兄貴が先に生まれてくる理由   作:和良品奈津希

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書くごとにわけがわからなくなってきました。

輝け神聖様誤字報告ありがとうございます。

それでは2話目です・・・


2話

一番隊隊長の執務室。そこに呼ばれた俺と乱菊と冬獅郎は三者三様に冷や汗をかいていた。3人ともに上級席官であるにもかかわらず、目の前の1人の老人からのプレッシャーには勝てない。

目の前の老人こそは山本元柳斎重國。原作において、藍染惣右介に戦闘力では自分より上と呼ばれた人物だ。全力を出せば尸魂界が耐えきれないらしい。バグキャラである。

この人が最初から全力だったら、藍染戦もあんなに苦戦しなかったんじゃないのかと思ってしまっても俺は悪くないと思う。

 

そんな現実逃避をしていると、無言で霊圧によるプレッシャーをかけていた総隊長が杖を軽く鳴らし、放っていた霊圧を弱めた。

 

「松本乱菊、志波一愛、日番谷冬獅郎、此度の一件早いところけりをつけねばならん。しかし、志波一心はあれでいて斬拳走鬼バランスよく高レベルな人物であった。隠密機動が捜索しておるが発見は難しかろう。生きていようと、死んでいようとだ」

 

たしかに親父の能力なら隠れおおせるのは不可能ではないだろう。原作通りなら浦原喜助の助力もあるし死神の力も失っている。霊圧の発見もむずかしい。

 

この状況に総隊長は協力者もしくは真犯人がいるか、すでに死亡していると見ているらしい。あながち間違いでもない。

 

「そのため奴の存在を忘れて次に進まねばならん。故に次期十番隊の隊長を決めねばならんのだが、残念ながらそういった人材がおらん」

 

霊圧こそ納めたものの年季の差からくるプレッシャーには勝てず俺たちは総隊長の言葉に頷くことすら出来ない。

 

「そのため、四六室からの疑いが完全に晴れたわけではないお主たちからも意見を聞きたい。隊のことはお主たちが一番よくわかっておるであろう」

 

総隊長が言うには、現行隊長職をこなせる実力者に心当たりがないらしい。それは他の隊の隊士を含めてだそうだ。また、仮に他の隊の隊士にそういった人物がいても今回はあまり十番隊長にはしたくないらしい。慣れた元からの十番隊士に隊長職に着いてもらい、早々に事態の収拾をつけてもらいたいとのことだ。総隊長は俺が思っているより柔軟な人物なようだ。疑いが晴れていない俺たちにすら意見を求めるとは思っても見なかった。

 

「それではーー」

「それならば私から、ここにいる日番谷四席を推薦します」

 

俺が口を開くと総隊長は喉を鳴らし、見開いた目で俺と冬獅郎を観察してきた。引っ込めていた霊圧も少し解放されて正直勘弁してほしい。

冬獅郎も口を開きかけたが、おそらく俺を推薦するつもりだったのだろう。この際無視させてもらう。

 

「この者は四席ではありますが、集中的に鍛錬すれば早々に卍解を習得するでしょう」

 

「ふむ、日番谷四席の才は儂も把握しておるがそれほどか。儂としてはお主が名乗りをあげると思うとったが」

 

「いえ、私は今回の事件の当事者の親類であります。現在の地位を返上することこそあれ、隊長などと口が裂けても申せません。第一に私は当分卍解習得は無理かと」

 

嘘は言っていない。親父の件があるから微妙な立場ではあるし、卍解はすでに習得しているからまた習得することは不可能である。嘘ではない。

 

「しかし現状使えないのであろう、ならば就任は難しい。だが人材がおらんのも事実。あいわかった。日番谷四席よお主に一月時間をやろう。その間に見事卍解を修めてみよ」

 

俺たちは三人とも息を飲んだ。乱菊と冬獅郎は驚愕から、俺は思いどうりにいった喜びからだ。

 

「発言よろしいでしょうか」

 

「良い、日番谷四席申せ」

 

「は、期待のお言葉ありがたいのですが、一月でとなりますと少々自信がないのですが」

 

さすがに天才児と言われている冬獅郎でも、総隊長の急な要求に自信がないようだ。だが話に聞くと卍解の修練は具象化まで済んでおり、今一歩のところまできているらしい。隊務をこなしながらそこまでできているのであれば、一月集中すればこの天才児なら大丈夫だろう。

総隊長もそう判断したようで「一月で問題なかろう」と言っている。

 

「それではこの話はここまでとする。日番谷四席、期待しておる。志波三席を残し解散」

 

腰を上げかけたところで予想外の居残り宣言により俺だけ執務室に残されてしまった。

乱菊は早く部屋からでたいようで、足取りはスキップせんばかりで、冬獅郎は卍解の修練のために少しでも時間が惜しいようで早足で部屋から出て行った。

俺は二人の背中を裏切り者を見るような目で追ったが、隊長職を冬獅郎に押し付けたのは俺だし、冬獅郎と俺が居なければ、十番隊の最高責任者として仕事をしなければならないのは乱菊である。多少損な役回りをするのも構わないかと思った。そう思って気を緩めていた。

 

「して、一愛よ。お主卍解などとうの昔に使えるであろう」

 

「ーー‼︎」

 

「ふむ、その反応を見るにカマが当たったようだのう」

 

己の迂闊さに思わず舌打ちが出そうになったが寸でのところで止めた。しかし状況はあまりよろしくない。

卍解が可能な隊長格の人材を探している現状でそれを隠すのはあまりに怪しい。それが犯罪者とされる人物の息子であればなおのことだ。

 

「総隊長、そ、それは、その」

 

「そう警戒するでない。お主に初めて剣を教えたのはわしじゃ。いわゆる師匠というものになるのかもしれん。弟子のことくらいわかっておるつもりじゃ。すぐにお主をどうこうしようという気はない」

 

この場をどう切り抜けようかと考えていると総隊長が続けたのは意外な言葉だった。隊規や掟を重んじるこの人物にはあまり似つかわしくない。

 

「お主の先ほどのことば全てが嘘というわけでもあるまい。裏切り者の息子ゆえ身を引くというのは当然といえば当然じゃ。お主の実力が表に出れば話が拗れるのもじゃ」

 

「そこまでわかっていて・・・」

 

「わかっておるから確かめねばならぬ。お主はこの尸魂界に弓引くものかどうかをな」

 

総隊長は俺の一挙一動を見過ごさぬように普段は細めている瞳を見開いてこちらを見ている。刃を突きつけられているわけでもないのに背中に嫌な汗が流れる。ここから嘘は通じない。「答えよ」という声に漠然とそれでいてはっきりとそう思わされる。

 

まいった正直に答えるしかないのか。

俺の答えはーーーー

 

 

「手の届く範囲で山ほどの人を助けたい、それが俺の答えです」

 

目こそ晒さなかったが情け無いものだった。

 




BLEACHキャラで総隊長が一番好きです。純粋にかっこいいなーと思います。

きさべさん出すの忘れてました、ごめんなさい。
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