化け物より親愛なる人間様   作:加藤鈴歌

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長らくお待たせいたしました。
待っている人がいたのかは大いに謎ですがねw

前回同様、酷評を理由つきならばお待ちしております。

まあ、何はともあれ、お楽しみください。


化け物の願い そして実行~中編~

ジリ、ジリジリジリジリ!

はっまさか、この音は・・・

「はいっもしもしっ」

受話器から最近とても聞きたかった声が流れ出した。

「もしもし?例の・・」

「あ、ハイ。化け物です。あの、もしよかったら名前、教えていただけませんか?僕は、永久です。トワ、と呼んでください」

名前がないときっと呼びづらいでしょうから。

「僕は、久遠だ。気軽にクオンって呼んでくれよ」

ちょっとほっとした声でクオンさんが答える。

「はいっクオンさん!」

うれしくて声が弾む。

クオンさんは苦笑しているようだった。

「敬語はもういいんだからな、友達だろう?トワ」

友達!今までの僕には縁もゆかりもなく憧れの存在だった。うれしくて声がうまく出ない。でも…

そんなわけにはいかない、と僕は言い張った。

「何か、あるのかい?」

優しく聞いてくれる。

「親しき者にも礼儀ありって言いますから…」

さすがにちょっとは違和感を与えたようだった。

「もしかして、敬語ではないとならないのか?」

声が少し震えている。恐怖。

「い、いえっ。そういうんじゃないんです、」

僕は、敬語以外がうまくしゃべれないんです。話したくても何かが邪魔をするんです。

続きは、うまく音となってはくれなかった。

口ごもる僕の声を聴いてクオンさんは言った。

「まあいいさ。きっと何かあるんだろう?言いづらいことが」

ありがとう。嬉しい。

「すみません、でも、ありがとうございます」

それで。

「どうしたんですか?」

ふっと音がした。笑ったみたい。

「実はだなあ・・・できたんだよ。チラシ。」

きっと得意そうに笑っているんだろうな。

「本当ですか!?ありがとうございます!!」

うれしくて口元が緩みだす。

「ご近所のポストに、これから、入れに行くつもりなんだよ。あとは、同じ内容をネットに流してみようと思うんだけど。どうかね?」

すごい!

「ありがとうございます!!嬉しいです!」

「それじゃあ」

「あ、待ってください!」

「なんだい?」

「あの、相談室の名前……どうなったんですか?」

しばらく間があった。なんなんだろ、この時間は。

「ああ、わすれてた。『化け物の相談室』だよ。嫌かい?」

「嫌じゃないです。でも……」

なんで黙ってたんですか、とは聞きづらかった。

「でも、なんだい?」

「いえ、なんでもないです。じゃあ。また何かあったら電話します。」

ガチャリ。

一方的に切ってしまった。ごめんなさい、ごめんなさい。

下手な言い訳じゃなくて、本音を聞いてしまったら。

下手な言い訳が、あまりにも嫌だったら。

僕は何をしていただろう。

怖くなって思わず切った。

声は震えてなかったと思うけれど。

自分が怖くなるなんて、初めてだ。こんなにも、怖いなんて。

自分をコントロールできなくなってしまったら。

この気持ちは化け物である、僕だけのものなんだろうか。

それとも人間にだってあるんだろうか。

人間は、それでも、温かいから、許されているんだろうか。

僕みたいな冷酷な化け物は、だから、だから、だから嫌われてしまうのだろうか。

もう嫌われたくない。

人間になりたい。

人間に、どうして僕は生まれることができなかったんだろう。

ほんの少し、違うだけで、どうして僕は嫌われるんだろう。

 

 

しばらく、頭がぼうっとしていた。

僕の思考回路は、昔とは、ほんの少し違くなっていた。

これはなぜなんだろう。

ズキン。

どこかが痛んだ。わからないけど、鈍い痛みだった。

僕は、僕は……

 

 

 

 

あのあと、いつの間にか寝てしまったようだ。

よくわからない。

ただ、わかることは、僕の希望は『化け物の相談室』だけだということだ。

僕は果たして良き相談相手になれるんだろうか。

 

 




いかがでしたか?
よかったら感想をください。
進化したトワ君はどうだったでしょうか。
そのトワ君からコメントです。

こんにちは、トワです。
よかったら僕の相談室に相談したいことがございましたら、お寄せください。



だ、そうです。よかったらこちらもお願いします。
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