白騎士落とすは黒き魔竜   作:ゲーター

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 遅くなってすいません。土日くらいには投稿したかったのですが、上手く行きませんでした。
 今回は金髪さん登場です。


金髪さんはご機嫌斜め

 

 自己紹介も終わって、ただ今絶賛休憩中。いやー、女子達による姉さんへのラブコールは想像以上だった。耳栓してたのに耳がキーンてするだなんてね。因みに両手は兄さんの耳を覆ってました。姉さんのお仕置きからは守れなかったから、その代わりにね?

 それで、皆が僕ら兄弟を男性IS操縦者だけでなく『ブリュンヒルデ』織斑千冬の弟として更に注目してる中での自己紹介というこの苦行。当たり障りのないように済ませたけど、内心すごく緊張した。おかげでそのあとの自己紹介聞いてなかったや。

 

 まあそんなわけで、僕は今精神的疲労に苛まれているのです。兄さんは箒と一緒に出てっちゃったから話し相手もいないし。二人に付いてくのも考えたけど、箒の目を見たらちょっと自重せざるを得なかった。恋する乙女の邪魔をするのは、流石に野暮ってもんでしょう。

 だけど、精神的にきついのは変わらないんだよね……。今は教科書読んでやり過ごしてるけど、教室の中からも外からも視線が突き刺さる。うちのクラスだけじゃなくて他クラス、それも上級生まで居るなんて僕はパンダかなにかか。それと「可愛い」とか「女の子みたい」とか言うなし。一応気にしてるんだぞー。

 ……あれ、誰か後ろから近寄ってくる気配が。

 

じーっ。

 

 

じーーっ。

 

 

じーーーっ。

 

 

「……え、えーっと、何か御用ですか?」

 

 すぐ後ろからの視線に耐えきれず、振り返って話しかける僕。遠巻きに見てるならともかく、こんな近くでスルーし続けるのは流石に無理だよ……。

 

「あれれー、気付いてたのー?」

 

「この距離で見られてたら流石に気付きますよ、布仏本音さん」

 

「おー、名前覚えててくれたんだー」

 

 そう言って、わはー、というように笑う布仏本音、通称のほほんさん。原作においてはメインヒロインではなく一応モブキャラの括りにあるものの、そののほほんとした独特な雰囲気で読者・視聴者を虜にした、他ヒロインに負けない人気キャラクターだ。のほほんとした姿からは想像しづらいけど、実は生徒会に所属していたり、この学園において特別な存在である生徒会長と家ぐるみで関係があったりする。

 

「それで、何か御用件でも?」

 

「んーん。なんだかみはるんが居心地悪そうだったから」

 

「あ、あはは……。気付かれてましたか」

 

「ふふふー、これでも人の機微には鋭い方なのです」

 

 ふふんと胸を張るのほほんさん。癒される……って

 

「そういえば『みはるん』って……」

 

「うん。みはるんのことだよー。三春だからみはるんなの」

 

「なるほど。じゃあ布仏さんはのほほんさんですね。なんだかのほほんとしてますから」

 

「おおー!いいね、いいよみはるん!」

 

 なんか凄く喜んでもらえた。いつもは眠そうな目をきらきらさせながらはしゃいでる姿に萌える。……今なら言っても不自然じゃないよね?

 

「喜んでもらえてなによりです。……それで、ですね。できれば僕と、……友達になってもらえませんか?」

 

 するとのほほんさんはまた胸(隠れ巨乳)を張った。

 

「ふっふっふー、そう簡単にはいかないなー。それには条件があるのだよ」

 

「条件、ですか?」

 

「うむ。それは……私に敬語を使わないことなのだー!」

 

 ぱんぱかぱーんと擬音でもつきそうな風に言うのほほんさん。……やばいなにこの可愛い生き物。

 

「ふふふ、わかった。じゃあこれでいいかな?」

 

「おうともさー!これからよろしくね、みはるん!」

 

