八幡side
八幡「……………」
さて、昨日までは平気だった俺も、今では心臓が破裂しそうなくらいヤバイ状態だ。
目の前には、昨日から今まで抱きついたままの状態で寝ているシルヴィがいる。俺が引き剥がそうとすると、すぐに抱きしめ返してくる。シルヴィの手を動かしても、これまたすぐに元の位置に戻す。
だがこれはすぐに止めて、このままの状態を維持している。何故かというと昨日俺たちは、風呂に入ってからその後の服装はバスローブだったからだ。
皆さん、もう分かりますよね?
そう。バスローブがはだけて胸が見えちゃいそうなのだ。いや、もう半分は見えているが、貴重な部分は見えていないからセーフだろう。男の俺としては見たい欲求があるが、そんな事をしては気まずくなる。
故にこの状態から脱することが俺には絶対に出来ないので、シルヴィが起きるのを待ってるわけだ。
え?起こせばいいだろってか?あのね?こんな良い寝顔した子を夢の国から覚まさせろって言いたいのかな?ぶっちゃけ俺には無理です。
シルヴィア「んん〜……八幡くん……」
起きたか?……いや、寝言か。しかし、どんな夢見てんだ?俺がいるようだが。
シルヴィア「……んっ///………あぁっ……良いよぉ〜……八幡くぅん……///」
……………………え?
シルヴィア「はぁはぁ……んんっ!………あぁ///……気持ち良いよぉ///」
こいつ……いったいどんな夢見て……!?お、おいやめろっ!?それ以上動くな!?
なんと、シルヴィのバスローブがギリギリ寸前なのだ。もしこれ以上先にいってしまったら、俺は間違いなく逝ってしまう!!
シルヴィア「はぁ……はぁ……も、もっとぉ……強くしてぇ……んんっ!///」
や、やめてくれえぇぇ!!これ以上はだけちまったら、俺もう耐えられない!見ないようにしようとすると、逆に見ちまう!!あーやべぇもう限界かもしれん!
シルヴィア「……………」
……お?止んだ?
シルヴィア「そんな八幡くんっ!?お預けなんて酷いよっ!!」
スルッ
2人「………え?」
俺は今、とんでもないものを見てしまっている。おそらく世界初だろう。
シルヴィの上半身裸を見てしまっている。しかもそのまま、固まった状態でどっぷり30秒くらいは見つめていたと思う。
それは………もう………女神としか例えようがなかった。スラッとした身体のラインに脂肪なんて余計なものは無く、健康そうな肌色、くびれのあるお腹、そして………形の整った膨よかな胸。
シルヴィア「あ……あぁ………/////」
シルヴィも自分の状態に気づいたのか顔が赤くなり、蒸気まで出てきた。だが………多分、いや確実に俺の方がまずい状況だ。
もう…………限界。
八幡「」
シルヴィア「え!!?//////////」
俺はおそらく、鼻から血の火山が噴出したのだろう。もう……意識も曖昧だ。
シルヴィア「は、八幡くん!!?///」
俺はその声を最後に気を失った。
………………
八幡「ん……んん?」
シルヴィア「あっ!八幡くん大丈夫!?何処か具合悪くない?」
八幡「……シルヴィ?ん?何だこれ?」
鼻にティッシュ詰めてある。なんで………あっ。
俺は、さっき見てしまったシルヴィの裸を思い出してしまった………女の裸なんて初めて見た………っ!!ダメだダメだっ!
八幡「あっ///……え、えと……///」
シルヴィア「……………//////////」
シルヴィも察したのか、顔を真っ赤にさせて伏せていた。ここは、誠心誠意謝るしかないな。
八幡「………その、すまない。いや……すみませんでした。」
ベッドの上だが一応土下座をした。そりゃ裸を見ちまったんだからな。当然だ。
シルヴィア「……ど、どうだった?/////」
八幡「……………へ?」
シルヴィア「だ、だから!わ、私の裸……その……どうだったのって……/////」
八幡「そ、そんなの眼福に決まって……ってお前なに言わせんだよっ!」
シルヴィア「そ、その……色々とお粗末様でした/////」
ダメだこいつ、気が動転してるな。
八幡「お、俺が悪かったからもうやめてくれ。やめて下さいお願いします。」
シルヴィア「………うん/////」
そしてまた静寂が訪れる。俺たちこの部屋に来てからこの状態多いな。
シルヴィア「ね、ねぇ八幡くん///」
八幡「な、なんだ?」
シルヴィア「その……私は大丈夫だから、八幡くんも気にしないで。ね?」
八幡「バカ、んなの気にしない方がおかしいだろ。女の身体見たんだぞ?お前それでいいのかよ?」
シルヴィア「……八幡くんなら………別に……い、いいかなって、私は。」
八幡「それじゃ気が収まらん。お前何かないのか?して欲しいこととか。」
何もない方が良いが、この場合は逆に何もない方が問題だ。
シルヴィア「………じゃあこの前みたいに、またデートしてくれるなら、いいよ。」
八幡「………それでいいのか?」
シルヴィア「うん、それで充分。だから八幡くんもあんまり気負い過ぎないで。」
八幡「………分かった、ありがとな。」
シルヴィア「どういたしまして。じゃあ時間も丁度いいし、朝食食べに行こっ。」
八幡「そんな時間か……じゃあ行くか。」
シルヴィア「あっ、待って。」
え?何?もしかしてさっきの無しとか言う気か?別にいいが、ちょっとガッカリ。
シルヴィア「途中まで手繋いで行こ。」
八幡「お、おう。」
ギュッ
シルヴィの手を握り合った瞬間、何故か心が落ち着いた。
シルヴィア「じゃあ行こっ?」
八幡「……あぁ。」
その後食堂に着くまで手を繋いだままだった。その後はやらなかったが、ホテルの客にシルヴィアのファンがいて大騒ぎになったのは、また別の話にしておこう。
そして何故か俺のサインも欲しがっていた。俺って何もしてなくね。
ハニートラップってこういうことをいうんですかね?