学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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反応 レヴォルフ黒学院

 

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六花南西部、六角形に象られた水上都市アスタリスク。その南西に位置する学園は《レヴォルフ黒学院》である。

 

六花内の学園の中では一番の不良校としても有名であり、普段から素行が悪く、道端で喧嘩や決闘は当たり前、さらには自ら組織を率いている生徒や、マフィアに所属している生徒が殆ど。中には何処にも所属しない変わり者(世間ではまとも)も存在している。極めて女子の数も少なく、在籍している女子生徒は指で数えられるほどしかいない。

 

そんなレヴォルフ黒学院だが、最近では学園外で悪さをする生徒が激減している。その理由は、新しく生徒会長になった彼女のおかげである。

 

 

オーフェリア・ランドルーフェン。最強の魔女とも呼ばれていて、その能力は《毒》である事から【孤毒の魔女】の2つ名がついている。そんな彼女は六花の街に迷惑をかけている生徒の情報を耳にしたら、すぐに生徒会を向かわせて事態の収拾をし、悪さをした生徒を《懲罰教室》に入れるという行動をしている。彼女が生徒会になってからは暴れる生徒も減ったが、悪さをする生徒もいた。その生徒もこの行動に恐れをなして大人しくなってしまうのだ。

 

 

今、生徒会ではある1つのニュースにより、現会長がキラキラした目でそれを見続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ころな「あのぉ〜会長〜。そろそろ生徒会の仕事を始めて下さいよ〜。」

 

オーフェリア「………」(キラキラ)

 

プリシラ「ダメですね、全く聞こえてないようです。こんな風に文字の羅列を読んでいる会長は初めて見ましたよ。」

 

イレーネ「あんなの読んで何が楽しいんだ?」

 

オーフェリア「………貴女たちは知らないでしょうけど、八幡が界龍の序列1位になったのよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イレーネ「はぁっ!!?序列1位だぁ!!?しかも比企谷がか!?どういう事だよ!?」

 

ころな「で、でも、そうだとしたら相手は……【万有天羅】って事ですよね?」

 

オーフェリア「………えぇ、そうよ。」

 

ころな「絶対に自由を妨げてはならない存在に勝負を挑んで勝てるとは思えないのですが……」

 

オーフェリア「………何?八幡があんなチビに負けて当然だと言いたいの?貴女は?」

 

 

オーフェリアからは少しだけ怒りのようなものが滲み出ていた。

 

 

ころな「い、いいいいえ!!そんな事はありません!!実際には勝ったんですもんね!!」

 

オーフェリア「………えぇ、そうよ。」

 

プリシラ「ころなさん!オーフェリアさんの前で比企谷さんをバカにするのは禁止だよ!!」(コソコソ)

 

ころな「あ、あんなに怒るとは思わなかったんですよぉ〜!」(コソコソ)

 

 

コンコンッ

 

 

ころな「?はいどうぞ。」

 

材木座「失礼するのであーる!!」

 

イレーネ「んだよ、メタボガネじゃねーかよ。」

 

プリシラ「お姉ちゃん、失礼でしょ!それで材木座さん。どうかされたんですか?生徒会室にまた来るなんて。」

 

材木座「うむ!今回来たのは会長殿に用があって来たのだ。」

 

 

意外にも材木座は現生徒会とは良好な関係を持っていた。その理由は………

 

 

オーフェリア「………どう?街の雰囲気や八幡に関しては?」

 

材木座「特に変わりはないようである。何人か徒党を組んで街を出歩く輩はいるが、悪さをするような仕草はないである!八幡の情報についてはいくつか集めて来たのである!!まぁ、実物を見た会長殿にはあまりめぼしい情報ではないと思うのだが。」

 

オーフェリア「………それでも構わないわ。」

 

材木座「それから、例の物である。」

 

 

材木座はオーフェリアに紙袋を渡した。

 

 

材木座「出来映え次第の報酬で構わないとは向こうに伝えてある故、見合った額で構わないそうだ!」

 

オーフェリア「………分かったわ、後で見てみるわね。」

 

材木座「うむっ!では、失礼するのである!!」

 

 

材木座はやかましいくらいの声を上げながら、生徒会室を去って行った。

 

 

イレーネ「ったく、あいつが来たら喧しくてたまんねぇよ。」

 

プリシラ「私はもう慣れたけどね。」

 

ころな「会長、それは一体なんなんですか?」

 

オーフェリア「………秘密よ。」

 

オーフェリアは紙袋を守るように自分の身体へと抱き寄せた。

 

 

ころな「い、いえ、別に取る気は無いので。」

 

プリシラ「そんなに大事な物なのですか?」

 

オーフェリア「………えぇ。実物の方が断然いいのだけど、写真で加工しただけでもと思ったの。」

 

イレーネ「比企谷のだったりしてな!」

 

プリシラ「もうお姉ちゃん!会長の事だからこの部屋に似合うお花の写真だよ、きっと!!」

 

ころな「それ以外に考えられませんよね。会長がそれ以外に興味を持たれるといったら、比企谷さんくらいでしょうし。」

 

オーフェリア「………」

 

 

レヴォルフの生徒会では、八幡の事は話題に出てもそれほど興味を示すような人は居なかった。否、1人は興味津々なのだが、話す相手がいないだけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、

 

 

オーフェリア「………」

 

 

オーフェリアは材木座に貰った紙袋の中を開封した。そこには八幡の戦っている姿を題材にして作られたタぺストリーや写真などが入っていた。そして黒い石で作られた表札のようなものには【神羅武双】と書かれていた。

 

 

オーフェリア「………良い出来だわ。」

 

 

その後日、オーフェリアが払った額はポケットマネーでは多過ぎるほどの額だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ーーーおまけーーー


材木座「どうであったか?」

オーフェリア「………良い出来だったわ。製作者にこの金額を渡しておいて。」

材木座「っ!?こんなに渡してよいのか!?」

オーフェリア「………お金にはむしろ、使い道がなさ過ぎて困っているの。じゃあ。」

材木座「だからといって50000は渡しすぎでは?」



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