学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回はシルヴィアの過去を書いてみました。

原作ではどう書かれているか分かりませんが、私なりに工夫して書いてみました。


シルヴィの過去と2人の境遇

 

 

シルヴィアside

 

 

あの後、私達は千葉駅近くのサイゼリヤに寄って昼食を食べて、少しだけ話をしながら時間を潰した。あっ、に頼んだメニューは八幡君がミラノ風ドリア、オーフェリアさんがシーフードパエリア、私がエビとイカのドリアだよ。皆で分け合ったりして美味しくいただきました。

 

お店を出た後はオーフェリアさんを駅まで送ってからショッピングをした。ららぽーとは千葉ライブ以来に行ったけど、やっぱり凄く広いね!六花の商業エリアにあるお店にも引けを取ってないと思う。でも品揃えや数は六花のお店の方があったかなぁ。まぁ世界中から注目されているから当たり前なんだけどね。

 

結構回ったから外は少しだけ暗い。明かりを付ける程ではないけど、一歩手前みたいな?そんな感じの暗さかな。もうちょっとしたら街灯の明かりも付くかな?

 

 

シルヴィア「あぁ〜回ったね〜!

 

八幡「あぁ、俺もららぽを全部回ったのは初めてだ。女性専門店以外ではな。」

 

シルヴィア「良い物も買えたし、私は満足だよ!何より楽しかったからね!」

 

八幡「そりゃ何よりだ。んじゃそろそろ帰るか。他に行きたい所とかはあるか?」

 

シルヴィア「……ねぇ八幡君、もう1回だけ星脈世代になった場所に行っちゃダメかな?」

 

八幡「それは良いが、今の時間はまだ星も見えないぞ?」

 

シルヴィア「そんなんじゃないよ。ただ、なんかまた行きたくなっちゃってさ。」

 

八幡「……よく分からんが、俺は構わない。それじゃあ家帰る前に行くか。」

 

シルヴィア「うん。」

 

 

ーーー20分後ーーー

 

 

目的地に着いて、私と八幡君は一息ついていた。此処に来てどうこうしようなんて考えていない。ただ来たかっただけ、本当にそれだけの理由。

 

 

八幡「………そういえば今くらいの時間だったな。俺がこの場所に来たのも。季節は違うが、今くらいの時間で今くらいの寒さだったと思う。」

 

シルヴィア「………そうなんだ。」

 

 

嫌な事を思い出させちゃったかな……私はこの場所、ちょっと気に入っちゃったかな。

 

 

シルヴィア「……この場所、なんか昔の頃を思い出しちゃってさ。だからかな、懐かしいって思えるのは。」

 

八幡「………」

 

シルヴィア「八幡君には話したよね?私の故郷では私に対してよく思ってない人が多いって事。」

 

八幡「……あぁ、聞いた。」

 

 

そう、当時の私の故郷では私に対して良い感情を持っていた人なんて誰1人としていない。その理由は至極簡単、星脈世代だから。これだけ聞いても分からないと思うけど、非星脈世代の両親から生まれたのが星脈世代だったから。本来ならあり得ない事だった。両親には含まれていない筈の因子を私は持ってしまったから。

 

 

シルヴィア「最初は他の子との違いなんて全く分からなかった。私が少しだけ運動神経が良いくらいだと思っていた。でもその違いはすぐに分かる瞬間が起きてしまった。小学校に入学して少し経った時の体育の授業で私は思い切り走ったんだけど、無意識に星辰力を使ってしまったの。それが理由で私は学校だけでなく、その街中の人達から気味悪がられた。」

 

八幡「………」

 

シルヴィア「家に帰ってから言う『ただいま』。この一言を言うのも怖くなって段々帰りづらくなってきた。街に行っても皆私の方を見ながらヒソヒソ話をするから怖くなった。だから家に帰っても部屋の中で閉じこもるようになった。」

 

シルヴィア「そんな時、いつも暗い私を励ましてくれたのは世界で有名なトップアイドルだったペトラさんの歌だった。いつも落ち込んでばかりの私を元気付けてくれたペトラさんのライブを見てこの人みたいになりたいと思った。だから私は親に初めてお願いをした。六花に行きたいって。両親からしてみればこれ以上無いくらい嬉しかったと思うよ。悩みの種だった私が漸く居なくなるんだから。両親はクインヴェール女学園に願書を出した。そしたら、クインヴェールの人達とペトラさん本人が来たの。」

