学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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言えた秘密と言えない秘密

 

 

ーーー某会社内ーーー

 

 

後輩「先輩っ!シルヴィアちゃんと比企谷君の引退ライブのチケット、買いました!?」

 

先輩「シルヴィアちゃんの引退ライブな。買ったに決まってるだろ。後は抽選で当たり待ちだな。」

 

後輩「あぁ〜今からでも緊張するんですよね〜。早く抽選しないかなぁ……待ちきれない!」

 

先輩「おいおい、抽選の結果は来週だぞ。」

 

上司「何の話だい?」

 

先輩「あぁ課長。実はシルヴィアさんと比企谷くんのライブのチケットを買いまして。それでコイツが待ちきれないって。」

 

後輩「何ですか〜私がせっかちみたいな言い方!」

 

上司「はっはっは。実は私も買っていてね。」

 

2人「えっ!?課長も!?」

 

上司「そ、そんなに意外かい?私だってこういうのには偶に参加したいって思う時はあるんだよ。弾けたいとか暴れたいとか……年不相応だけど。」

 

先輩「い、意外です……」

 

上司「それに、娘にもサインくらいは持ち帰ってやりたいからね。一応家族分は買ってあるから、誰かが当たればそれで行けるからね。」

 

後輩「家族孝行ですね。」

 

上司「家族サービスは大事だからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

比企谷母(………言えない。もう既にチケットを持ってるなんて言えない。しかもプレミア。)

 

 

比企谷母side

 

 

社内でも休憩の時に息子と義娘のライブの話で盛り上がっている人達が大勢居る。元々私の会社は彼女のファンが多い。それは新人古参関係無く居るわ。だからこの会社の人間関係はかなり良いと言ってもいい。今は休憩時間で社内で食事をしながら話をしているグループの近くで食べているのだけど、自分だけ凄く気まずい感じになっているわ。もうその2人からチケットを貰っているから。

 

 

社内に持ってくるんじゃなかったわ。いえ、持ってきたのは意図してってわけじゃないけど、家で保管するにはちょっとアレだったから持ち歩いていようと思ったあの時の私に喝と説教をしてあげたいわ。それにしても、何処からもライブの話がするわね。この会社のスタッフ、シルヴィアちゃんの事好き過ぎないかしら?

 

 

主任「あ、部長!お疲れ様です!ご一緒してもいいですか?」

 

比企谷母「え、えぇ、どうぞ。」

 

主任「どうも。いやぁ〜それにしても、どこもかしこもライブの話ばかりですね。まぁ彼女の引退ライブですから当然かもしれませんが。」

 

比企谷母「その子達が日本に来るんだもの。それも横浜でライブするんだから、興味がある子で応募しない子は居ないんじゃないかしら。」

 

主任「ですね。私も買いましたけど、そこまでは期待してませんから。テレビで見れるだけでも充分なので。」

 

 

なんて良い子なのかしら。欲が無いと言ったらアレだけど、達観しているというのかしら?

 

 

主任「それで、その……部長。ちょっと聞きにくいんですが、聞いてもいいですか?」

 

比企谷母「ん?何?」

 

主任「これ、部長には内緒にしてる噂なんですけど………部長と比企谷八幡君って家族だったりします?」

 

 

………どう答えればいいのかしら、この質問には。私自身あの子の事を息子だと思っているけど、あの子に親らしい事なんて1度もしてないし、教えてない。

 

 

でも、この前の……去年来た時は……

 

 

※この後の回想は閑話にはしてませんが、【閑話 ⑥『家族』】で帰省した時の会話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

比企谷母「ねぇ八幡、聞いてもいいかしら?」

 

八幡「ん?」

 

比企谷母「もしも私が何処でもいいから、アンタの母親だって言ったらどう思う?」

 

八幡「……何だそりゃ?」

 

比企谷母「もしもよ。」

 

八幡「別に気にしないぞ。母ちゃんがそれを言って後悔しないのならな。別に俺は母ちゃんに『この子は私の息子だ。』って言われても事実だから何とも思わないぞ。」

 

比企谷母「私の居る会社ってシルヴィアちゃんのファン多いわよ?」

 

八幡「つまりは俺のファンじゃねえんだろ?なら問題ねぇだろ。」

 

比企谷母「ふふ、まぁいいわ。アンタは問題無いっていう事でいいのね?」

 

八幡「母ちゃんの好きにしろよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時、八幡はこう言ってくれたわ。だから私は堂々とアンタの母親だって言えるわ。

 

 

比企谷母「………えぇ、そうよ。ウチの長男よ。」

 

主任「………マジですか?」

 

比企谷母「えぇ、マジ。」

 

主任「えええええぇぇぇぇぇぇ!!!!???」

 

 

彼は突然叫びだした。言っておくけど、此処一応職場よ?しかもオフィス内。静かにね。

 

 

主任「………あっ!し、失礼しました!突然………ぶ、部長!ほ、本当なんですか!?彼の母親だなんて!今までそんな事を思わせるような仕草なんて1つも……」

 

比企谷母「えぇ。だって誰にも聞かれないんだもの。それに、貴方達が勝手に噂してたんでしょ?なのに何でそんなに驚くのよ?」

 

主任「い、いえ……まさか本当に母親だったとは思わなくて。っ!じ、じゃあ部長って……星脈世代?」

 

比企谷母「ううん、私は普通の人間。あの子が後天性の星脈世代になったのよ。だから私の家族ではあの子だけが星脈世代よ。」

 

主任「は、はぁ……」

 

比企谷母「此処の人事部の人だったら分かりそうなのにね。資料を見て家族扶養の一覧見たら一発で分かるのに。気になってみようとは思わないのかしら?」

 

主任「ぶ、部長は動じないんですね。」

 

比企谷母「別に秘密にしていたわけじゃないし、さっきも言ったけど聞かれなかったから。」

 

主任「そ、そうでしたか……」

 

比企谷母「別に私が凄いってわけじゃないんだからそんなに引かなくてもいいわよ。凄いのはあの子なんだから。それと、お弁当食べないの?箸が全然動いてないわよ。」

 

主任「っ!あ、あぁ……驚きが強過ぎて、食べる事も忘れてましたよ。じゃあ今回のライブも息子さんからチケットを貰っていたりするんですか?」

 

比企谷母「それとこれとは話が別だから貰ってないわ。それにこのライブはシルヴィアちゃんのでしょう?あの子がそこまで口を出せるわけないじゃない。」

 

主任「で、ですよね~。」

 

 

やっぱり言えないわ。もうチケットを貰ってるなんて本当に言えないわ。だって申しわけ無いもの!抽選決まる前からチケットを、しかもプレミアを貰っていたなんて!

 

 

主任「ち、因みに写真とかってありますか?」

 

比企谷母「えぇ、見たいの?」

 

主任「ご、ご迷惑でなければ。」

 

 

私は5年前に玄関に置かれていた写真を見せた。

 

 

主任「おぉ〜………」

 

比企谷母「因みにこれ、あの子達が高校2年生の時の写真よ。で、こっちが大学1年の時ね。去年家に来たの。」

 

主任「す、凄いです。まさかこんな身近に有名人が居たなんて……」

 

比企谷母「一応言っておくけど、あんまり言いふらさないでよ?あの子はいいかもしれないけど、私の家までマスコミとか来られたら本当に困るんだから。」

 

主任「は、はい!分かってます!」

 

 

 

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