シルヴィアside
シルヴィア「はぁ……はぁ……強いんだね。君がそんなに強いってことは、八幡くんはそれ以上なんだよね?」
シオン「当然だ。主人は俺よりも遥かに強い。俺など傷1つ付けられん。」
シオンくんもこんなに強いのに……傷1つ付けられない八幡くんの強さって……もし八幡くんが《王竜星武祭》に出てたら、私負けてたかも………
八幡「………もう5時20分か。シオン、もう止めだ。剣を収めろ。」
シオン「御意。リューネハイムさん、良い手合わせだった。またやりたい。」
シルヴィア「こっちの台詞だよ。凄く有意義だったよ。あと、私のことはシルヴィでいいよ。八幡くんの家来?なら悪い人じゃないしね。」
シオン「……じゃあシルヴィ姉と。信頼を置ける人はそう呼ぶことにしている。」
へぇー。こんなところも八幡くんに似てるんだねー。もしかして八幡くんの影響だったりして?
シオン「では失礼。八兄、じゃ。」
八幡「おう、ご苦労さん。」
そう言ってからシオンくんは消えてしまった。それにしても、あれだけ強いのに八幡くんはもっと上……凄いなぁ。
八幡「お前ら、模擬戦は終了だ。各自散れ。好きに行動しろ。」
「「「はっ!!」」」
しっかりと返事も……八幡くんさ、思いっきり師匠みたくなってるよ?
八幡「シルヴィ、邪魔が入らない内に俺の部屋に行くぞ。お前も腹減ってるだろ?もう5時半だしな。」
シルヴィア「もうそんな時間なんだ?時間が経つのって早いなぁ。分かったよ、いざ!八幡くんの部屋へっ!」
八幡「何言ってんだお前……」
いいでしょ!こういうの1回やってみたかったんだから!
ーーー八幡ルームーーー
八幡「すぐ作るから適当に寛いでてくれ。なんならCD聴いててもいいぞ。」
シルヴィア「何か手伝うよ。」
八幡「お前は今日の準決勝と模擬戦で疲れてるだろう?これくらい俺がやるから大丈夫だ。いいから寛いでろ、それがお前の仕事だ。」
シルヴィア「むぅ〜分かったよ。ん?そういえば八幡くんって音楽聴くの?あんまり興味なさそうな感じだけど。」
八幡「割と聴くぞ。最近聴くのは『君が笑む夕暮れ』と『優しさの理由』だな。俺は静かな曲の方が割と好きだからな。」
シルヴィア「むぅ〜、八幡くんは私の曲好きじゃないの?」
八幡「別にそういうわけじゃない。聴いてると何故か無性にお前に会いたくなるから……あっ。」
シルヴィア「えっ!?///」
八幡「あ、いや……忘れてくれ///」
八幡が振り返ってそう言ったと思ったら、訂正した後また元に戻った。
………今の聞き間違いなんかじゃないよね?八幡くんが私の曲を聴いたら会いたくなる!?も、もしかしてこの中に私のCDもあるのかな?
ちょっと探してみようかな。
あっ!あった!しかも全曲揃ってる……私の事を知ったのは六花に来てからだから、2ヶ月の間に全部集めたんだ……
………嬉しいな。
シルヴィア「ねぇ八幡くん。私の歌った曲で1番好きな曲って何か教えて?」
八幡「……『ミレナリオ』だな。さっきも言ったが俺は静かな曲が好きだからな。あと、想いを伝えようとする曲もな。」
八幡「歌だから別になんでもいいだろ?別にお前の出したCDじゃなくても。」
シルヴィア「うん、大丈夫。」
………想い、か。私もそんな曲作ってみたいなぁ。でも作らせてはくれないし、それ以前にどうやって作ったらいいか分からないし、結局行き止まりなんだよなぁ。
八幡「うし、前菜が出来たぞ。」
シルヴィア「え?」
八幡「だから前菜が出来たんだ。CDいじりもいいが、これでも食って待ってろ。」
さてさて、どんな料理かな?
シルヴィア「わぁ〜!美味しそうっ!」
八幡「生ハムオニオンのペッパーカルパッチョだ。そのままもいいが、ついてるソースと一緒に食ったらもっと美味いぞ。」
シルヴィア「凄いね。こんな見栄え良く出来るものなんだねー!」
八幡「別に食ってていいぞ?」
シルヴィア「ううん、八幡くんと一緒に食べたいから待ってるよ。」
八幡「そ、そうか………」
食べるなら一緒のタイミングが良いしね!
