始めたのは14時あたりです。
ーーーーーー
握手会が終わり、会場の片付けや精算などの集計をしていると、あっという間に夕方になっていた。夕日が綺麗な時間だから、茜色の太陽が街を染めている。
私は今、収録室で片付けが終わるのを待っている。八幡くんは……
シルヴィア「えへへっ♪」
八幡「…………」
打ち上げに参加しようとしていなかったから、八幡くんが帰らないように私が腕に抱き付いています♪
八幡「……なぁシルヴィア。帰らないから腕を解放「ダーメッ♪」……さいで。」
ねぇ、この子何なの?こんな良い笑顔しちゃってさ。可愛いからやめてくれる?
シルヴィア「八幡くんが片付け終わるまでならって、言ってたじゃない。それとも私に嘘をついてたの?」
八幡「ついてないついてない。分かったから大人しく腕にしがみついてろ。」
シルヴィア「むぅ……なんか嫌な言い方だね。」
八幡「不満なら別にいいぞ。」
シルヴィア「不満なんてないも〜ん!ギューっ!」
この子は全くもう………なんて可愛い事を口にするんだ。あれ、よく考えたらこれってあり得なくね?世界の歌姫が俺に抱きついてるってヤバくね?
なんか話題考えよう!俺、この雰囲気を保てる自信なんてない!
八幡「……そ、そういえば打ち上げって何処でやるんだ?俺、そういうの参加した事ねぇから全く分からなくてよ。」
シルヴィア「結構色んなとこ行くよ。居酒屋もあれば普通の飲食店もあるし、偶に甘味処とかでもするよ。」
八幡「甘味処って………スイーツ店とは言わないのか?そっちの方がお前の文化に馴染み深いだろ?」
シルヴィア「何でだろ〜ね?ナデナデして〜?」
八幡「何だよそれ……」
シルヴィア「うにゅ〜〜………」
え?今のは何だ?何かの鳴き声?
八幡「なぁシルヴィ?今何か聞こえな……シルヴィ?どうした?」
シルヴィが頬を膨らませていた。え?何?俺なんかしたか?覚えがないんだが………
シルヴィア「八幡くん、頭撫でるのやめないでよ〜。気持ち良かったのに〜。」
八幡「え?頭?撫でる?」
え?俺頭撫でてたのか?全っ然無意識だった。
シルヴィア「うん。」
八幡「あ、あぁ、悪い。」
シルヴィア「にゅ〜〜……」
………君だったのね、あの声。
それにしてもなんて声出すんだよ。お兄ちゃんそんな子に育てた覚えはありません!
八幡「撫でるのはいいが、寝るなよ?」
シルヴィア「んぅ〜〜寝ちゃいそう。寝ちゃったら起こして、おにーちゃん。」
………お兄ちゃん、か。久しぶりに聞いたな。まぁあの事件の後から話もしてなかったから今更か。俺はそんなとこよりも、もっと良い場所と良い友人たちを見つけた。
俺にとっての本物がな。
八幡「しょうがねぇな、なら寝てろ。撫で続けてやるから今は休んどけ。」
シルヴィア「ん〜♪ありひゃとう……」
八幡「呂律回ってなかったぞ、おい。しかももう寝てんのかよ……早いな。」
総武にいた時の俺に見せてやりてぇな。六花にいる俺はこんなにも充実してて、本物も既に手に入れてるって事を。
ペトラ「シルヴィア、八幡く………寝てるのね。余程疲れたのかしら。」
八幡「まぁ今日のライブは、こいつにしたら十分過ぎるくらい何時もとは違いますからね。一番の理由は俺でしょうけど。」
ペトラ「貴方の事、随分心配していたのよ?昨日の夜なんて、貴方にもしもの事があったらどうしようとか言ってたんだから。」
八幡「そうですか………片付けは終わったんですか?まだでしたら手伝いますけど。」
ペトラ「もう終わってるわ。丁度あなた達を呼ぼうと思っていたら、こんなにも微笑ましい光景が目に映ったものだから。」
ペトラさんって意外と子供っぽいところあるんだな。普段はこんな感じなのか?
ペトラ「さ、打ち上げに行きましょう?悪いけど、シルヴィアは運んで来てもらえるかしら?その方が居心地良さそうだし。」
八幡「はぁ、言うと思ってましたよ。」
俺はシルヴィをお姫様抱っこすると、外で待っている車に乗り、打ち上げの場所までペトラさんと話をしていた。
ペトラ「じゃあ、今日もお疲れ様。シルヴィアと八幡くんに乾杯。」
スタッフ「かんぱーいっ!!」
八幡「か、乾杯。」
シルヴィア「Zzz……」
来たのは居酒屋、因みにシルヴィを起こさなかったのは、ペトラさんがその方が面白くなりそうだと、何とも意味の分からない事を言い出したからだ。
ついでに言うと、シルヴィは俺の腕にしがみついています。おかげで冷やかしの目がとまりません。早く起きて下さいお願いします。m(_ _)m
ーーー30分後ーーー
シルヴィア「……ん、、んんぅ。」
八幡「おっ、起きたか?」
シルヴィア「………八幡くん?え!?」
八幡「悪いな、打ち上げ始めちまってる。ペトラさんが起こすなって言うからそのままにしといたんだが、ダメだったか?」
シルヴィア「も、もしかして………来る途中も八幡くんに抱きついてた?」
八幡「ん?あぁ。」
シルヴィア「え、ええぇぇ!?/////」
スタッフ「おっ!皆、シルヴィアちゃん起きたぞ!王子様の腕の中でスヤスヤ眠ってたのに、キスで起こされたか?」
ガヤガヤッ!
シルヴィア「キキキキス!!?八幡くん!?本当にキス………したの?/////」
八幡「しねぇよ。あの人がからかっただけだ。まぁ、悪かったな。気は進まんだろうが、食って忘れとけ。」
シルヴィア「…………/////」
それからシルヴィアは、顔を赤くしながらも俺の側を離れず、食べ物を食べていた。チビチビ食べてたから可愛かったとは言わないでおく。恥ずいから。
ーーー1時間後ーーー
ペトラ「それじゃ皆、次の仕事も頑張っていきましょう。それじゃ、お疲れ様。」
スタッフ一同「お疲れ様でしたっ!」
そう言ってから、解散しだが、俺とシルヴィとペトラさんだけが残っていた。
八幡「あの……帰らないんですか?」
ペトラ「えぇ、帰るわよ。シルヴィア、頑張りなさい?絶対大丈夫よ。」
シルヴィア「わ、分かりましたから〜。」
ペトラ「ふふっ、それじゃ八幡くん。今回はありがとう。またお願いするわね。」
いや、プロに頼め。
八幡「それで?俺に何か話しがあるみたいだが、どうしたんだ?」
シルヴィア「え、えぇ〜と……」
い、言わなきゃ。恥ずかしいけど言わなきゃ!折角ペトラさんにも協力してもらったんだし。
シルヴィア「あ、あのね、私今日はホテルで一泊する予定なんだ/////」
八幡「あぁ、それで?」
シルヴィア「そ、それでね?もし八幡くんさえよかったら……よかったらだよ!」
八幡「お、おう。」
何だ?道分かんないから送ってほしいってか?地図用意して行けばいいんじゃ
シルヴィア「八幡くんも一緒に……と、と、泊まっていかないかなって/////」
ないかうえぇぇ!?
シルヴィア「ダ、ダメ……かな?」
さてさて凄いことになってきましたね!
燃えてきましたよー!