八幡side
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ん……んんぅ〜……ん?もう朝か?けどまだ外暗いな。今何時だ?………まだ4時じゃねぇか。あぁ、でもどうすっかなぁ……すっかり起きちまったし、なんか眠れるような感じでもない。かといってこのままの体勢でずっと居られる程、暇というわけでもない。というより、少しだけ身体を動かしたいんだが、それすらも出来ない。何故なら………
シルヴィア「すぅ……すぅ……」
俺のお姫さんが俺の腕に抱き着きながら眠っているからだ。いやね?別にこれが嫌だとは言わないよ?だって俺も偶にシルヴィに抱き着いて寝てる時あるから。でもシルヴィは毎日のように俺に抱き着いてる。安心出来るって意味もあるとは思うが、俺が少しでも腕を離そうとするとすぐに………
シルヴィア「んんぅ………んん〜……」ギュ∼!
すぐに抱き締め返してくる。なんて愛くるしい奴めっ!って思うんだが、流石に飲み物くらいは飲みに行かせてくれ。いつもやっているからもうそれ程大々的には言わないが、分身を身代わりにするのもなんかアホらしくなってくるんだよ。いや、自分の行動を制限されるのはアレだからそうするしかないんだけどさ。
八幡「……仕方ない、今日もやるしかないか。」
そして俺は自身の影からもう1人の俺を作り出して身代わりをしてもらった。
八幡「いつも済まないねぇ。」
分身「いいって。早く用事済ませて来いよ。」
シルヴィア「んんぅ〜八幡君……」
分身「はいはい、俺なら此処に居るぞ~。」
なんて男前な奴なんだっ!いや言ってるの俺(分身)なんだけどさ。
………アイドル・歌手のトップニュースは殆どがシルヴィアの引退ライブについてだな。それもそうだ、世界で最も美しく綺麗な歌声を持ってる人がこの若さで引退するんだからな。驚くなという方が無理だ。けど、シルヴィがアイドル始めてもう10年くらい経つのか?そう考えたら、まぁよくやってきたと思うけどな。
八幡「あとめぼしいニュースは……ん?」
………気になるな。読んでみるか。
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いよいよ明日にまで迫ったシルヴィア・リューネハイムさん(クインヴェール女学園大学部4年)の引退ライブ。チケットの販売も1週間を経たずして完売という驚異的な人気を誇っている。そんな彼女のライブだが、我々が独自に調査した結果、彼女の恋人関係である比企谷八幡氏を誹謗中傷する内容が含まれていた。さらに、偽造チケットを作成して、比企谷八幡氏に暴行を行う内容も含まれていた。参加メンバーは不明だが、今のところ推定30名がこの計画に賛同している模様。我々はライブが始まるまでは調査を続行する予定です。
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……こんなグループも存在しているのか。まぁシルヴィの熱狂的なファンから俺のアンチに移った奴等も少なくはない。まぁ俺のアンチってだけでシルヴィアが嫌いになったわけではない。俺が気に食わないだけだろう。
八幡「にしても、暇な奴等が居たもんだな。これは対策が必要だな。だが何がいいか………っ!」
良い事を思いついたぞ……これなら偽造だって分かるだろう。よし、今からやるか!ペトラさんには申しわけないが、起きてもらうしかないか。
八幡「俺、悪いがやる事が出来たからシルヴィの相手を頼む。」
分身「任せとけ。シルヴィを愛でてればいいんだろ?抱き締めてナデナデしてればいいか?」
八幡「よし、それをやり続けろ。」
分身「がってん。」
古いわ。
八幡「さて、ペトラさんに連絡っと………」
pipipi…pipiっ!
え?起きてるのか?
ペトラ『おはようでいいのかしら?それよりも、こんな時間にどうかしたの八幡くん?』
八幡「おはようございます、ペトラさん。実は少し協力して欲しい事がありまして。ペトラさん、当選した人のチケットのデータが入ったPCってあります?」
ペトラ『えぇ、あるわよ。それがどうしたの?』
八幡「少しそれを使わせていただければと思いまして。悪用するわけでは無いですから安心してください。」
ペトラ『貴方がそんな事をする人じゃないっていうのは知ってるから。でも、何の為に?』
八幡「単なる犯罪防止ですよ。」
ペトラ『?……まぁいいわ、取り敢えず私の部屋に来なさい。重要なファイルだから外に持ち出して見させるわけにはいかないわ。』
八幡「ありがとうございます、では今からそちらに向かいます。」
そして俺は通信を切った。
よし、データを打ち込んでいるのなら話は早い。機材は俺が作った方が早いな。買いに行くとしてもどの店に売ってるか分からんし、間に合わん。うん、俺が作るの決定。
ーーーペトラの部屋ーーー
コンコンコンッ
ペトラ『入りなさい。』
八幡「失礼します。」
ペトラ「さっきぶりね。でもどうして急に犯罪防止なんて事をしようと思ったのかしら?」
八幡「それはこの記事です。」
俺はさっき見た記事をペトラさんに見せた。
ペトラ「……成る程ね。そういう事なら協力するわ。データの入っているファイルはコレよ。」
八幡「はい、お借りします。このファイルのデータをコイツに入れてっと……後はPCと連動させて……よし、これでいい筈だ。」
ペトラ「何をしたの?」
八幡「見ていれば分かります。チケットってあります?」
ペトラ「えぇ、予備のなら。」
ペトラさんはチケットを持ってきた。そのチケットには70001の番号が振られていた。
八幡「ペトラさんもご存知の通り、チケットには番号が振られてあります。今回は動員数が70000人なので70001という数字はあり得ません。なのでこれを打ち込んでも……数式には反映されません。」
俺はチケットをスキャナーで打ち込んだが、PCにはサイレン音が鳴り、データがありませんと表示されていた。
八幡「けど、もし番号がこのPCに反映されている場合は……このように通ります。」
今度は数式に俺の名前を使って登録していた為、名前の横にペケ印が付いていた。
八幡「もし番号がまだ打っていないものだったとしても、数式に反映されていなければ、それは偽物のチケットという事です。記事には書かれていませんが、ニンベン師という奴が偽造カードを作っているみたいですからね。」
ペトラ「成る程……データを使って相手を見抜くのね。しかもチケットには刻印代わりとしてデータを入れてあるからすぐに分かるものね。」
八幡「はい。これならすぐに正式なチケットか偽造チケットかが分かりますので、対策にはいいと思うのですが……どうですか?」
ペトラ「これを不採用にすると思うかしら?是非使わせてちょうだい。」
八幡「ありがとうございます。スタジアム導入の際に使う人数ってどれくらいですか?」
ペトラ「10〜15人ね。」
八幡「ならその中で3人がPC役、後の12人がスキャナー役ってところですね。3チームに分かれて打ち込んでいきましょう。」
ペトラ「ならそれぞれのチーム名として
八幡「PCにも誰が打ったか分かるようにしておきますね。」
こうして俺達の防犯対策は作業と打ち合わせに試運転もやって、朝食の時間になるまで続いたのであった。