学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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3つ目の願いは?

 

 

八幡side

 

 

今日はシオンに任せっきりだったから俺はそんなに苦労はしなかった。ていうかシオンの奴、よくドライアイスなんて持ってたな。あの大砲から出てきたのも砲弾に包まれた熱湯だったとは………俺も驚いたぞ。そして何よりも、試合が見えないという理由での観客からのブーイング。いや、今回俺悪くないよね。大丈夫だよね!?

 

まぁそれはともかく、これで決勝には進めた。最後の相手は……シルヴィか。あの試合にも驚かされたもんだ。いつの間にって思ったし、何よりもかなり完成度高かったしな。なんか決勝が楽しみになってきた。

 

 

ガチャッ

 

 

幸い明日は3位決定戦だから、俺たちは1日休める。この休みは有効的に使わないとな。勿論、相手を研究するって意味ではないぞ?シルヴィと戦う前の日なんだ、楽しまないと損、だろ?

 

 

八幡「ただいま。」

 

シルヴィア「おかえり〜八幡くんっ!」(ダキッ!)

 

 

おかえりの挨拶と共に抱きついてくる俺の彼女。これも慣れた日常だ。

 

 

シルヴィア「そうそう!決勝進出おめでとう!」

 

八幡「それはこっちのセリフでもある。決勝進出、おめでとさん。」

 

シルヴィア「やっと君と戦えるよ……楽しみだなぁ。」

 

八幡「俺もだ。ようやくシルヴィと戦える。最初で最後の戦いだからな、負けねぇぞ?」

 

シルヴィア「私だって八幡くんに負ける気なんて毛頭ないよ!」

 

 

抱き合いながら互いの顔を見つめ合いながら、強気の言葉をぶつけ合っていた。

 

 

シルヴィア「………ふふふ♪今こんな事言っても仕方ないよね。八幡くん、ご飯にしよっ♪」

 

八幡「あぁ、そうするか。」

 

 

2人は漸く玄関から動き出し、奥へと進んでいった。

 

 

ーーー居間ーーー

 

 

いつものように、帰りは俺が遅くなるからシルヴィが晩飯の用意をしてくれている。俺も手伝おうとは思ってるんだが、シルヴィが大分前に『だ、旦那様は座って待ってるのが、日本でよくあるみたいだから、座って待ってていいよ///』って言ってたから待ってることにしたわけだ。

 

その間俺はニュースを見て待ってたりするのだが、そのニュースが自分たちのものともなれば、あまり寛げない。

 

その見出しがどれもこんなだからだ。

 

 

決勝は六花最強の夫婦対決!!

 

最後の決戦は六花一の彼氏彼女!!

新婚夫婦になる前の最後の仕事か!?

 

学園トップの最強夫婦!!

最後の対決は夫婦初の仲良し喧嘩か!!?

 

 

何度も記者会見で言ってるが、俺たちはまだ夫婦じゃねぇ!!何度言ったらわかるんだよ!!え、何?それとも分からない?冗談のつもりですか?その冗談が俺たちにとっては赤面ものだってなぜ分からない!?

 

 

八幡「いや、もう慣れたけどさ………」

 

シルヴィア「ん?何が?」

 

八幡「あぁ……最新の記事だ。世間では俺たち、もう夫婦になってるみたいだぞ。」

 

シルヴィア「あぁ〜それ私も見た。皆ホントにせっかちだよね。結婚式まで待てないのかな?」

 

 

待つ器量があるのなら、記事にこんなこと書いてないと思う。それとも暇なのかな?

 

 

シルヴィア「そういえばさ八幡くん、あの白い煙ってドライアイスとお湯で作ったんだよね?」

 

八幡「ん?あぁ正解だ。」

 

シルヴィア「解説が言ってたけど、ドライアイス自体が温度が低いままだから、大量に気化させたら温度が下がっていくって言ってたけど、八幡くんは平気だったの?」

 

八幡「………ほら、我慢って結構大事なことだと思わないか?鍛錬でもそうだし、欲しいものを待つ時とか。」

 

シルヴィア「………八幡くんも寒かったんだ。」

 

 

だって仕方ねぇじゃん!あの中で体温保つ方法なんて、俺には朱雀纏うくらいしかないし!でもそれやったら一発でバレるし!なら明鏡止水で姿見えなくして寒いの堪えるしかないだろ!

 

 

シルヴィア「もぉ〜八幡くんもおバカさんなんだから。今冬だよ?それなのにステージ内も寒くしてどうするのさ?」

 

八幡「ごめんなさい。でも言い訳をするとだ、あの作戦考えたの俺じゃなくてシオンだし。ていうか俺知らんかったし。」

 

シルヴィア「え?八幡くんが考えたわけじゃないの?」

 

八幡「違うぞ。」

 

シルヴィア「ゴ、ゴメンね?私てっきり八幡くんが考えた作戦かと思ってた……」

 

八幡「気にすんな。勘違いは誰にだってある。じゃあ罪滅ぼしとして、あったかい飯を用意してくれ。」

 

シルヴィア「はい、分かりましたよ〜♪」

 

 

その後に持ってきてくれたシルヴィの料理はホッカホカのクリームシチューだった。これまた美味いんだよねぇ〜。

 

 

ーーー夕食後ーーー

 

 

八幡「そういや今更だが、シルヴィは優勝したらどんな願いを要求するつもりなんだ?」

 

シルヴィア「それがね、考えても思いつかなくって。だって叶えたい事なんてもう叶えちゃってるし、欲しいものもあまりないから。八幡くんは?」

 

八幡「実を言うと俺もでな……何も思いつかない。思いつかない理由はシルヴィと同じだけどな。」

 

シルヴィア「私たちが叶えちゃったから、だよね?」

 

八幡「いっそのこと、どっかに別荘でも作るか?」

 

シルヴィア「それいつ行くのさ?」

 

八幡「冗談だよ。俺は将来、シルヴィと一緒に経営する飲食店でのんびり暮らしていければそれで良い。そういえば設計図見たか?」

 

シルヴィア「見た見た!アレなら回せそうだね。場合によっては大変になりそうだけどね。」

 

八幡「その時は人手を増やせばいい。幸いにも、うちで働いてくれそうな奴が1人いるからな。」

 

シルヴィア「それってオーフェリアさんの事でしょう?」

 

八幡「まぁな。あいつなら良いだろう?」

 

シルヴィア「うん、私も賛成。」

 

 

将来の夢が固まりつつあるが、3つ目の願いどうしよっか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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