今回で引退ライブ編は終了です!
一気にすっ飛ばしました!
八幡side
千葉で生活して20日が過ぎ、およそ3週間の間で色々な事をして、色々な所へ行った。もしかしたら今まで暮らしてきた千葉生活で1番充実した生活を送れただろう。出かけた時は勿論の事だが、家の中でも俺の両親が仕事で居ない日が多いが、休みの日や仕事終わりの早い日は家族全員で食事をしたり、話をしたりする。
だが、楽しい時間というのはあっという間に過ぎてしまう。俺達はもう六花へ帰らなければならない。俺たちの休みは2月の間までだから、残りの下旬は六花で過ごすと決めている。その事はシルヴィとも相談して決めた事だし、両親にも言ってある。偶然かどうか分からんが、母ちゃんも親父も今日は休みだった。だから今日は出かける事はせず、1日家に居た。
そして午後の1時半。俺達は4時の船で帰る為、そろそろ出発する時間になった。時間には余裕を持った方が良いから早めに行く事にしたのだ。
八幡「よし……荷造り済んだか?」
シルヴィア「昨日の時点で9割は終わらせてたから問題無し!洗面道具を入れるだけで終わったから大丈夫だよ。」
八幡「そうか、ならいつでも出発出来るな。」
シルヴィア「うん。じゃあ挨拶に行こっか。」
ーーー居間ーーー
シルヴィア「この3週間、お世話になりました。」
比企谷父「もう行ってしまうか……3週間ってのは早いもんだな。まだ居られるんだったら引き留めるんだが、まだ学校があるからな。」
比企谷母「そうね……確かに短く感じたわね。2人共、遊びにこれるようになったらいつでも来てね。歓迎するわ。」
八幡「ありがとな。」
シルヴィア「ありがとうございます。その時は是非、お邪魔させていただきます。」
比企谷父「んじゃ、駅まで車で送ろう。俺達が最後まで見送りたいだけだから、シルヴィアちゃんは気にしなくてもいい。」
シルヴィア「……ありがとうございます。」
……家の車に乗るのなんて随分久しぶりだ。四捨五入すれば20年は乗ってない事になるな。
ーーー車内ーーー
比企谷父「……なぁ八幡、界龍の卒業式には俺が乗り込んでやろうか?」
八幡「おっかねぇ事言うなよ。そうしてもらえたら嬉しいが、六花に行くまでの検疫は相当厳しいから時間かかる。今からだと難しいぞ。」
比企谷父「そうかぁ。息子の卒業式、1度でもいいから撮るべきだったなぁ……今後悔しても遅いか。」
八幡「誰かに撮ってもらうよ。それを2人に送るから。まぁ生で見たかったんだろうが、我慢してくれ。」
比企谷母「こればっかりは仕方ないわね……ねぇ八幡、時間はまだ余裕あるのよね?」
八幡「あぁ。それが何だ?」
比企谷母「なら、写真撮らない?」
母ちゃんが車の中で指差した方向には写真屋があった。それも家族写真や記念写真を撮るような専門店だった。
比企谷父「おぉ、それは良いな。どうだ?八幡にシルヴィアちゃん?」
シルヴィア「私は撮りたいです!八幡君、良いよね?」
八幡「あぁ、断る理由も無いしな。」
シルヴィア「やった♪」
比企谷父「んじゃ、車停めて入るか。」
ーーー写真屋・ワルクスフォトランドーーー
「いらっしゃい………えっ!!?」
比企谷父「家族写真をお願いします。この4人で。」
「え!?え、えぇと……家族写真ですか?」
比企谷父「はい。この女性は家族ではありませんが、近い将来はウチの息子と結婚する約束をしておりまして……ダメですかね?」
「い、いえ!!カメラスタンバイしますので少々お待ちくださいっ!!」
あの人、俺とシルヴィを見た途端にテンション変わりやがったな。そんなに珍しいか?
