学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

547 / 609
拒絶と決別

 

 

八幡side

 

 

シルヴィア「ふぅ〜………終わったね〜。でも、これでもう星武祭に出られないのかぁ……なんかちょっと寂しい感じがするなぁ。」

 

八幡「じゃあ次の願いは星武祭の出場権か?」

 

シルヴィア「そんな事に使わないよ。回数が限られているからこそ、そのうちに全力を出したいって思えるものじゃない。それを超過しちゃうと、なんか違う気がするよ。」

 

八幡「確かに、そりゃ正論だな。」

 

 

それ程長くもない表彰式と閉会式を終えて、俺たちは控え室に戻っている。それ程急いで帰る必要もないから、少しだけのんびりしようと思っているだけだ。それだけだから暫くしたら帰るけどな。

 

 

八幡「帰る途中でお店の人たちに捕まらなきゃいいんだがな……ハッキリ言うとまだ食材残ってるし。」

 

シルヴィア「あぁ〜そうだよね。お祝いという名目で何か渡してきそうな予感もするね。どうしよっか?」

 

八幡「もし来たら受け取るしかないと思うぞ。できる限り断るっていうのもアリだが、あちらさんにマイナスな印象を与えちまう。素直に受け取るか?」

 

シルヴィア「その方が良いよ。せっかく用意してくれてるんだもの。」

 

八幡「そうだな……よし、んじゃあ帰るか。」

 

シルヴィア「うん、帰ろう。」

 

2人「我が家に。」

 

 

そして俺たちは会場を出て我が家へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のだが………

 

 

八幡「………」

 

シルヴィア「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由比ヶ浜「………」

 

 

何でお前が俺たちの目の前にいるんですかね?

 

 

シルヴィア「……八幡くん、無視して行こっ。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

八幡「だがよ、あいつ絶対俺たちに用があるよな?だって俺たちしか見てないぞ?」(ボソッ)

 

シルヴィア「関係ないよ。用があるのならすぐに言えばいい話だけど、彼女の話は聞くだけ無駄だと思うし。ましてや八幡くんの事を恨んでいるのなら尚更聞きたくないよ。」(ボソッ)

 

八幡「そ、そうか。」(ボソッ)

 

 

なんかシルヴィが少しだけ怖い………

 

そして俺たちはその場で立っている由比ヶ浜を素通りした………

 

 

由比ヶ浜「ちょっと待てし!!何無視して帰ろうとしてんの!?」

 

シルヴィア「え?私たちに用?」

 

由比ヶ浜「他に誰がいるし!!」

 

シルヴィア「お友達と待ち合わせでもしているんじゃないかなぁって思ってたから……それで?私達に用って何?君は自分の立場分かってるの?八幡くんに関わるなって言われてると思うけど?」

 

 

うん、言ったね。2年前に間違いなく言ったね。まぁそのうち2人とは和解したけど。

 

 

由比ヶ浜「シルヴィアさんじゃないんだ。用があるのはヒッキーの方。」

 

八幡「俺はお前の話を聞いてやる義理なんてないぞ。ましてや、総武にいた頃の話に嘘を混ぜ込んだ奴の話を信用するなんて出来ないんだが?」

 

由比ヶ浜「いいから聞けしっ!絶対ヒッキーの為になる事なんだから!!」

 

八幡「ほう?なら聞こうか。その俺のためになる事とやらをよ。」

 

 

予想出来ねぇな……こいつ何を言う気だ?

 

 

由比ヶ浜「ヒッキー、私と付き合ってよ。そもそもの話、私が先にヒッキーのことを好きになったんだし。シルヴィアさんが横取りしたんだから。だからさ、シルヴィアさんと別れて私と付き合ってよ。」

 

 

こいつ、何をいうかと思えば………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふざけてんのか?

 

 

八幡「1つ聞くが、それは真面目に言ってるのか?俺にはおふざけにしか聞こえないんだが?」

 

由比ヶ浜「本気に決まってるよ。なんでこんなところで嘘つくのさ。」

 

八幡「………そうか、よく分かった。お前の頭のネジがぶっ飛んでるってことがよく分かった。よくもまぁ、そんなバカで大それた事が言えたもんだ。お前の馬鹿さ加減には心底尊敬するよ………悪い意味でな。」

 

由比ヶ浜「な、なんで急にそんな悪口言われなくちゃならないの!?」

 

八幡「先に好きになったのは自分だから、彼女と別れて付き合えだ?冗談も大概にしろよ。なんで俺がお前と付き合わなきゃならない?」

 

由比ヶ浜「これ以上シルヴィアさんを洗脳するなって言ってんの!!可哀想じゃん!!だから早く解放してやれしっ!!」

 

八幡「洗脳?お前葉山みたいな事言うな。ていうか俺、他人をマインドコントロールなんて出来ねぇよ。むしろどうやってやるのか知りたいね。」

 

由比ヶ浜「いいから早く別れて私と付き合うしっ!!」

 

八幡「すると思うか?絶対に嫌だ。断固拒否する。」

 

 

当たり前だ。誰が好きでこんな奴と付き合わなきゃならない?信じらんねぇよ。

 

 

由比ヶ浜「な、なんでだしっ!!」

 

八幡「お前さ、好きでもない奴と付き合いたいと思うか?俺は絶対に嫌だぞ?メリットもねぇし、いてもつまらんし、何が良いんだよ?」

 

由比ヶ浜「……ねぇヒッキー、今の話聞いて思ったんだけど、ヒッキーって私のこと好きじゃ……ないの?」

 

八幡「お前何言ってんだ?今のお前の何処に魅力を感じろって言うんだよ?俺には今のお前の魅力が全く分からんし、感じないし、伝わらん。好きでも普通でもねぇ。単に嫌いだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

由比ヶ浜「……あ…………ああ……ああ……」

 

八幡「もう一度、ハッキリ言ってやる。俺はお前が嫌いだ。理由は多々あるが、これだけにする。人の気持ちを考えない奴をお前は好きになれるか?」

 

 

今のお前には、これさえ言えば充分だ。

 

 

八幡「金輪際俺たちに関わるな………行こうか、シルヴィ。」

 

シルヴィア「うん。」

 

 

俺たちはそのまま帰路についたが、帰りの途中は予想通りの展開となり、家に着く頃には両手に袋を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。