最初はクリスマスです!では、どうぞ!
2人の聖夜
八幡side
八幡「………前から思ってたが、こっちの………六花の冬ってのは結構暖かいんだな。」
シルヴィア「そう?私はずっとここに居たから、あんまり分かんないかな。」
シルヴィア「そういえば八幡くん、今日作る食材は買ってきたの?」
八幡「あぁ、もう買ってきてあるが、それがどうかしたのか?」
シルヴィア「ううん、またお買い物デート出来たらな〜って思ってさ。」
八幡「………そうだったな。俺たちは会える機会が限られていたな。俺は学校だけだが、お前はアイドルもやってたな。盲点だった、すまない。」
シルヴィア「いいよ、気にしないで。こうやって側にいてくれているだけでも、充分過ぎるくらい幸せだから///」
こうして普通に会話をしているが、今俺たちは六花の外縁居住区にある1軒家にいる。そう、この家はシルヴィアの願いで居住可能になった結構良い感じの2階建て1軒家である。シルヴィはともかく、俺も当たり前のように居るが、シルヴィが許可したからである。
プライベートスペースが欲しいと言っていた気がするが、俺としてもシルヴィと一緒にいられるのは嬉しいから気にしてない。
因みに俺とシルヴィは、手を繋ぎながらソファに座っている。前まで恥ずかしかった事が、今では普通に出来る。
シルヴィア「けど、今日はずっと一緒にいてね?折角一緒に居られるんだから。」
八幡「分かってるよ。」
クリスマス……別にこれといって思い出なんてない。
これまでこのイベントがあって良かったなんて思った事もない。ケーキと豪華な料理を食える、それだけだ。
けど、今年のクリスマスは今までで1番幸せで楽しいクリスマスになると思う。
ーーー18:00ーーー
シルヴィア「……そういえば一緒に料理したのって初めてだね。」
八幡「そうだな……シルヴィは手際良いからマジで助かった。経験者がいるだけで違うもんだな。また一緒に作るか。」
シルヴィア「うんっ!出来るなら近いうちがいいなぁ。」
八幡「ならよ、年末に蕎麦でも打たないか?こっちの文化では年越し蕎麦ってのがあってな、1月1日になったら食う習慣があるんだよ。どうだ?」
シルヴィア「うん、そうだね!年末年始は休みって事務所でも決まってるから丁度いいよ!じゃあ12月31日もこの家に来てね!合鍵渡してあるから入れるでしょ?」
八幡「確かに入れるが、人の家に勝手に入るってのは気が引けるな。」
シルヴィア「いいのっ!私は八幡くんだから合鍵渡してるんだよ?」
それはいいんだが、なんかなぁ。
シルヴィア「いいから!八幡くんは気にしないの!」
八幡「……分かったよ。」
シルヴィア「よろしい!じゃ、乾杯しようよ!料理が冷めちゃう。」
八幡「………フッ、そうだな。」
シルヴィア「じゃあ……」
「「乾杯っ!!」」
ーーー20:00ーーー
シルヴィア「それじゃあお待ちかねのプレゼントこうか〜ん!」
八幡「おー。(棒読み)」
シルヴィア「八幡くんもっと盛り上がろうよ!クリスマスだよ!?」
これでも良い方なんだが………
八幡「逆に聞くが、俺が今のテンションだったらどう思う?」
シルヴィア「………ゴメンね?」
八幡「おい、謝るなよ。俺が悪い事言ったみたいじゃねぇか。」
シルヴィア「ふふふっ♪冗談だよー。」
八幡「ったく……」
シルヴィア「じゃあ私から渡すね!八幡くんには凄く期待してるんだから!」
八幡「無駄にハードル上げんなよ。」
実際、大したもんじゃないしな。
シルヴィア「私からはこれ!」
シルヴィが渡してきたのは、青のマフラーだった。しかも結構長めの。
八幡「おぉ、マフラーか。そういや俺、防寒具とかって上着くらいしかなかったからな。それに暖かそうだ。ありがとな。」
シルヴィア「どういたしまして。それから……八幡くんなら分かっているんだよね?マフラーが長い意味。」
八幡「……今、巻くか?一緒に。」
シルヴィア「っ!うんっ♪」
そう言うとシルヴィアは、嬉しそうにこっちに近づいてきて、俺の顔のすぐ側まで顔を近づけていた。
シルヴィア「……顔近いね/////」
八幡「……そうだな///」
……………………
シルヴィア「そ、それで、八幡くんのプレゼントは何かな?/////」
八幡「……それなんだが……悪いシルヴィア!プレゼントは用意出来なかった。」
シルヴィア「…………え?」
八幡「……本当に悪い。俺こういうの分かんなくて……相談なんて出来ねぇし、自分で考えようにも全く分かんなくてよ……」
八幡「だから……なんも用意出来なかった………本当に悪い。」
そして八幡は土下座をした。
八幡「虫のいい話かもしれんが、今日が俺からのプレゼントじゃダメか?」
シルヴィア「………そっか、分かったよ。でも、何か貰いたかったな。」
八幡「なら!」ガシッ!
シルヴィア「っ!」
八幡「キスでいいか?いや、キスなら……どうだ?」
シルヴィア「え!?///い、いいよ!そこまで気にしなくても!?///」
八幡「なら言い方を変える。これが俺のプレゼントだ。受け取ってくれないか?」
シルヴィア「う……うん/////」
………本当に悪い、シルヴィ。
八幡「じゃあ……いくぞ。」
シルヴィア「え!?い、いきなり!?///」
八幡「あぁ。」
シルヴィア「………うん///」
徐々に顔が近づき、そして………
シルヴィア「んっ///………」
顔を真っ赤にしながら、シルヴィは俺からのキスを受け入れた。
シルヴィア「……はぁ/////」
八幡「………本当にすまない。」
シルヴィア「本当だよ///こんな幸せなプレゼントくれるなんて………もっと欲しくなっちゃうよ/////」
八幡「今日ならいいぞ。シルヴィへのプレゼントだからな。好きなだけ、したいだけしたらいい。」
シルヴィア「……そう言うなら遠慮しないよ?私もっとしたいよ……///」
八幡「……あぁ。
シルヴィア「……じゃあーーー」
それから俺たちは、気の済むまで口づけをしていた。日付が変わったのは気づいていたが、それでもお互いに止まらなかった。
ちょっと意外でしたかね?
シルヴィアなんか可哀想?