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飛ぶ斬撃や銃撃、火炎、流水、土砂、金鉄、樹木、全てが激しく残された後があり、何よりも激しさを増しているのは………戦っている2人だった。
八幡「急急如律令!」
ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!
八幡が炎の球を出せば………
シルヴィア「
シルヴィアがそれを銃の光線でかき消す。
そして………
シルヴィア「
シルヴィアが光の剣を出せば………
八幡「フンッ!!」
八幡がその剣を一振りで消し飛ばす。
一進一退、攻防一体。攻撃すれば防御され、防御すれば攻撃をする。その繰り返しだったが、2人が負傷する事はなかった。むしろ今まで受けた負傷のことは忘れてしまっているのだ。
しかし驚きなのが、八幡とシルヴィアが姿を消して攻撃しているのだが、これは相手にも姿が見えない状態。その状態で剣戟をしていたのだ。観客側も実況側も何が起こっているのか分からない状況だった。
※2人は霊視で相手を見ている。
2人の激しいぶつかり合いを示しているかのように、ステージはボロボロで酷い状態だった。そんな事はお構いなしに戦いを続けている2人。
八幡「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」
シルヴィア「はあああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガギギギギギギギギッ!!!
鳴り止まない剣と刀がぶつかり合う音。
ガギイイィィィィンッ!!!
2人が漸く剣と刀を退き合い、2人も後方へと下がった。
八幡「はぁ……はぁ……はぁ……(こんなに長くて厳しい戦いは初めてだ。星露と戦った時はこんなに辛くはなかった。俺は全力では戦ってない……本気で戦ってる。俺の全てを出してだ。それを凌ぐどころか互角に戦ってやがる。とんでもない奴だよ、お前は。)」
シルヴィアはぁ……はぁ……はぁ……(多分、私が今まで戦った相手の中で一番強いよ、君は。でも、そんな君と互角に戦ってるんだから、かなり疲れてるよ。でも気なんて抜けないし、油断も出来ない。だって今戦っているのは、六花最強なんだからね。そうでしょ、八幡くん?)」
八幡「………なぁシルヴィ。俺はもう残りの星辰力はそんなに残ってない。勿論のことだが、腕や足を動かす力もそんなにはない。お前はどうだ?」
シルヴィア「私もだよ。星辰力も腕と足の力もあまりない。でも、だからといって手加減なんてしない。」
八幡「それは俺も同じだ。だから………もうケリをつけないか?」
シルヴィア「?」
八幡「何でもいいから、自分の本気をぶつける。今でいう星辰力を全て身体能力に使うとかな。」
シルヴィア(私はまだ霊力がある………一か八か、八坂とやってみるかな……うん、やろう!!)
シルヴィア「いいよ、その勝負乗ったよ。」
八幡「よし、なら今からだ。今から本気を出す時間を互いに取って、準備をしてくれ。」
シルヴィア「いいよ、じゃあ………」
八幡/シルヴィア「始めっ!!」
そして2人は星辰力………ではなく、霊力を最大限に引き出して練り上げていた。八幡は黄金色のオーラを纏い、シルヴィアは紫色のオーラを纏っていた。観客には異様なオーラしか見えていないだろうが、2人には互いの隣にいる動物がはっきりと見えていた。
シルヴィア(あれが八幡くんの最後の守護霊………狼、かな?でも今までのより格が違う気がする。)
八幡(なんでシルヴィが憑霊を使える!?いつから………いや、それは後だ。今は戦いに集中しないとだな。)
八幡は神格の狼を纏った。その瞬間、とてつもなく強い闘気が会場を包んだ。そして八幡の姿が変わり、黒い和服に白帯と羽織、髪も若干伸びて銀髪になっていた。
シルヴィアも妖狐である八坂を纏った。シルヴィアも八幡同様に姿が変わり、髪の色も金髪になっていた。ドレスに近い和服に変わっていて、格好で言えば梅小路冬香に近いだろう。白と紫が主調の和服だった。
八幡「
シルヴィア「憑霊………
互いに姿が変わり、待っているオーラもさっきとは桁違いになっていた。だが、2人には共通しているものがあった。それは2人から見ても明らかなものだった。
耳と尻尾だった。
髪の色そのままの耳と尻尾だったのだ。八幡は1つの銀色の尾を、シルヴィアは9つの金色の尾をなびかせていた。
互いが思っていたのとはかけ離れていたが、似たような事は思っていた。
八幡(か、可愛い……/////)
シルヴィア(か、かっこいい……/////)
八幡(な、何だありゃ?シルヴィアが憑霊を使えるのには驚いたが、もうそれどころじゃない。何だよあの耳と尻尾は!?いや、シルヴィ自体もそうだが、何でそのものは変わってねぇのに何で服と耳と尻尾と髪の色だけであんなにも可愛くなるんだよ!!?あんな可愛いのに攻撃出来ねぇよ!!むしろ撫でたい!!)
