夕暮れの街を歩き帰路に着く。結局魔女探しはまた後日になり、帰ることになった。神戸と天王寺と実は帰り道は同じだったが、時間があるので散策をする事にした。目的もなくただふらふらと街をさまよう。いつも歩いてる表道りを歩いて適当に店を冷やかした後、裏道に入りふらつく。何か自分のそそる物に巡り会うために。
そしてふらつくいてから二時間。裏道に入って一時間ほどだったか。どうも違和感を感じだ。裏道にしても人が居なさすぎる。夜で裏道と言えば、何かと危ない人が彷徨く時間。人っ子一人見ないのはおかしい。俺は興味よりも先に危険を感じた。何が起こるか分からない今、足音を消し耳を澄ましてゆっくりと歩く。いつ何が来ても走れるように。
ひたすら歩き、どのくらい歩いたのか。正直分からなくなってきた。違和感を感じてから自分の来た道を引き返したが街に出れない。そして通るときに居た人も居ない。明らかに、怪奇現象。いや、一周回って本当に迷子になったかも知れない。今まで無かったことだがそう考えた時だった。正解が自らやってきた。
犬。それだけ言えばどうてことはない。しかしそれは一般的に犬とは言えなかった。紫の毛並み。それは俺が知っている犬種のどれにも一致しなかった。大きさで言えばゴールデンレトリバーだ。しかし残念ながら毛並みが違う。そして何よりどの犬とも違うのは明らかに俺を敵視、もっと簡単に言えば餌と見なしている。逃げると言う選択しはすぐに失せた。俺が動いた瞬間に飛びかかって来るのは分かっていた。
俺ができることは何もなかった。
夢に出てきた超人的な能力。実を言えば俺にもある。俺は昔から物覚えが早かった。誰かが数十やってできることを俺はものの数回で出来た。そんな事が出来るようになってから身体能力が上がり耳も目も良くなった。どんな事でもスポンジのごとく飲み込む俺に俺自身が違和感を覚えた。そして結論付けだ。これは何か特別な力だと。そしてこの力はどんなものか自分て結論をつけた。
人が技能を身につけるとき行うこと。それは真似て、実践し、考える。その三工程を繰り返すことだ。それを人より少ない数で技能を身につける。そう考えた。
そしてそれが正しいとすれば俺にできることはない。というわけだ。俺は犬が飛びかかって来るのを待った。そして犬が飛びかかって来る。俺はいつ出したのか分からない、持っていたペットボトルを縦に振る。
ペットボトルの底がプシャーと言う音を鳴らす。意味が分からなかった。ペットボトルの底から水が吹き出していた。だだ吹き出していた分けではない。薄く刃のようになった水が犬を綺麗に真っ二つにしていた。
今目の前で起こったことが処理できず呆然とする。頭の中は真っ白で思考が出来ない。だだその場から離れなければと思い歩き始める。
今度は、ちゃんと街に出れた。