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アスタリスクの中央区にあるホテル・エルナト。そこは、各国のVIP、著名人などが一度は来ると言われている場所。中でも有名なのが、最上階の空中庭園。四季折々の花が咲いており、実際に入れた者はそう多くない。宿泊している者でも、如何に
そこで今、六学園の長が集まっていた。
聖ガラードワース学園
生徒会長 アーネスト・フェアクロフ
界龍第七学院
生徒会長
アルルカント・アカデミー
生徒会長
レヴォルフ黒学院
生徒会長 ディルク・エーベルヴァイン
クインヴェール女学園
生徒会長 シルヴィア・リューネハイム
星導館学園
生徒会長 クローディア・エンフィールド
この6人が集まる理由は、月に1度の
アーネスト「さて、全員集まっている事だしそろそろ会議を始めようか。こんな風に全員揃うのはそうそうない事だからね。」
シルヴィア「それって私のせいって言いたいのかなアーネスト?まぁ実際にそんなんだけどさ。」
アーネスト「いやいや、仕事が忙しいのは此方も承知していることだからね、気にしてはいないよ。いつも委任状はもらってるから問題はないよ。」
クローディア「確かにお忙しいですものね。生徒会長にアイドル稼業、両立は大変でしょう。大変でいらっしゃいますね。」
ディルク「けっ!オメェなんて居ても居なくても変わんねぇよ。」
シルヴィア「ちょっとー、そんな言い方ないでしょー!私だって好きで居ないわけじゃないんだから!」
ディルク「はっ!どうだか……」
シルヴィア「も〜、流石は【
ディルク「余計なお世話だ。」
シルヴィア「おー怖い怖い。」
シルヴィアはこの会議に参加出来ない事が多い。仕方のないことだが、これに文句をつける人物がディルクだった。
星露「全く、久し振りに全員揃ったというのに、相も変わらず仲が良いのう。そうは思わんか?のう?左近よ。」
州馬「い、いえ……僕はそうには……」
シルヴィア「冗談やめてよ星露!こんな子豚さんより、ブーイングをするお客の方がまだ可愛いよ。」
ディルク「テメェ……」
アーネスト「んんっ!まぁ、そのくらいにしてもう始めたいんだけど、いいかい?」
シルヴィア「うん!いいよー。」
ディルク「さっさと始めやがれ。」
アーネスト「じゃあ、今回の議題は………」
アーネストが詳細目録を出しながら説明をする。他のは聴くか質問をするか、ハッキリ言うと、質問する者はいない。
アーネスト「っと、こんなところかな。さて、次で最後の議題だけど、今回の六学園入学、または転入希望の事でここに居る全員に相談があるんだが、いいかい?」
星露「ほう?お主が相談とは珍しいのう。重要な事なのかえ?」
アーネスト「まぁそう言ってもいいかな。今回皆に相談したいのは、六花転校または入学希望者を此処に連れてくる日を《
シルヴィア「ん?どうして3日前?学園を案内するなら、第一希望に合わせてやった方が早く終わると思うけど?」
クローディア「そうですね。期間は決まってはいませんが、何故ですか?1日で済ませた方が早いと思いますが?」
アーネスト「うん、それは今説明するよ。」
アーネストの日程ではこうだ。
1日目は学園案内。これは例年通りである。
2日目は自由行動。これは少しでも六花を知ってもらうために、アーネストが考案したものだった。
そして3日目に決勝戦の観戦。高い戦闘力を見せることによって、向上心を高めようという算段だった。
星露「ほう、考えたのう。それなら希望者も増えよう。良き考えだと思うぞ。賛成じゃ。」
ディルク「ただ面倒ごとが増えるだけじゃねえか、チッ!」
クローディア「私も賛成です。希望者は多い方がいいですからね。」
シルヴィア「私は案内の日にいられないかもしれないけど、それでもいいのかな?」
アーネスト「それなら代理を立てておくといいよ。その方が出場者の君にとっても気が楽になるだろう?」
シルヴィア「それなら私も賛成かな。」
州馬「僕も賛成です。」
