八幡side
ーーー界龍第七学院前ーーー
ここまで明鏡止水で来て正解だな。外にはまだ観光客やら生徒やら企業のお偉いさんやらで溢れていた。絶対に俺らが出たら、握手、サイン、写真、勧誘なんかが飛び交ってくるだろうな。にしても、今は朝の10時だぞ。幾ら殆どの店が開く時間だからと言って急過ぎないか?いや、まぁお土産とかを買うんだったら、売り切れない内に買っておいたほうがいいかもしれんが。それとも他の目的か?
……まぁ、それはいい。いつ何時に外に出るかなんて人それぞれだからな。ただ、企業のお偉いさんはこの時間に歩くものじゃないけどな。10時前に出歩いてもお店開いてないし、何より準備が出来てない。それにお話があって来たのか、単に見に来たのか分からんから、私服でお店行った方が良いですよ。
さて、視点を戻そう。俺たちは界龍の校門前にいる。門の右端に
八幡「じゃあシルヴィ、明鏡止水解くからな。」
シルヴィア「うん。」
八幡「よう、お疲れさん。」
シルヴィア「おはよう、2人共。」
玉緑「おぉ!!宗師!!それに奥方様も!!よくぞいらっしゃいました!!
八幡「そんな事をしていたのか?別にそんな事をしなくても迎えてくれるだけで充分なんだがな。」
シルヴィア「そうだよ。私なんて他学園の生徒なのにこんなに歓迎してくれるんだから充分すぎるくらいだよ。」
玉緑「何を仰いますか!!本来であれば《三冠制覇》と《王竜星武祭》連覇という偉業を成し遂げられたお2人には全生徒総出でのお出迎えこそが相応しいのです!!今朝帰ることを事前に聞かされていれば、皆は即座にそのようにいたしました!!」
いや、そんな風にされても困るんだが………
帆季「それに、あれ程の事を成し遂げられたのです。我々界龍の生徒全員がお2人の姿を拝見したいと強く願っておりました。殆どの者が現在鍛錬をしておりますが、すぐに八天門場へ招集をかけます。お2人はそのまま八天門場へとお進み下さい。」
八幡「別に招集しなくていいんだが……まぁしたいようにすればいい。」
シルヴィア「八幡くん、流石の崇められっぷりだね。」
ーーー界龍校内ーーー
中に入った俺たちは寄り道をせず、まっすぐ道場へと向かった。
シルヴィア「皆も飽きないよね。八幡くん何かを成し遂げる度にこういう事が起きるんじゃないかな?」
八幡「じゃあ俺、もう界龍で大人しくしてた方がいいのかもな。星武祭以外で目立ったことしたら、また厄介なことになるかもしれないしな。」
シルヴィア「じゃあ私と2人でライブをしようっ♪」
八幡「ちょいシルヴィさん?俺の話聞いてたの?目立ったことはしない方がいいって言ったばかりだよね?その矢先にその発言は何?」
シルヴィア「いやぁ、その方がいいかなぁって。」
八幡「良くねぇよ。確かに六花と日本だったらライブに協力するとは言ったけど、絶対じゃないからな?」
シルヴィア「えぇ〜!?私八幡くんと一緒じゃないとヤダよ!!それに私、八幡くんと一緒に眠らないと眠れない病にかかってるんだよ!?」
何だよそのメチャクチャ意味不明な病気は?
八幡「じゃあもし、これから海外の遠征があった時はどうするんだよ?その時は俺ついていけないぞ?」
シルヴィア「………ついてきてください。」
八幡「だから行けないって言ってんだろ。」
シルヴィア「八幡くんの分身を使えれば良いんだけど、それだと八幡くんの星辰力が持たないし、抱き枕じゃあ代わりにもならないし………もう、八幡くんが海外にも協力してくれたら解決する話なのにっ!」
八幡「チラチラ見ながら言うな。俺だって辛いのを我慢してるんだ。シルヴィもだろ?」
シルヴィア「それはそうだけど………」
八幡「その分、会えたら幸せを感じられるんだ。その辛さはその前払いだと思っておけばいい。俺もそのツケを払ってるんだからよ。」
シルヴィア「むぅ〜分かった。八幡くんも我慢するなら、私も我慢する。」
八幡「ありがとな。」
シルヴィア「………うん///」
ーーー八天門場ーーー
着いたはいいが………うん、いつもと同じ風景だな。剣や刀、青龍刀に槍、棍もある。うん、何処も変わってない。
八幡「………何もないな。」
シルヴィア「うん、何もないね。」
いや、ここは何も起こらないが正解なんだろうか?そんな事どうでもいいか。
それよりもだ。この道場に入っても何も起こらないんだが………え?何?何もしてないの?いや別に何かを期待していたってわけじゃないが、何も無いの?
そんな事を思っていた時、大きな破裂音がした。