「こちらこそ。よろしく、のほほんさん」

 

 

* * * * *

 

 

「ふんふふーん」

 

「ん?どうしたんだ三春。なんだか嬉しそうじゃないか」

 

「あ、兄さん。実はー、さっき布仏さんと友達になったんだー」

 

「おお、良かったじゃないか」

 

「えへへー」

 

 友達くらいでと思う人もいるかもだけど、嬉しいものは嬉しいのだ。それに、実を言うと僕が自力で友達になれたのはのほほんさんが初めてだし。箒や弾は兄さんが友達になったのがきっかけだから、自力でなったとは言い難い。

 ……え?さっき普通にできてたのになんで昔からつくらなかったかって?そんなの決まってる。この容姿のせいだ。「どこからどう見ても美幼じ……美少女」(弾談)の僕に進んで声をかける男子なんかいないし、近付くと気を使わせちゃうので間違っても「友達になろっ?」なんて言えない。そして女子とは、むしろギスギスしてた。なんせ男子は女子達よりも、男の僕を「女の子」として扱うんだからそりゃあおもしろくないよね。あと、僕が「悪い虫」を兄さんに寄せ付けなかったのもあるかな。「悪い虫」が何なのかは、言わなくてもわかるよね?

 

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「ん?」「はい?」  

 

「まあ!なんですのそのお返事は!私に話しかけられるだけでも幸運なのですから、それ相応の態度というものがあるのではなくって?」

 

 ……あー、そうだ。金髪さんとのエンカウントはこの時間だっけ。

 

「幸運だとしても、そんな言い方はないと思いますよ。オルコットさん」

 

 セシリア・オルコット。イギリスの代表候補生にして、名門オルコット家の若き当主を務める才色兼備な御令嬢。今はこんな高慢ちきだけど、僅か数日で兄さんの虜になるメインヒロインの一人でもある。恋してからは丸くなるんだけど、最初のうちはキッツイね、やっぱり。

 

「なあ、三春。彼女は一体誰なんだ?」

 

「セシリア・オルコットさんだよ。イギリスの代表候補生で、名家の現当主。要するに、エリートだよ」

 

「あら、よくご存じですわね。ですがそれだけではありませんわ。なにしろ私は入学試験で唯一試験官を倒したのですから。つまり、私はエリート中のエリートなのですわ!」

 

 字面だけ見ると凄い痛いのに、元が良いとそれも様になるから世の中ってのは不公平だと思う。まあ、得意げなところ悪いけど、試験官を倒したのは実は一人じゃないんだよね。

 

 「試験官なら俺も倒したぞ」

 

 「うん、僕も倒した」

 

 「んなっ!?そ、そんなはず有りませんわ!私は確かにそう聞きましたもの!」

 

 「んー、女子の中では唯一って事じゃないのか?」

 

 「そんなっ……」

 

 なおも詰め寄ろうとしたオルコットさんだけど、ちょうど始業の予鈴が鳴ってしまったために、どこかの悪役のような捨てゼリフを残して席へ戻っていった。

 

 「なんか、凄い人だったね……」

 

 「そうだな……」

 

*****

 

 「よし、ではこれから授業を始める……と言いたいところだが、その前に再来週のクラス対抗戦に向けて、クラス代表を決めねばならん。自薦他薦は問わんから、立候補するなり推薦するなり好きにしろ」

 

 姉さんの言葉に、たちまちクラスは騒がしくなった。

 

 「はい!私は織斑一夏君を推薦します!」

 

 「私もそれに賛成です!」

 

 真っ先に挙げられたのは兄さんの名前。まあ、世界でたった二人の男性操縦者の肩書きとその優れた容姿を鑑みれば、クラスの顔であるクラス代表には申し分ないよね。強いて問題を挙げるとすれば、ISについての知識が少ないことかな。まさか男の身で操縦者になると思わなかった兄さんは、家事にバイトに鍛錬にと忙しい毎日を送っていたため事前知識が必要最低限しかない。入学試験のあの日から、取材とかに時間をとられつつも必死に勉強したから授業には付いていけるけどね。