1人反対?が居るが、5対1でこの案が使われることになった。
アーネスト「それじゃあ、日程は2泊3日で、予定やその他は僕がやっておくよ。」
クローディア「苦労をかけますね。」
アーネスト「いやいや、このくらい大したことはないよ。そういえば今年は、面白い子がこの六花に来るみたいだよ。」
星露「ほう?というと?」
アーネスト「星露、君がよく知ってる人物の妹さんだよ。」
星露「ん?……誰じゃ?」
クローディア「おそらく、界龍の序列3位、【魔将天閣】の2つ名を持つ雪ノ下陽乃さんの妹さんでは?」
アーネスト「流石だね、よく調べているよ。君にとっては充分気になる存在なんじゃないかい?ミス星露。」
星露「彼奴の妹じゃからといって強いとも限らんであろう。妾は強い奴にしか興味はないからのう。」
シルヴィア「ブレないねー。」
こうして、今回も平和?に六花園会議が終了した。
そして、各会長それぞれの学園に戻ろうとするが、1人の生徒会長が………
シルヴィア「星露、ちょっといいかな?」
星露「ん?誰かと思えば歌姫殿ではないか?なんじゃ?妾に用か?」
シルヴィア「うん、ちょっと聞きたい事があってね。時間ある?」
星露「よいぞ。帰っても暇なだけじゃしな、付き合おう。」
シルヴィアside
星露「むぅ………あまり美味しくないのう。」
シルヴィア「ちょっと、そんな事言っちゃダメだよ!作ってくれてるんだから!」
私たちは今、普通の飲食店に来ていた。注文をしてメニューが来て先に食べてから話をする事にしたが、食べて早々に星露が罵倒。どれだけ美味しいの食べてるのさ……
星露「料理の腕の良い生徒が入ってのう。妾もそれ以来通っておるのじゃ!」
星露が凄く目を輝かせてる。へぇ〜そんなに腕が良いんだ………私も食べて見たいかも。
星露「その者は料理の腕も一流じゃが、戦闘の腕も一流でのう!あの暁彗を打ち負かす程じゃからな!」
え?
シルヴィア「ちょ、ちょっと待って?あの【覇軍星君】を倒した?」
星露「ん?……はっ!?」
………これは何か隠してるね。しかもあの会議でバラさない程だしね。
星露「な、何でもないのじゃ!」
シルヴィア「今更言い逃れは出来ないよ?素直に白状しなよ。」
星露「………いや、口止めされておるんでの。話す事は出来んのじゃ、いずれ知れ渡るから安心せい。」
シルヴィア「納得出来ないよ。しかも【覇軍星君】は君の1番弟子なんでしょ?それを倒すなんて只者じゃないよ?誰にも言わないから話してよー。」
星露「………本当じゃな?二言は無いぞ?もし破ったら、いかに世界の歌姫でも妾は容赦せんぞ?」
………すごい威圧、本気なんだ。
シルヴィア「……うん、約束する。」
星露「……分かった、なら話すのじゃ。ここから先を聴いた後に言い逃れなんぞ出来んからな?誰かに言おうものなら、妾が全力で潰すからの?」
シルヴィア「分かってるよ、だから抑えて。ここはお店の中だよ。」
星露「関係ない……と言いたいが、確かにそうじゃの。では話すぞ。一度しか言わんからの。」
そして私は話してる途中一切質問をしないと約束をして話を聞いた。
聞く限り、私には大いに心当たりのある人物だった。星露はエイトって呼んでいたけど、もう正体は分かってる。名前でも分かっちゃったし。
星露「とまぁこんなところじゃ。何か質問はあるかの?無いとは思うが。」
シルヴィア「……それってさ、八幡くんの事だよね?星露?」
星露「っ!?なぜ知っておる!?」
シルヴィア「面識があるからだよ。最初に会ったのは2ヶ月前かな。」
星露「最初からではないか!?」
シルヴィア「それよりも……本当なの?八幡くんが界龍の序列2位って。」
星露「……うむ、もう隠す必要も無いのう。それ程前から面識があるなら、当然八幡の事情も知っておるのだろう?」
シルヴィア「………うん、聞いてて凄く辛かったよ。あんな目に遭っていたと思うと、今回の見学は、八幡くんの事も考慮しないとね。もし遭遇なんてしたら………」
星露「そうじゃの。」
その後私と星露は、見学の事について打ち合わせをしていた。星露も八幡くんの事が大切なんだろう。
