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即座にオーフェリアが魔法で毒を出した。オーフェリアはその毒を腕状にして無数の腕が地面から生えるように出ていた。
本人も既に煌式武装を展開していて、万全の状態だった。だが、さらに注意しなくてはならないのが、無味無臭、無色透明の毒である。空気中にも漂わせる事が出来るため、回避すればいいというわけではないのだ。
オーフェリア「………さて、貴女はどう来るのかしら?【戦律の魔女】。」
シルヴィア「決まってるよ。最初から全力で行かせてもらうよ!」
シルヴィア「
シルヴィアが歌い終わった直後、シルヴィアの周りに淡い緑色の球体が現れ、すぐに見えなくなった。
シルヴィア(これで少しは毒が効かなくなるといいんだけど。)
距離を取りつつ、シルヴィアは銃型煌式武装をオーフェリアに向けて連射。
しかし、やはり毒の手により防がれてしまう。
シルヴィア「くっ!やっぱり強い!」
オーフェリア「………次は私の番のようね、行くわよ。
すると無数の腕が絡み合い、1つの巨大な腕になった。そしてその腕はシルヴィアめがけて突進していった。
シルヴィア「
シルヴィアも流星闘技でオーフェリアの技を受け止める。オーフェリアの技が弾け飛び、シルヴィアの技はそのままオーフェリアに向かったが、オーフェリアは星辰力を纏った片手だけで防いだ。
シルヴィア(信じられないよ……あれ本気で撃ったのに。しかもそれを星辰力を纏った片手だけで防ぐなんて……普通に出来る芸当じゃないよ。)
オーフェリア(………さっきの技、3年前よりも威力が格段に上がってたわ。少しとはいえ私が押されていた。どうやら、一瞬の油断が命取りになそうね。私も少し本気を出すべきかしら………)
お互い睨み合いをやめないまま、膠着状態が続いていた。
シルヴィア(一か八か、斬撃を飛ばしてみようかな。何度か飛ばしていればもしかしたら届くかもしれない。)
シルヴィア「
シルヴィアは剣に星辰力を纏わせ、動きながらオーフェリアに斬撃を飛ばし続けた。
シルヴィア「はぁぁぁ!!」
飛ばし続けてはいるものの、オーフェリアが出している毒の手によって全て阻まれており、効果は無いに等しい。ただ星辰力を無駄使いしているように見えるだけだった。
シルヴィア「はぁっ!」
オーフェリア「無駄よ、そんな事しても私のこれは打ち消せないわ。」
オーフェリアがそう言った瞬間………
毒の手が斬撃の部分だけ消え去ったのだ。
オーフェリア「っ!」
あと僅か、数cmというところで間一髪、煌式武装で防がれてしまった。それも校章の部分であった。
オーフェリア(………今のは一体何?私の毒が吸収された?………いえ、かき消された?どちらにしても私の毒が消された。そんな事出来るはずが………いえ、1人だけいるわ。私の毒を無効化できる人が。)
オーフェリアの脳内には1人の男が浮かび上がった。髪の毛のてっぺんにアホ毛があり、初めてビンタをされて、能力を抑え込むバッジをくれた男だった。
オーフェリア(まさか……八幡が?彼女と接触していたの?けど何故?まさか決勝の為に?いいえ、八幡はそんな不平等な事はしない人……それじゃあただ交流があるだけ?)
そんな事を考えながらも決してシルヴィアから目を離さないオーフェリア。シルヴィアもその間に今の出来事を考えているようだ。
シルヴィア(もしかして今の斬撃、八幡くんの力が乗った状態で飛んだ?でも、20発くらい出して1回かぁ。厳しいな。他に手はあるし技も有り余ってるけど、この力が完全じゃないっていうのは本当みたい。しかもいつ出るかも分からないなんて。これじゃあ相手に防御を固めて下さいって言ってるようなものだよ……)
シルヴィアも次の手を考えているが、八幡にも若干の呆れを心の中で送っていた。
シルヴィア(でも、勝機が出てきたかもね。これなら少しは攻められる。)
オーフェリア「………【戦律の魔女】。」
シルヴィア「っ!………何かな?」
オーフェリア「………貴女が3年前とは実力が上がっている事がよく分かったわ。此処からは私も本気で行かせてもらうわ。」
シルヴィア「うわぁ……本気じゃなかったんだ。出来れば出して欲しくないなぁ。」
オーフェリア「………さっきの斬撃には驚かされたわ。でも、此処からはそうはいかないわ。貴女はもう私に手出しする事も出来ないわ。」
シルヴィア「……君が言うと説得力あるなぁ。もう軽口なんて叩けそうにないよ。」
オーフェリア「………ここからが本当の戦いよ、私もこの技を出すのは初めてだから。」
シルヴィア「その技を使ってくれるのはとても光栄だけど、それ抜きで本気を出して欲しかったよ。勝てる見込みが出来たのに、それが削がれた気分だよ。」
オーフェリア「………行くわよ。」
オーフェリア「………