シルヴィア(うぅ〜……今まではあんなの無かったのに。どうして今回の憑神……だったかな?それには耳や尻尾がついてるのさ!!今の八幡くんかっこよ過ぎて直視出来ないよ!!しかも髪の色まであの時と同じ色だし!!)
互いに真顔のままだが、心の中は相手の変わり様に叫びまくっていた。
シルヴィア「………ねぇ八幡くん。きっと思ってることは同じだと思うからさ、この勝負は一撃で終わらせることにしない?私、君を直視していられない/////」
八幡「あ、あぁそうだな。俺も同じだ。ならもう一撃でケリをつけよう。その方が俺たちのためかもな………精神的な/////」
八幡とシルヴィアはお互いの姿が直視出来ないという、戦いではあまり関係ない理由で解決法を変えた。2人にとっては戦うどころではなかったのだろう。2人は背を向けあった………そして………
残っている霊力と星辰力を自身の身体に注ぎ込んだ。途端に会場は大きく揺れていた。そんな事は関係ないとばかりに力を注ぎ続ける2人。
八幡「行くぞ、シルヴィ。」
シルヴィア「うん、八幡くん。」
「「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」
光が会場を包み、観客や実況が目を開いた時には2人の位置は逆転していた。違っていたのは、さっきと違って棒立ちではなく、何か攻撃をした後のような構えを取っていた。
八幡「………」
シルヴィア「………」
スパッ!!
チャリチャリ………
校章が落ちた音がして試合が終了した。のだが……
『End of duel』『DRAW』
なんと表示板には『DRAW』引き分けの文字が映っていた。
梁瀬『………え、えぇ〜と、こういう時はどうすればいいんでしょう?自分がやってきた星武祭では引き分けなんてなかったので………』
チャム『じ、自分も同じっス。』
八幡「答えは簡単だ。」
シルヴィア「うん、そうだね♪」
2人『?』
観客全員「「「「「?」」」」」
八幡「俺たちを同率優勝にすればいい!それだけの話だ!!」
シルヴィア「そうすれば、何も問題ないでしょう?」
梁瀬『え、えぇ?で、ですが……あ、あれ?ちょ、ちょっと!?』
コール『その提案、大会委員長である私、コール・メスメルが受諾する!!今回の《王竜星武祭》の優勝者は、比企谷八幡選手とシルヴィア・リューネハイム選手だっ!!異議のない者は拍手で応えよっ!!!』
パチパチパチパチ!!!
観客全員が拍手を2人に贈った。それは賛成、つまりは2人が優勝したという意味でもあった。
梁瀬『え〜……コホン。試合終了〜!!!勝者、比企谷八幡&シルヴィア・リューネハイム〜!!!前代未聞の《王竜星武祭》同時優勝だ〜!!!』
紙吹雪が舞い2人は元の姿になって、徐々に距離を縮めていった。
八幡「意外も意外、2人で勝っちまったな。」
シルヴィア「ふふっ、そうだね♪」
八幡「………シルヴィ。」
シルヴィア「………八幡くん。」
八幡はシルヴィアの腰に腕を回し、シルヴィアは八幡の首に腕を回した。そして………
2人「んっ………」
観客の前で堂々と口づけを交わした。勿論の事だが、観客側や実況席は地震が起きるくらいの大騒ぎだった。
梁瀬『ウオッホオォォォイッ!!!皆さんご覧下さい!!あの六花最強のバカップル夫婦が会場のど真ん中でアツアツなキスをしております〜!!!今回の星武祭優勝者は界龍第七学院の比企谷八幡選手とクインヴェール女学園のシルヴィア・リューネハイム選手です!!!いやぁ〜ありがとうございます!ご馳走様でした!!!』
チャム『キャラがおかしくなってることについてはツッコミ入れた方がいいっスかね?』
前代未聞の同率優勝!みなさんこの展開予想出来ました?
もしこれはダメなんじゃないかとかありましたら、一応二次作品なので大目にみてください。
因みに憑霊、憑神の服装ですが、
八幡……BLEACHの六番隊隊長、朽木白哉の服装に耳と尻尾をつけた感じです。
シルヴィア……PS3『シャイニング・レゾナンス』のキャラ、キリカ・トワ・アルマの服装。青の部分を紫にして、耳と9つの尻尾をつけた感じです。