八幡「よし、じゃあ次はこれだ。」
シルヴィア「これって……ポテト?それにこれは…パンにトマトが乗ってる?」
八幡「ハッケルバックポテトと一応リクエストのパン料理、トマトバゲットだ。ポテトはチーズとベーコンが乗ってるからそれと一緒に食ったら美味い。バゲットはソースで手がベタベタになるが、それを気にしなければ美味いと思うぞ。」
シルヴィア「どっちも美味しそぉ〜!凄いね八幡くんっ!」
八幡くんって色んなの作れるんだなぁ。明日お弁当でも作ってもらおうかなぁ?
八幡「そして最後にコロッケだ。一応自信作でもある……ある意味な。」
最後の方よく聞こえなかったけど、コロッケも文句無しに美味しそう……
でも………
シルヴィア「ねぇ八幡くん?どうしてこのコロッケ普通のより小さいの?」
八幡「食ってみてからのお楽しみだ。」
シルヴィア「えぇ〜!?」
八幡「大丈夫だ。変なものは入れてねぇから。なんなら食わせてやろうか?」
………え?食わせてやろうか?
シルヴィア「ぜ、是非お願いします!!」
八幡「………え?」
シルヴィア「是非お願いします!!」
八幡「いや、ただの「是非お願いします!!」……わ、分かった。」
やったぁ〜♪
シルヴィアsideout
ーーーーーー
八幡「………なぁ?なんで隣なんだ?正面にも席あるんだが?」
シルヴィア「こっちの方がいいの♪八幡くんもこの方が食べさせやすいでしょ?」
八幡「……だが、」
シルヴィア「ねぇ?………いいでしょ?八幡くん?ダメ?」
八幡「わ、分かった。分かったからその目をやめてくれ。」
ったく、んな目されたら断れねぇよ。何でそんなに可愛いんだよ。」
シルヴィア「ふぇ!?/////」
八幡「ん?どした?」
シルヴィア「い、今の本当?/////」
八幡「な、何が?」
シルヴィア「私のこと可愛いって………それ………本当?/////」
八幡「……口にしてたか?」
シルヴィア「う、うん/////」
うおおおぉ!!!またやっちまったぁぁ!!!最近は良くなってきたと思ってたのに、全然良くなってねぇじゃねぇかぁぁ!!!
シルヴィア「それで!?ど、どうなの?私が……可愛いって本当?/////」
またもシルヴィアが涙目+上目遣いで聞いてくる。
八幡「あ、あぁ/////」
シルヴィア「そ、そっか/////」
八幡「………………」
シルヴィア「…………………」
2人は無言のまま見つめ合っていた。そして徐々に顔が近づいていく。まるでお互いの目に吸い寄せられて行くかのように。そんな2人の顔はすぐ目の前にあるようなものだった。
5cm………
3cm……
そして…………
pipipi…pipipi…
2人「っ!!!」
突然の着信音に身を一瞬宙に浮かせ、そして今度は背を向け合った。
着信音はシルヴィアの端末からだった。
通信ボタンのcallを押すと………
ペトラ『やっと出たわ………ってどうかしたの?シルヴィア?顔が真っ赤よ?』
シルヴィア「うぅ〜〜〜!!/////」
ペトラ『あ、あら?もしかしてお邪魔だったかしら?ごめんなさいね?また後にするわね?それじゃまたかけるわ。』
シルヴィア「今でいいですっ!!!早く要件を済ませて下さいっ!!!」
シルヴィアは大声でそう言った。
ペトラ『わ、分かったわ。それじゃ伝えるわね。今日の………』
それからペトラは要件を伝えていたが、今でなくてもいいような内容であった。
ペトラ『……って事よ、ごめんなさいね長々と。八幡くんにもよろしくね。』
そう言ってから通信は切れてしまった。
八幡「その……悪かった、シルヴィ。」
シルヴィア「うぅ……八幡くぅーん。」
シルヴィアは八幡の方にすり寄っていった。今のこれは平気なのだろう。
まさかあんな事になるなんて〜!ペトラさんタイミング悪すぎるよぉ〜!!/////
八幡「……こんな事しか言えねぇけど、取り敢えず晩飯食おうぜ。な?」
シルヴィア「………うん/////」
その時の晩ご飯は、味を感じない程に2人の感覚が麻痺していた。シルヴィアは食べさせてもらう事も忘れて、ふたりはただ持ったものを口に運ぶだけの作業を繰り返しているだけで夕飯は終わってしまった。
『君が笑む夕暮れ』 東京レイヴンズのED1
『優しさの理由』 氷菓のOP1
『ミレナリオ』 魔法科高校の劣等生のED1です。もしよろしければ聞いてみてください。
シルヴィアはcoverしただけですので大丈夫です!
僕は……もうダメです。
後は任せました………ゴハァ!