学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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無意味な嘘と脅嚇

 

 

シルヴィアside

 

 

全く歯ごたえのない試合が終わって数分後、インタビューも終わって控室に戻った私はシャワーを浴びている。最も、シャワーを浴びる意味なんて無いんだけど、サッパリはしたいからね。それに八幡くんと会う前だから、シャンプーは出来なくても、汗臭さはなくしたいからね。念には念を入れておかなきゃね!

 

さっき八幡くんに連絡を入れた時には、もう第2ブロックの試合は終わってたみたい。次の対戦相手は序列3位の【覇軍星君】。星露の一番弟子が相手みたい。私にとっては少しだけ有難い相手かな。冬香さんは今まで星武祭に出ていないから情報が全くない。でも【覇軍星君】は八幡くんと一緒に《獅鷲星武祭》出てるから、使ってくる技や星仙術も少しなら分かる。次の対策も練られるからね。

 

 

シルヴィア「さてっ!待ち合わせの場所はカノープスドームの正面だったよね!早く支度して八幡くんに会いに行こっと♪」

 

 

また八幡くんの部屋で、お茶でも飲みながら落ちつこっと♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………」

 

由比ヶ浜「………」

 

 

あ〜あ………せっかくの良い気分が台無しだよ。

 

 

シルヴィア「負け惜しみを言いに来たのかな?」

 

由比ヶ浜「ち、違うしっ!!今回は油断していただけであって負けたわけじゃないし!!本調子じゃなかっただけ!」

 

シルヴィア「それを負け惜しみって言うんだよ?言葉の意味、ちゃんと理解してる?負け惜しみっていうのは、自分の失敗した事や負けた事を認めないで、理屈や言い訳をつけて、負けたわけではないとか失敗していない事を言い張る事だよ。今の君はまさにそれだよ?」

 

由比ヶ浜「い、意味分かんないし!それよりも、私はシルヴィアさんに伝えたいことがあって来たの!」

 

シルヴィア「正直君の言葉は聞きたくないんだけど、一応聞くね……何かな?」

 

由比ヶ浜「ヒッキーを先に好きになったのは私なんだから!横取りしないでよ!!ヒッキーに騙されているからって、彼女気取りするなしっ!!」

 

 

………この子何言ってるの?

 

 

シルヴィア「……恋に早いも遅いも、先も後もないでしょ?それと、私は騙されてないから。私も君と同じで八幡くんの事が好きになったから告白して、彼からも告白を受けたから付き合う事になったの。別に彼女気取りしても良いでしょ?実際に彼女なんだから。」

 

由比ヶ浜「だからって何でヒッキーなのさ!もっと他にいるじゃん!!その男の人と付き合えばいいじゃん!!」

 

シルヴィア「私が今まで出会った異性の中で、八幡くん以外に私の心を動かしてくれた人なんて居ないんだ。八幡くんに最初出会ってから次のデートでもう理解した。これが初恋なんだってね。」

 

由比ヶ浜「うるさい……」

 

シルヴィア「それから八幡くんとは色んな事をして来たよ。ライブとかお泊りとかやって来た。用がない日でも会ったりとかして来た。私から誘った回数が多いけど、八幡くんから誘ってくれた日もあったよ。」

 

由比ヶ浜「うるさい!」

 

シルヴィア「そして前シーズンの《王竜星武祭》でお互いに告白して交際した。もうすぐ交際して3年目になる頃だね。色んな事があったなぁ……年間行事には必ず毎年参加してたっけ。初詣にバレンタインデー、ホワイトデー、ハロウィン、クリスマス、まだまだたくさんあるけど、それだけ八幡くんと過ごして来た「うるさい!!」日々は……」

 

由比ヶ浜「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさーいっ!!」

 

シルヴィア「………」

 

由比ヶ浜「自慢のつもり!?そうやってヒッキーと付き合えたからって私に自慢してるの!?」

 

シルヴィア「そうだよ。八幡くんと付き合ったおかげで、六花で過ごす毎日が楽しくなった。毎日彼に会いたいって思うようになった。そして私は断言するよ、君なんかじゃあ八幡くんを幸せにする事なんて出来ないよ。」

 

 

これは断言出来る。自分の過去と見つめ合わないような、罪を認めようとしない子なんかに、八幡くんを幸せにできるわけがない。

 

 

由比ヶ浜「シルヴィアさんはヒッキーの本当の事を知らないからそんなことが言えるんだよ!!本当のヒッキーは私とゆきのんを地獄に追いやった最低な奴だし!!」

 

 

そこからは聞いているだけで最悪な気分になる事ばかりだった。彼女の言っている事は8割正解だけど、2割捏造を加えている。まるで自分を正当化しているように見せかけている。君は葉山くんと同じくらいに酷い人だよ。

