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ネイトネフェル「何処からでも来なさい。貴方のペース、崩してみせるわ。」
八幡「そうか?じゃあこいつのペースを狂わせることが出来たら、俺が相手になろう。急急如律令。」
八幡は式神召喚用の呪符を取り出して召喚した。煙からは八幡の式神ことシオンが大人バージョンで現れた。
シオン「もしかして、久々の実戦か?八兄?」
八幡「あぁ。だが気をつけろよ、今度は人間だからな。それと、あいつは接近戦タイプで踊りを駆使しながら相手のペースを乱してくる。注意する点はそこだ。」
シオン「了解した。」
ネイトネフェル(あの子は確か……《鳳凰星武祭》のブロック2回戦で出て来た……式神、だったかしら?高火力な武器を使ってはいたけれど、そこまで警戒する必要は無いわね。)
シオン「
シオンがそう叫ぶと、右腕の義手が勝手に構造変化を開始した。すると、たったの5秒で腕から大砲のような形に変形していた。
シオン「踊りで相手を惑わせるのなら、その踊りを見えなくさせたり、できなくすればいいだけの話だっ!せいっ!!」
シオンが左腕で投げたのは……何かが入った3つの袋だった。その中は薄く白かかっていた。
ネイトネフェル(……何よあれ?)
シオン「発射っ!」
バァン!!バァン!!バァン!!
3つの弾は袋に命中した。そこからは何故か、白い煙が大量に出てきた。
シオン「
シオンは再び右腕を変形させた。今度はスナイパーライフルのような、銃身が長くスコープが付いていた。
シオン「さて、始めようか。」
ネイトネフェル「……何をしたかはよく分からないけれど、貴方を見つけて倒せばいいだけの話よ!」
ネイトネフェル(踊りで相手のペースを乱すことができなくなった以上、相手に急接近すればいいだけの話だわ。そこで彼を叩く!)
ネイトネフェルはシオンのいた方へと走って行く。だが、白い煙のようなものが霧のような状態になっているため、視界は最悪だった。気のせいか、煙の濃さも増しているような感じもある。
ネイトネフェル「くっ!何処に行ったの!?」
バシュッ!
ネイトネフェル「うっ!?」
ネイトネフェルは突然の痛みに襲われた。右肩を撃たれてしまったのだ。
シオン『言っておくが、俺はお前の居場所がすぐに分かる。なんでと聞かれても答えてはやらんぞ。答えを教えてやる程、俺は優しくないからな。だから動くことを勧める。だからといって状況が良くなるかどうかは分からんがな。』
シオンはこの深い霧のような状況で位置が正確に分かる。これはとてつもないハンデだった。そして、今のネイトネフェルにはシオンの忠告が挑発に聞こえていた。
ネイトネフェル「……やってやろうじゃない!」
ーーー10分後ーーー
その後、ネイトネフェルは深い霧の中を走り続けながらシオンを探していたが、見つけるどころか霧は晴れず、銃撃される一方だった。そしてようやくあることに気づいた。だが気付いた時には遅かった。
ネイトネフェル(はぁ……はぁ……身体が動かなくなってきたわ……疲れたからかしら?……いえ違うわ、むしろ体力には自信があるもの。それよりもさっきと比べて気温が低くないかしら?寒いわ………寒い?)
ネイトネフェル「貴方、まさかこのステージの気温を下げているの!?」
シオン『一応正解だな。だがこの霧は視界を悪くさせるためでもあるけどな。俺は最初から持久戦目的だったんだよ。お前には辛いだろうな。そんな格好なんだ、寒さには充分こたえてるだろうな。おまけに受けたばかりの傷は凍傷になっている状態だ。動かす度に痛いだろう?』
ネイトネフェル「くうっ!!」
明らかに作戦勝ちだった。こんな状態ではいくら標的を探そうにも、その前に自分がバテてしまう。
ネイトネフェル「………私の、負けだわ。」
クリスティ『ネイトネフェル、
護藤『自分にも分かりません。平温状態で気温を下げる気体なんて聞いた事がありませんし……ん?比企谷選手から今、何かが送られてきました。『今回シオンが使ったのはドライアイスと熱湯です。熱湯にドライアイスを接触させるとドライアイスは水蒸気になり、白い煙となった水蒸気を出します。ドライアイス自体温度が低いものなので気化しても低いままなので、それを大量に気化させたら気温も下がっていくという仕組みです。』との事でした。成る程、今回は相手の動きを見えなくさせるだけでなく、本当の意味での持久戦でもあったようです!!これはお見事な采配です!!』
クリスティ『あ〜……な、成る程!それはお見事です!!さぁ次の対戦カードはこれで決定致しました!!皆さんもご存知の通り、六花最強の夫婦対決です!!絶対見逃すなぁ!!!』
八幡(まだ夫婦じゃねぇよ。)
熱湯にドライアイスを打ち込んだら煙が出るというのは本当ですが、あの説明が合ってるか間違ってるかは触れないで頂けると嬉しいです。(正直、どういう原理か分からんです。)