そして打ち合わせも終わる頃………
星露「さて、そろそろ行こうかの。」
シルヴィア「その前に星露、八幡君の料理が一流って言ってたけど、本当なの?」
星露「そうなのじゃ!あやつの作る料理はまさに絶品じゃ!1度作ってくれた青椒肉絲があるのじゃが、あれは断トツに美味かったのじゃ!お主にも食べさせてやりたいのう。今日来るかえ?」
シルヴィア「そんなの八幡くんに悪いよ。確かに食べてみたいけど、迷惑になるような事はしたくないよ。」
星露「心配するでない。あやつは時々とんでもない事を言うが、それでも尽くしてくれる奴じゃぞ?」
シルヴィア「んー、それじゃあお願いしようかな。いい?」
星露「うむ!では、今晩来るといい。八幡に連絡しておくか。」
そう言うと星露は通信端末を開いて連絡し始めた。八幡くんの手料理かぁ……
八幡『何だ星露?もう会議は終わったのか?にしてもお前から寄越すなんて初めてだな。今晩の献立が気になんのか?』
星露「うむ、それなんじゃが………ちょいと待っとれ、すぐに済むからの〜。」
八幡『?』
星露「歌姫や、お主は今日何が食べたいのじゃ?言ってみよ。」
シルヴィア「そ、そんなのいいよ。八幡くんに任せるよ。」
星露「よいのじゃよいのじゃ。遠慮せんで言ってみよ、八幡が作ってくれるえ。」
シルヴィア「……ビーフシチューかな?」
割と簡単だしね。
星露「分かったのじゃ。八幡よ!」
八幡『終わったのか?それで?』
星露「妾はビーフシチューが食べたいのじゃ!会議でお主の事を聞かれそうになったのを何とか防いでやったのじゃ!それくらいはいいじゃろ?」
多分私のことだね。会議では聞いてないけど、この場所で聞いたのは私だしね。
八幡『随分と恩着せがましい言い方だが、それについては感謝する。分かった、今日はビーフシチューにしよう。』
星露「うむ!では頼んだぞ!」
そして通信を切った。
星露「では歌姫や、八幡はいつも6時くらいに作るでな。5時半くらいに来るとよい。」
シルヴィア「私の事伝えなくてよかったの?その方が良かったんじゃ……」
星露「気にするでない。帰ったら多めに作るよう言っておく。」
んーなんか心配だなぁ。八幡くんの分残ってなかったらどうしよう。
星露「しかし驚きじゃな。お主が八幡と知り合っていたとはのう。」
シルヴィア「ホントに偶然だけどね。」
星露「とにかく、忘れるでないぞ?今晩は界龍内の八幡の部屋で食事じゃ。その時に見学の事も少し話そうぞ。3人だけでの。」
シルヴィア「……うん、そうだね。八幡くんのいた高校から来るとなると、絶対八幡くん狙いなのは明確だからね。人数も10人くらい居るしね。」
星露「それにじゃ、比企谷の姓が中学の欄にあったからのう。きっと彼奴の妹じゃ。策に策を重ねた策が必要になる。その事も彼奴と話しておかねばのう。」
八幡くんに会わせはしない。八幡くんはもう会う気は無いって言ってたから。
彼の辛い顔なんて、もう見たくない。
私が守らなきゃ……
シルヴィアsideout
八幡side
八幡「なんで急にきたんだ?まぁ、ビーフシチューくらい簡単だから良いけどよ………それにしても、あいつよくビーフシチューなんて知ってたな。中華以外知らないと思ってたのに。」
八幡は無駄なところで敏感である。
本当はあり得ない話その1
『本当の彼ら』
監督「はいっ!カーット!」
シルヴィア「疲れたー。大丈夫?ディルクくん?さっきはごめんね?」
ディルク「は、はい。大丈夫です。」
アーネスト「まさか誰も予想してねぇよな。本当は凄え礼儀正しいなんてよ。」
ディルク「僕、目付きが悪いだけなのに、こんな役やらされるなんて……」
クローディア「仕方ないわよ。これも仕事のうちなのだから。元気出しなさい。」
星露「そうだよディルクお兄ちゃん!元気出して!」
州馬「まぁ、気にせん事やな。」
ディルク「はぁ……なんでこんな目に。」
シルヴィア「もしかしたら、このストーリーと重ねて違和感無いのって私だけ?」
なんだこりゃ?