なんかニュアンスが大幅に変わります。
そんなつもりはなかったのに………な、何故だ!!?
八幡side
ペトラさんとシルヴィからの依頼を受諾した俺は1度界龍に戻って色々と準備をしていた。ライブに行くのなんて何年振りだ?千葉に行った時以来だから………6年前くらいか?もうそんなに経つんだな。
コンコンッ
八幡「ん?どうぞ。」
冬香「失礼いたします、八幡様。少しよろ……そのお荷物はどうされたのですか?」
八幡「あぁ、1ヶ月後に出かける事になってな。理由はライブだが。」
冬香「成る程、シルヴィアさまの引退ライブに八幡様も歌ってほしいとオファーが来たのですね?」
八幡「オファーかどうかは分からんが、まぁ主催側のマネージャーから歌って欲しいとは言われたからな。縁もあるし最後なんだから、歌っても文句は言われないだろう。」
まぁどの道、歌うのはもう決定事項だしな。此処に来たのが虎峰じゃなくて良かった。
冬香「ではお邪魔でしたでしょうか?」
八幡「いや、大丈夫だ。俺の準備が早過ぎるだけだからな。それで、どうした?」
冬香「実は……下の者達が八幡様と模擬試合を希望していまして。」
八幡「あぁ……そういう事か。分かった、すぐに行くから待っていてくれ。」
冬香「畏まりました。」
そう言って冬香は部屋を出た。多分皆も不思議に思うだろうが、冬香は1年前に界龍を卒業している。何故此処に居るのかというと……本家から通達があって『一族の繁栄に努めよ。』という事だった。
俺が何を言いたいのか分かるよな?
そう。アイツは俺との子を作るつもりなんだよ。
最初はドストレートに言われた。勿論本人も俺にはシルヴィアが居るのを知った上での発言だった。俺もシルヴィ以外とは交わりたいと思った事は無い。だが冬香は本気みたいだった。中でも彼女が発言した中で印象に残っているのがこれだ。
冬香『確かに私は命令されて動いております。ですが、相手が誰でもいいというわけではありません。強い力、それも比類なき術を持った才のある人としか交わりたくはありません。特に……八幡様、私は今まで見てきた中の男性で1番強く、1番気高く、1番優しいお方です。愛が無くとも構わないのです。軽蔑されても構いません。一族の為ならば、この身体だって使う所存です。』
……梅小路家の事は知っているが、まさかここまで言うとは思わなかった。この事はシルヴィにはまだ言ってない。いや、言えるわけが無い。隠し事をしているのは申しわけが無いが、これは俺自身で解決したい。ただの我が儘という奴だ。
とはいえ、卒業して放っておいたら必ずついてくるだろう。それまでには冬香を納得させるか、別の男にさせるか、または………いや、もうやめておこう。
確か模擬試合だったな、行ってやるか。
八幡sideout
冬香side
界龍を卒業してもうすぐ2年が経とうとしております。今くらいでしょうか、本家からの通達でこの学院に滞在し、一族の繁栄に努めるようになったのは。
このような言い方は失礼ではありますが、私には八幡様以外に他の殿方が思い浮かびませんでした。この殿方とならと思える人物も八幡様しか考えられませんでした。八幡様のような方は、世界中何処を探しても居ないでしょう。
なので私は八幡様に性行為をお願いしました。勿論断られましたが、私の覚悟をある言葉を聞いてからは何かを真剣に考えるようなお顔をなされて返事を保留にしました。八幡様のお悩みを増やしてしまった事は大変申しわけ無く思っておりますが、それでも私は………
八幡「待たせた、済まない。」
冬香「っ!い、いえ、とんでもございません!」
八幡「八天門場でよかったか?」
冬香「ご案内いたします。こちらです。」
い、いけません。今は八幡様が傍に居るのです。気を引き締めなくてはっ!
八幡「……なぁ冬香。」
冬香「はい、いかがなされましたか?」
八幡「正直に言う、俺はお前と身体を交える気は無い。」
冬香「っ………」
八幡「それに関して俺は罪悪感は無い。当たり前の感情だからな。お前の事は好きではあるが、それは異性としてではない。おかしな事を言うが、異性として魅力的であるのは否定しない。」
冬香「………」
八幡「直接身体を交わる事はしないが、それ以外の方法を考える。それならどうだ?俺はそれなら構わないと思っている。」
冬香「っ!」
は、八幡様はそこまで………
い、いけません八幡様。そのように優しくされては………叶わぬ恋だと知っていても、貴方様の事がもっと好きになってしまいます。
冬香「そ、それでも充分過ぎるくらいでございます///お、お気遣いしてくださり、あ、ありがとうございます///」
八幡「あぁ。」
やっぱり八幡様、貴方はお優しい……こんな最低な事をお願いしている私にも、このような寛大な配慮をしてくださるなんて。
冬香「……八幡様、本当にありがとうございます、本当に。」ボソッ
八幡「ん?何か言ったか?」
冬香「いえ、何も。さっ、参りましょう。」
八幡「?あぁ。」
この時、私の目から涙が出ていました。その涙は失恋から来るのか、嬉しさから来るのかは分かりませんでしたが、自分でもとても綺麗な涙には違い無いと感じました。