八幡side
昨日はシルヴィアに言われたい放題だったなぁ……俺が【万有天羅】になっただけで参加者がこんなに減るか?たかが1人序列が上がったくらいで?【万有天羅】の威厳強過ぎねぇか?
でも最後の星武祭だから序列は1位でいきたいよな。最後くらいはカッコをつけたい。
虎峰「八幡……いよいよ明日、ですね。」
八幡「そうだなぁ……明日だねぇ……」
虎峰「なのに何で貴方は呑気にお茶なんて飲んでるんですかっ!!?」
八幡「いやいや、ただお茶を飲んでるってわけじゃないぞ?心と精神を落ち着かせる為にだな……」
セシリー「とりあえず八幡は心を落ち着かせる為にお茶を飲んでいるって事でいいんだよねー?」
八幡「そういう事だ。別に鍛錬をしたくないとか、疲れたくないとかそんな理由じゃない。鍛錬した方が結果が良くなる方向に繋がるわけじゃないしな。だから俺は心を落ち着かせる方を選んだってだけだ。何も悪い事なんて無いだろ?」
虎峰「それはそうですが………」
冬香「八幡様、此方においでだったのですね。」
あぁ………来てしまったよ。
八幡「冬香か……トーナメントでは暁彗とだったな。同じ学院同士だからと行って手加減するなよ?」
冬香「心得ております。それに、暁彗は手加減して勝てるような容易い相手ではございません。小苑様の弟子にして八幡様の兄弟弟子に当たりますから、油断も隙も与えないつもりです。」
……そういや俺と暁彗は元を辿れば小苑さんに武術と星仙術を学んだんだったな。そっから暁彗は星露に鞍替えした。元はといえ兄弟弟子なんだな。その事は知ってたけど、暁彗ってあんまり兄弟子って感じしないんだよなぁ。
八幡「分かっているならいい。」
冬香「ところで八幡様は此方で何をしていらっしゃるのですか?」
セシリー「精神統一中なんですってー。お茶飲んでるだけで心と精神を落ち着かせるなんて聞いた事無いですけどねー。」
八幡「そういう事言うな、これでもかなり効果覿面なんだぞ。現に俺は落ち着いてるし、取り乱してもいないだろ?」
虎峰「八幡が取り乱した場面なんて、僕は殆ど見た事が無いのですが?」
セシリー「確かにねー。あたしも全く見た事なーい。」
冬香「言われてみればそうですね……八幡様が錯乱した状態は見た事がございません。」
え、何?そんなに認めたくないの?
冬香「ですがお茶を飲むと心が落ち着くというのは分かりますね。西洋風に言えばティータイムと言うべきでしょうね。こちらでは全く使わない単語ですが。」
八幡「こっちでは確かに使わないな……そういえば冬香、暁彗は何処だ?ここ最近全く見かけてないんだが。」
冬香「師父の所で模擬戦を行っています。対戦相手の情報を知る為には現場に行って状況を確認するべきなのでしょうが、それではフェアではありませんので。私も暁彗や八幡様に情報がいかないように直接お会いするのは避けていますので。」
真理だな。今は普通に会ってるが、戦ってないからノーカンだろう。
虎峰「それで八幡、シ、シルヴィアさんの調子はどうなのですか?」
八幡「ん?シルヴィ?至って普通だが?」
虎峰「違います、コンディションですっ!!」
八幡「だから普通だって。俺にはそれしか答えらんねぇよ。シルヴィの全部を知ってるわけじゃねぇんだからよ。」
虎峰「そ、そうですか……」
八幡「そんなに気になるなら直接聞けばいいだろ。そのくらいの質問なら答えてくれると思うぞ?」
虎峰「れ、連絡先を知らなくて……」
八幡「え………嘘だろ。あんなに機会があったのにも関わらず?連絡先貰ってないの?お前これまで一体何やってたんだよ?バカ、アホ、虎峰。」
虎峰「す、すみま……って、虎峰は悪口ではありません!!それと、直接会うとそれどころではなくなってしまうのです!八幡にだって分かるでしょう!?」
八幡「いや、俺今まで有名人のファンになった事なんて1度も無いから、その気持ちサッパリ分からん。」
うん、本当に分からん。
八幡「だってさ、想像してみろよ。俺がピンクの法被着て両手にペンライト、額には誰でもいいからファンになった子の名前が入った鉢巻をしながら、掛け声をしてる俺。どう思う?」
3人「………」
虎峰「八幡………すみません、僕が悪かったです。」
セシリー「私も流石にそんな八幡とは関わり合いたくないかなー。」
冬香「私はあまり気にいたしませんが、確かに少し気が引けますね。」
八幡「だろ?だから虎峰の気持ちは俺には分からん。」
虎峰「えぇ、僕は改めて思いました。今の八幡が1番良いと。」
セシリー「そうだねー。今の八幡が最高だねー!」
冬香「えぇ、素敵な統括者ですね。」
うぅ~ん……嬉しくないわけじゃないが、何だろうなこの感じ。よく分からん。
今思ったんだが、こんなに普通に喋れてんだから、結果俺、心落ち着けてんじゃん。
八幡「うん、やっぱこうしてお茶飲みながら話している方が落ち着くわ。」
冬香「お茶菓子もご用意しましょうか?」
八幡「いや、お茶だけでいい。」
もしもこんなやり方だったら?その9
『ダンス』
シルヴィア「八幡君、アーネストと何を話していたの?」
八幡「いや、別に何でもない。」
♪〜
シルヴィア「あっ、ラストの曲が始まったね。」
八幡「もうラストなのか。」
シルヴィア「八幡君、最後は私と踊ってもらえないかな?」
シルヴィアは制服のスカートを摘んで軽く持ち上げた。
八幡「じゃあ会場に戻るか。」
シルヴィア「うん、皆に見せびらかしてあげようよっ!」
そして2人はゆっくり歩いて会場に戻った。すると全員が2人に注目して踊っているペアも踊りをやめて中央を空けていた。
八幡「ちょうどサビで始めるか。」
シルヴィア「うん、リードは任せたよ?」
八幡「あぁ。」
サビが始まって2人は踊り始めた。いつの間にか会場の明かり消えていて、スポットライトが2人だけにライトを浴びせている状況になっていた。
そして曲が終わると………
八幡「……好きだぞ、シルヴィ。」
シルヴィア「私もだよ、八幡君。」
2人は踊りをやめて八幡は腰に当てている手を、シルヴィアは肩に置いている手を互いに自身の方に寄せ、唇を合わせた。
うん、結構オリジナル感出てますね……自分、こういう結末もアリかなって思ってました。
なんのアニメか分かりましたかね?