比企谷母「そんなに混んでないようで良かったわ。」
八幡「写真屋がそんなに混むとは思えないが……」
比企谷父「まぁ予定よりは早く済みそうだ。後はあちら側の対応次第だろう。」
そして写真の準備が出来たみたいで、俺達は別室に移動して写真を撮る準備に移った。
比企谷母「普通なら私達が後ろで立って、私の前にシルヴィアちゃん、アンタの前に八幡よね。」
比企谷父「それが1番良いな。本来は逆だが、今はそれが1番だろう。八幡、シルヴィアちゃん、椅子に座って互いの手を握ってくれ。」
俺達は言われるがままに従った。この手の作法なんて全く分からん。だから大人しくしておくのが1番だと思ったからだ。
そして俺達が準備し終わって残りは写真を撮るだけになった。撮る時、俺の肩には親父の手が置かれていた。ただ置かれているだけ、そう思っていたが、様々なものが流れ込んでくるような感じがした。
「じゃ、撮りまーす!!」
カシャッ!
ザザァー……ザザァー……
シルヴィア「……終わっちゃったね。」
八幡「あぁ、そうだな。」
俺達は先程、横浜の港を出た。だから今は完全に海の上だった。この船は六花に向かっている。当然他の観光客や六花に帰省予定の学生も居る為、俺とシルヴィアは注目の的になっている。
八幡「………」
ーーー回想ーーー
これは俺他達が両親と別れる前の話だ。
シルヴィア「八幡君、先行ってるね〜!」
八幡「あぁ!………で、どうしたんだ?」
比企谷父「……八幡、俺は息子1人面倒を見きれないようなバカな父親だ。娘の可愛さあまりに息子をほったらかすような愚かな父親だ。けど、これだけは言える。俺はお前を愛してる。あまり説得力はないように思えるかもしれんが、お前の事は大切に思ってる。」
八幡「………」
比企谷父「この先お前はシルヴィアちゃんとは家族になるんだ。先に言うぞ。俺みたいな父親にはなるなよ。先に男の子が生まれて、後に女の子が生まれようとも、平等に愛してやってくれ。分かってるかもしれんが、これが父親として言える言葉だ。」
八幡「………あぁ、分かってる。シルヴィにも、この先の未来で生まれてくるであろう俺の子にも平等に愛を捧げるよ。」
比企谷母「私達がアンタに与えてあげられなかった分まで、愛情を注いであげて。私達にはそれくらいしか、伝える事が出来ないから。」
八幡「……あぁ、分かった。いつか……孫の顔を見せにまた戻ってくる。」
ーーー回想終了ーーー
八幡「………安心しろよ、母ちゃんと親父からの愛は、この20日間で充分に貰ったからよ。」ボソッ
シルヴィア「ん?何か言った?」
八幡「いや、何でもない。」
シルヴィア「………ちょっと寂しいなぁ。」
八幡「また戻ってくればいい。その時は孫の顔でも見せに行こうぜ。」
シルヴィア「八幡君ちょっと気が早いよ!でも、そうだね。いつかは見せに行かないとね。」
八幡「あぁ。」
そんな他愛も無い話をしながら、俺達は互いの唇を重ね合わせた。
八幡sideout
比企谷父side
比企谷父「また寂しくなるな……」
比企谷母「そうね……次は何年後かしら?」
比企谷父「年単位か……まぁだろう……ん?」
何だコレ………手紙か?いや、写真?
比企谷母「何?どうしたの……まぁ。」
比企谷父「こんな無駄な事に使いやがって……全くアイツは……」
そこに移ってあったのは、小学生くらいの身長の八幡、中学時代の制服を着た八幡、総武高校の制服を着た八幡、界龍第七学院の制服を着た八幡が写っていた。左から順に成長を表しているのだろう。
写真の裏にはこう書かれていた。
【小学から大学までの歩み】と。
最後はこんな終わり方にしてみました。父親目線があまりなかったので、最後はその目線で終わらせました。
さて、次は○○編ですね。残り少なくなってしました。僅かですが、最後までお付き合いして頂けると幸いです。
では、次回作でお会いしましょう。