学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回は短めです。


君の気持ちは?

 

 

八幡side

 

 

現在俺達は問題無くドームに入り、控え室の少し前まで来ているらしい。俺は此処に来るのは初めてだからな。道とか構造とかよく分からんからシルヴィが人の目を気にしながら教えてくれてる。

 

此処が六花で1番大きい会場となると、やはり設備も良い。おそらくだが他のステージはこれ程大きくは無いのだろう。小から大ってつくくらいだからな。

 

しかし周りの連中は何故こうも人の気持ちも考えずにサインやら握手やらを強請れるかね?今から決勝なんだぞ?気を利かせられねぇのか?

 

 

シルヴィア「八幡君、もうすぐ着くよ。」

 

八幡『おぉ~やっとか。』

 

 

正直下の方は真っ暗だから怖い。今にも落ちそうな感じだが、落ちない。東京タワーの強化ガラスの真上に立ってるのと同じ原理だ。下は見えないけど。

 

 

シルヴィア「ふぅ〜、なんとか着けた。八幡君、もう出てきていいよ。」

 

 

そして俺はシルヴィの影から出た。やっぱ開放感あるなぁ。下がある地面………うん、やっぱこっちの方が良いな。

 

 

八幡「やれやれ、隠れるってのは疲れるな。まぁこれも俺の蒔いた種だからな。シルヴィも巻き込んで悪かったな、本来なら俺1人が何とかしなきゃならないのによ。」

 

シルヴィア「気にしなくてもいいよ。八幡君からあの話を聞いておいて、知っていながら放ってなんておけないよ。」

 

 

………ありがたい上に心強いな。本当に信頼出来る奴が居るってのは。

 

 

八幡「ありがとな………なぁシルヴィ、1つ聞いていいか?」

 

シルヴィア「ん?何?」

 

八幡「何でこんな早くに来たんだ?もっと時間を置いてからでもいいと俺は思うんだが………何かあるのか?」

 

 

そう、決勝が始まるのは今から2時間半後……まだ時間は充分にある。もう少し界龍でゆっくりしてもいい筈なのだが、シルヴィアは早く此処に行きたいと言ったのだ。

 

俺としては安全面を考慮してくれてかなりありがたいが、シルヴィの行動を制限してるようで気が引けてしまう。

 

 

シルヴィア「あぁ、その事?実はね、八幡君と改めて話がしたかったからなんだ。私って八幡君の優しいところしか知らないんだと思うんだ。昨日の模擬戦の時、八幡君の目とかオーラが明らかに別人のように違ったから。実は八幡君ってかなり肉食系でしょ?いつもは冷静だけど、昨日の寝る時とか自分で来てたから。」

 

八幡「あ、あれはお前が安心して眠れるようにとだな、色々考えた結果ああなったんだよ。」

 

シルヴィア「うん、それは分かってる。でもさ、隠し切れてないよ。八幡君って表には出さないけど、凄く分かりやすいから。」

 

八幡「………」

 

シルヴィア「それとも女の子だったら誰でもいいって事かな、八幡君は?」

 

八幡「バカ言うな、あんな事誰にでもするわけねぇだろ。お前だからこそやってんだよ。それに、今俺が1番信頼出来んのは………シルヴィだけだからな。」

 

シルヴィア「えっ?///」

 

 

俺にもっと度胸があれば告白してるところだが、中学の時のせいでまだ引け目があるのだろう。シルヴィを信じていないわけではないが、また同じ事になると思うと………やりたくない、それなら俺は今のままの関係で充分満足だ。

 

 

シルヴィア「んんっ!///そっか、私が1番信頼出来るんだ………じゃあさ、もしも私が八幡君の事を好きって言ったら………君は信じる?」

 

八幡「………分からない。昔とは随分変わったし、力も得た俺だが、中身は臆病なままだからな。まだ人を信じきれていないのかもな。心の目が耽ってやがる。多分、最初は疑う……と思う。」

 

シルヴィア「仕方ないよ。あんな事があったんだよ?人を信じられなくもなるよ。」

 

八幡「好きって言われるのは嬉しいかもしれない、だがそれだけでは信じられないかもな。俺が余計に考え過ぎかもしれないが。」

 

 

シルヴィア(これは一筋縄ではいかなさそうだね。でも諦める気なんて毛頭無いよ!私も八幡君と同じで君の事を信じてるしねっ!)

 

 

シルヴィア「そっか………ん、分かった。」

 

八幡「悪いな、答えになってなくて。」

 

シルヴィア「ううん、気にしてないよ。寧ろ俄然やる気が出てきたっ!」

 

八幡「?何故だ?」

 

シルヴィア「それは内緒っ♪」ギュッ!

 

 

わけの分からない事を言ったと思ったら、今度は抱き着いてきた。

 

 

シルヴィア「八幡君………いつか、私の事を完全に信じられるようになってね?私はいつまでも待ってるから。君のペースでいいから、ね?」

 

八幡「………お、おう。」

 

シルヴィア「うん。じゃあこの話は終わりっ!それでさ、八幡君……決勝が始まるまでこのままで居たいんだけど、いいかな?」

 

八幡「……要求があるなら可能な範囲で聞いてやる。」

 

シルヴィア「うん、ありがとう。」

 

 

そのままシルヴィは、俺の腕を抱きながら目を瞑った。そして手を繋いで俺の肩に頭も乗せてきた。

 

 

シルヴィア「♪〜♪〜」

 

 

鼻歌まで歌い始めたぞ?何でだ?どうしてこうなった?それに何だか落ち着かない………シルヴィに対する俺の本当の気持ちは何なんだ?この気持ちが妙に落ち着かん。

 

 

 

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