 

 

あの時は本当にビックリした。まさか私の憧れの人本人が来るなんて思っても見なかったから。でもそれもその筈だった。クインヴェール女学園、というよりも六学園には初等部の管理施設は界龍しかなかったから。その場所にまだ小学校に入りたての6歳の小学1年生が1人で別の地域で暮らすなど自殺行為にも等しかった。流石にこれは看過出来ない学園側は両親の元に来て説明をした。こういう理由で入学出来ないから、中学生になるまで待ってくれと。でも私はそれまで待てなかった。今すぐ行きたかった。中学生まで惨めな思いをして生活するくらいなら、分からない場所で1つ1つ重ねていった方が自分の身になると思ったから。

 

 

シルヴィア「断られるのは分かっていたけど、それでも行きたかったから必死になって頭を下げた。そしたらペトラさんが『どうしてそこまでして行きたいの?』って聞いてきた。私は『自分がどこまでやれるか試したい。』『憧れの人に近付きたい。』って答えた。1つ目の答えは八幡君とまるっきり同じだね。そしたらペトラさんは『それくらいの覚悟があるのなら、弱音は絶対に吐かないようにするのよ。』って言った。その日から私はクインヴェール女学園の生徒になった。」

 

 

入学した日からは大変だった。食事は学園側が用意してくれるものがあったけど、教室や自室の掃除、洗濯、授業は勿論だけど、アイドルについての勉強もあった。本当に大変だったけど、あの場所に戻るくらいならこれくらいの事何でも無い。そう言い聞かせた。

 

 

シルヴィア「そんな忙しくて大変な日でも、当時の学園の先輩達やペトラさんは私の事を気にかけてくれた。一緒にご飯を食べたり、お話をしたりした。7歳の誕生日には学園の人達の皆でお祝いをしてくれた。六花に来てから、私の人生は良い事だらけだったなぁ。だから思うんだ。私と八幡君って六花に来た理由とか境遇って似てるんだなぁって。時期は違うけど、なんか似てると思わない?」

 

八幡「………そうだな、確かに似てる……シルヴィ、1つ聞いてもいいか?」

 

シルヴィア「うん?何?」

 

八幡「シルヴィは故郷に帰りたいって思ったりしないのか?」

 

シルヴィア「思わないかなぁ。もし環境が変わって私を見ても気持ち悪い目で見るようになってなくても、帰る気持ちにはならないかな。」

 

八幡「……そうか。いや、そりゃそうだよな。俺もライブがなけりゃ千葉になんて帰ってなかった。悪いな、バカみたいな質問しちまって。」

 

シルヴィア「ううん、気にしてないよ。」

 

 

でもなんだろうなぁ………八幡君とは人生の歩み方といい経験といい、運命を感じる。

 

 

シルヴィア「暗がり 静寂が包み込む 誰もいないのに 声が聞こえる」

 

 

この曲は私がよく見ていたペトラさんの曲。曲名は『Over The Testament』

 

 

シ・八「まっさらな 共存共栄の世界 求めて立ち上がる Next generation」

 

 

っ!八幡君もこの曲知ってたんだ………

 

 

ーーー4分後ーーー

 

 

シ・八「Over The Testament」

 

 

私達が歌い終わると、もう外は暗かった。眺めながら歌っていたから分かるけどね。

 

 

シルヴィア「……八幡君もこの曲知ってたんだね。」

 

八幡「この曲は俺のお気に入りの曲でもあってな。俺の過去と今を表しているような曲風で俺達2人の事を表しているような感じがしたから、ライブで歌おうか迷っていた曲の1つだ。まぁ、出さなかったけどな。」

 

シルヴィア「どうして?」

 

八幡「この曲はライブで歌うべきではない、そう思っただけだ。」

 

シルヴィア「……そっか。」

 

 

八幡君も同じ事を思ってたんだ。私もこの曲を出そうかどうか悩んでた。結果、私も出さなかった。理由は八幡君と同じだけど、この曲はペトラ・キヴィレフトが歌うからこそ輝く曲だと思ったから。

 

 

シルヴィア「……そろそろ帰ろっか、寒くなってきたしね。」

 

八幡「そうだな。荷物、片方持つ。」

 

シルヴィア「ありがとう。」

 

 

これまでと同じように、支え合っていこうね、八幡君。

 

 




『Over The Testament』…新妹魔王の契約者BURSTのOPです。
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