 

 

シルヴィア「……由比ヶ浜さん、私が八幡くんの過去について何も知らないと思ってるの?」

 

由比ヶ浜「え?」

 

シルヴィア「八幡くんの事なんて君よりもよく知ってるよ。私の知っている事実とはかけ離れているところがあったけど、それは嘘って事だよね。」

 

由比ヶ浜「じ、事実だしっ!!」

 

シルヴィア「……ここまで言い張れると逆に清々しいね。私が聞いたのは、文化祭で君はライブをしていたって聞いたけど、君はさっき屋上に向かったって言った。それは嘘なの?本当なの?修学旅行の告白の時、君は隠れながら様子を見ていたって聞いたけど、君は止めに入ったって言った。それは嘘?本当?」

 

由比ヶ浜「全部本当だしっ!!」

 

シルヴィア「嘘をつくなっ!!」

 

由比ヶ浜「ヒッ!!?」

 

シルヴィア「はぁ……もう知ってるって言ったでしょ?八幡くんや他の総武高から来た人たちや総武高に在籍してる人たちから聞いてるの。今の君は凄く見苦しいよ。まるで1年前の葉山くんを見てるみたい。」

 

由比ヶ浜「あ、あんな奴と一緒にすr「一緒にはしてないよ、ただ似てるって言ってるの。」っ!……だからってやめろしっ!!」

 

由比ヶ浜「いいからさっさとヒッキーと別れるしっ!!そしたら私がヒッキーの彼女になるから!!それで勘弁してやるしっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬香「へぇ………それは、中々面白そうなお話ですね?私も混ぜては頂けませんか?」

 

 

え?

 

 

冬香「こんにちは、シルヴィア様。ブロック突破、おめでとうございます。」

 

シルヴィア「な、何で此処に冬香さんが?」

 

冬香「あまりにも遅いので様子を見に行くようにとご指示を頂いたので参りました。すると何やら興味深いお話をしておられるではありませんか。」

 

由比ヶ浜「え、えーと、貴方は?」

 

冬香「申し遅れました。私、界龍第七学院大学部2年に所属しております、梅小路冬香と申します。学院内では序列4位でございます。以後、お見知りおきを。」

 

 

な、何だろう?いつもの冬香さんと違うような……

 

 

冬香「さて……シルヴィア様。正面入り口にて八幡様がお待ちです。お話の続きは私めがお聞きになりますので、どうぞ、行ってらっしゃいませ。」

 

 

シルヴィア「う、うん……」

 

 

なんか少しだけ嫌な予感がしたから走って行こうかな。それに、八幡くんにも会いたいしね!

 

 

シルヴィアsideout

 

冬香side

 

 

シルヴィア様のお帰りが遅いとは思っていましたが、まさかこのような下賤な者と会話をされておられたなんて。

 

さて、私もそろそろ限界ですね。

 

 

由比ヶ浜「はぁっ!?勝手に行くなしっ!!まだ話は終わってな「あんた、ええ加減黙れや?」え……ヒィ!!?」

 

 

なんやこの子、日本は妖怪さんがたくさんおるゆうのにこの怯えは?初めてかいな?

 

 

由比ヶ浜の周りにはいつの間にか、妖怪で囲まれていた上に身体にもしがみつかまれていた。

 

 

冬香「さっき聞こえたんやけど、オモロそうな話しとったなぁ?八幡様の彼女ンなるぅ?あんたアホかいな?あんたみたいな身体しか取り柄のなさそうな女に八幡様の女が務まるわけないやろが。」

 

冬香「せやなぁ……あんたの相手に相応しいんは、レヴォルフの男共くらいやろな。いくらあんたがアホでもその身体で尻でも振ればモテモテやで?」

 

由比ヶ浜「………」(ガクガクガクガク)

 

 

なんや、妖怪さん見たくらいで怖がっとんのかい?こんなんまだ可愛ええ方やで?

 

 

冬香「分かってると思うけどなぁ?2度と八幡様と付き合うなんてアホなこと抜かすんやないぞ?そん時は……ウチの式神さんが相手やからな?」

 

由比ヶ浜「………」(コクコクッ)

 

 

……………まっ、ええわ。

 

 

冬香「では、そういう事ですので。今後、今日のような事はしないで下さいね?貴女だって今みたいな思いはしたくはないでしょう?」

 

 

本当にやめて下さいね?私だって怒るときは怒るんですからね?

 

 

そして冬香は震える由比ヶ浜をそのまま放置して再び来た道へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





ヤ、ヤッベェ……冬香さんマジ怖えー……

切れた時の口調を本来の口調にしてみましたが、かなり雰囲気あるような気がしませんか?

ひょっとして僕だけ?


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