

八幡「それもそうだな。△△社みたいな奴らに嘘書かれたらたまったもんじゃねぇからな。」

 

 

さて、界龍にでも向かうか、影に潜って。

 

 

ーーー界龍第七学院・校門前ーーー

 

 

賑わってるなぁ………お祭り騒ぎってわけじゃねえけど。あぁーやっぱり帆季(ファンジー)玉緑(ユーシェン)が頑張ってるな。ゴメンな、3回くらい飯に連れて行くから。あともうちょっと待って。

 

 

シルヴィア「何処から行くの?」

 

 

そしてちゃっかり付いてきてるシルヴィアさん。いや、別に問題はないんだけどね?

 

 

八幡「普通に中から出て行く。その方が良いだろ。」

 

シルヴィア「そうだね。外から登場したら、後ろに誰も来てない事に不思議がられちゃうもんね。」

 

八幡「そういう事だ。さすがシルヴィ、頭の回転が大変よろしい。」

 

シルヴィア「いやぁ〜それ程でも〜。」(テレテレ)

 

 

まぁ、おふざけはこれくらいにして、あの2人を助けに行かないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玉緑(ユーシェン)「ですから!宗師はご多忙なのです!序列1位になってからの引き継ぎ事項などもありますので、今はそんな場合ではないのです!」

 

帆季(ファンジー)「前回、前々回よりも前に仰っておりますが、我々から宗師にお伝え致しますので、それまでは界龍の敷居を跨がないようお願い申し上げます!」

 

 

◇◇社「でも、それは少し横暴なんじゃないかな?少し話をするだけなんだから……」

 

□□社「ほんの少しで良いんだよ、取り次いではもらえないかな?」

 

○○社「………」

 

 

○○班長(比企谷さんはこんな事を容認するような人じゃない。ここは大人しく帰った方がよさそうだな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「何の騒ぎだ?」

 

 

八幡/シルヴィア以外「っ!!」

 

帆季「そ、宗師っ!それに奥方様も!」

 

 

2人は俺たちを見た途端、急いで包拳礼をした。

 

 

八幡「楽にしていい。それで、彼らは?」

 

玉緑「はっ。何やら宗師と取材をしたいとの事です。我々は宗師はご多忙故にお相手することが出来ないと仰ったのですが……」

 

八幡「………成る程、事情は分かった。嫌な役目を押し付けてすまなかったな。」

 

玉緑「と、とんでもございません!!これが我々に与えられた役目ですので!」

 

八幡「さて、皆様。改めて自己紹介を。界龍第七学院大学部1年、比企谷八幡です。今し方こちらの2人から申し上げられていると思いますが、現序列2位からの引き継ぎ事項がありますので、現時点でお相手することができません。私の時間が空き次第改めてお相手させて頂きますので、今回はお引き取り下さい。」

 

八幡「それと、今回私が取材を許可したのは○○社さんだけです。○○社さんはこちらへどうぞ。」

 

○○社「っ!!」

 

 

八幡にそう告げられて素直に帰る取材班は○○社以外全員だった。それもそうである。此処にいる取材班は六花の中にあるTV局から派遣されている。故に、△△社の二の舞になる事は何としても避けたいのだろう。

 

 

○○班員(班長!一体どんな手品使ったんですか!?)

 

○○班長(いや、実はちょっとした繋がりがあってな。あの2人には仲良くさせてもらってるんだよ。)

 

 

八幡「さて、お久しぶりですね。」

 

○○班長「はい、お久しぶりです。ですが、なぜあのような嘘を?」

 

八幡「実は俺、気に入った人には甘いんですよ。」

 

○○班長「……はははっ!そうですか。シルヴィアさんもお元気そうで何よりです。」

 

シルヴィア「はい。私も貴方の雑誌良く読んでます。嘘が書かれてなくて良かったです。」

 

○○班長「いえ、当たり前のことですので。お2人のご助力のおかげで課長補佐から課長に昇進出来たんです。お2人には感謝のお言葉しかございません。今回は班長としてこちらに赴きましたが。」

 

 

へぇ……どんな仕組みかは分からないが、大出世………したのか?まぁ出世はしたんだろうな。

 

 

八幡「取り敢えず取材には応じますよ。シルヴィアの専属なんです。俺も貴方を贔屓させて頂きますよ。」

 

○○班長「ではお言葉に甘えてそうさせて頂きます。ありがとうございます。」

 

 

その後は○○社との取材をして、満足して帰っていった。来月の雑誌には

 

『彼氏彼女から新婚夫婦に激変!?六花最強の序列1位コンビ夫婦はいまだ健在どころか成長中!!』

 

何て大見出しで書かれてあったのは赤面ものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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