 ……いや、僕だって家事とかバイトとかしようとはしたよ?でも誘拐された日から、やたら兄さんが過保護になっちゃってなかなかやらせてくれないんだ。「三春は体が弱いんだから休んでてくれ」「バイト先でなにかあったら大変だ」って。結果、家事はお手伝いレベル、バイトは兄さんと同じ所で同じシフトしか認めてくれなかった。特に料理は絶対にやらせてくれなかったけど、流石にもう包丁で怪我する歳じゃないと思うんだけどなぁ。

 

 「はい!じゃあ私は織斑三春さんを推薦します!」

 

 おい待てゴラ。なんで「君」じゃなくて「さん」やねん。もう女の子扱い決定ですかそうですか。まあ今までと同じだしいいけどさー。でも僕と兄さんじゃクラス代表に相応しいのは兄さんだよね。戦闘の技術もセンスも僕じゃ兄さんにかなわないし、兄さんにはなんて言うか、皆を引っ張って行けるカリスマみたいな物があるから。

 だけどこれじゃ面白くないのは、クラス一実力がある代表候補生さん。なんか体震えてるしこれは爆発寸前だね。

 

 「納得行きませんわ!」

 

 ほら来た。まあ確かに、彼女はクラス中で一番ISに通じてるし、実績もある。それなのに自分を差し置いて男が代表なんて、まだ女尊男卑主義者の彼女にとっては我慢できないよね。ただね、日本に対する侮辱は認められないな。島国なのはお互い様だし、文化が後進的って言うけど、そもそも文化同士に優劣なんてつけられないってのに。自分の属する文化に誇りを持つのは良いことだけど、余所の文化を貶めるのは自分の所の文化を貶める事でもあるって理解しないと。

 まあ、そんな風に考えてたらオルコットさんと兄さんの言い争いも終わって、ISで勝負する事が決まった。……って、もしかして……

 

 「それは僕も参加しなきゃだめ?」

 

 「当たり前ですわ!」

 

 うげー。推薦されたからそうなるとは思ったけど、

やっぱ僕もかー。相手がやる気だし、兄さんも同じ推薦された身だから止められないよねぇ。

 

 「なら、ハンデはどうするんだ?」

 

 「あら、今更怖じ気づきましたの?まあ私も、初心者を叩きのめすような趣味はありませんから相応の手加減はーー」

 

 「いや、俺がどれくらいハンデをつければいいのかって」

 

 兄さんの言葉で、クラスはたちまち姦しい笑い声に包まれた。……もう、兄さんは本当に紳士過ぎるんだよ。

 

 「兄さん、レディーファーストは良いことだけど、戦いにそれを持ち込むのは相手に対しての侮辱にも繋がるよ」

 

 うんうんと頷く女子達。皆女尊男卑主義者じゃないけど、大分自立した逞しい人たちだからね。無闇に『女の子』扱いされるのは不服でしょう。だからこそ、ここは公平にいく。

 

 「だけど、こっちもハンデはいらない。いくら素人だからって、僕らはこれでも試験官を倒す程の腕は有るんだからさ。……兄さんもそれでいいよね?」

 

 「おう!男に二言はない!」

 

 「なら決まりだね。じゃあ日にちとかは……先生、どうしましょう」 

 

 「そうだな。では試合は来週、場所は第三アリーナとする。三人はそれまでに準備をしておくように。いいな?」

 

 「はい、分かりましたわ。……覚悟なさい、精々首を洗って待っていることですわ」

 

 「そっちこそ。あんまりナメると痛い目見るぜ」

 

 さて、と。結局僕も戦うことになっちゃったけど、どうしよっかな。取りあえず、フラグを折らないようにきをつけよっと。

 





 中途半端なところでごめんなさい。次回は戦闘まで行きたいですが、難しいかな……
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