幻の郷の人造人間   作:古木

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 趣味程度に書きます。遅れることがあります。誤字脱字が存在します。

 それでもよろしければよろしくお願いします。


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 7人の人間がいた。

 

 それらは普通の人間ではなく、それぞれ何かに特化した人間だった。

 

 一人は『正義』を振りかざす剣士。

 一人は『慈悲』を与えるシスター。

 一人は『希望』を夢みる暗殺者。

 一人は『約束』を守り抜く槍術士。

 一人は『道標』を示し民を救う王。

 一人は『伽藍』に一生を囚われたホムンクルス。

 

 

 そして、もう一人。

 

 この7人と相対する者。

 

 『憎悪』。

 

 

 

 

 

 『幻の郷の人造人間』

 

 

 

 

 

「…………それでさ、崎川のやつ泣いたんだってよ!あいつマジヤバくね?」

「な!担任に怒鳴られただけで泣きはじめるとか、男のくせしてたりぃな。」

 

 

 授業中。同じクラスの本と岸野が、大人しい性格の崎川の陰口を叩いている。

 

 よく授業中にそんな大きな声でしゃべれるものだと感心しながら俺は黒板の文字をノートに書き写す。今回のテスト範囲は広いから、手を抜く暇なんてないのだ。

 

 

「たりぃ根性を叩き直す必要があるみたいだし?昼にでもボクシング教室開きますか。もちろん崎川は強制w」

「んじゃリング作ってきますかwゴムあったら良いけど…… 」

「お前レスリングしてぇだけだろがw」

「ばれた?ww」

 

 

 崎川、めんどくさいことに巻き込まれてるなぁ……と思いつつも、ノートにペンを走らせる。強制されたら行くしかないだろう。命令とはそういうものだ。

 

 八島高等学校1年5組のクラスカーストのなかで、あの二人は頂点。誰も逆らわず逆らう気もないのだ。

 

 しかし、このクラスには異常なやつが4人ほどいた。……5人だったか。数はどうでもいい。

 わざわざクラスカーストというものがあるのに、それに逆らう人間がこのクラスにいる。

 

 

「……さっきから聴いてりゃクズみてぇな話しかしねぇなそこの二人!」

 

 

 まず一人目。名前を壁島剛椰(かべじまごうや)。又の名をマックス。

 

 成績優秀、運動神経抜群、心優しい兄貴。この三つがクラスメイトの目から入る情報だ。テスト前にはこいつともう一人で補習教室を開くなんてこともしている。

 

 

「いけませんよ、剛椰さん。このお二人には常識というものを親から習わずに成長してしまった人間なのです。哀れな子羊ですよね」

 

 

 二人目、清川聖子。名前からして神に仕えてそう。

 

 その通りであいつはキリスト……ヒンドゥー……ゾロアスターだったか?まぁ色々やってる。

 

 この他にも複数の宗教を経験してきた、又の名をパーフェクトシスター。

 

 今は何の宗教をしているのかは知らないが。

 

 

「…………てぇめぇら」

「はいストップ。暴力はいけないよ」

「それな。……おとなしくして。人生のトーシロ 」

「んだとゴラァ!!」

 

 

 殴りかかった不良二人をハンサムと不思議チビッ子がいなす。

 

 ハンサムは迫る拳を受け流して不良の足を蹴る。それだけで不良は空中を『回った』。宙返りである。

 

 廊下にガツンッ!と打ち付けた顔面を両手で押さえる。

 

 チビは…………催眠術?ポケ○ンでそんなやついたな。キグルミまで着てその気満々じゃねぇか。怒こられたらどうすんだよ。

 

 …………そして催眠にかかるんじゃねぇ。不良なら耐えろよバカ。根性ねぇのおめぇらのほうじゃね?

 

 

「男のなんに薙刀に入ってるカマトトやろうが……」

「弱いよりかはましでしょ?」

 

 

 三人………めんどくさいから、不良に言い返したハンサムが瓜生忠彦(うりゅうただひこ)。催眠のチビは安藝椥(あきなぎ)。

 

 ハンサムは女子から人気あって、振り向かれ様に笑顔でフフッなんてすれば女子が湧く。男唯一の薙刀部所属ということもありやっぱり女子が湧く。

 

 女子ってわかんねぇ。

 

 チビは隠れファンが多い。あとは……住所不特定だったか。

 それもあいつ家がないらしい。だからシスターの家に居候させてもらってるみたいだ。

 毎晩シスターがやるミサで頭がおかしくなりそうという本人談もある。

 

 んで、最後の一人だが………今は宇宙にいるんだっけか。今日帰ってくるらしいけど。

 

 同級生で宇宙行ってるやつなんてこいつぐらいしかいない。

 

 柳咲李奈(りゅうざきりな)。大金持ちの家の娘だ。ほんわかしてる雰囲気から繰り出す鳩尾へのグーパンは、強烈な絶望を感じるという。

 

 あいつは宇宙生活体験という金持ちしかいけない企画に参加して今宇宙にいる。

 

『溶けないアイスって結構硬いね(*´∀`)』

 

 これ昨日のメールの文章。

 

 はっきり言ってどうでもいいわ。

 

 

 

 そんなこんなで全授業終了。授業中にカオスなことが起きるもんだ。

 さっさと身支度して帰ることにする。

 

 五人(あいつら)に絡まれるのはごめんだ。

 

 

「よう!松谷!調子はどうだ!」

 

 

 …………フラグか。言ったそばからだな。

 

 

「うん。気にかけてくれてありがとね。でも大丈夫だよ」

 

 

 営業スマイルならタダだ。存分にくれてやるからはよ離れろ。

 

 

「そうかそうか!松谷は元気なのが一番だからな!」

「ハハハッ……」

 

 

 はよ離れろエセ筋肉○ン。本家に土下座して謝れ。

 

 

「……大丈夫ですか?私にお手伝いできることならなんでもおっしゃってください。宗教参入も歓迎しますから」

 

 

 集まってきたじゃねぇか。

 1人いるともう1人セットでついてくるマクド○ルド方式なてめぇらが大っ嫌いだ。

 

 

「はい。ありがとうございます」

「松谷君?後から駅前で会わないか?美味しいケーキ屋さんを見つけたんだよ」

 

 

 なんで俺をそんな分かりやすくナンパするんだ。お前そっちの気があんのか?引くぞ?

 

 

「お誘いありがとうございます。でも予定あるので……」

「………………」

 

 

 ……今度はなんだアサシン・チビ。

 

 

「………………なんですか?」

「……フグ食べる?内蔵しかないけど」

「いやぁ……気持ちだけで嬉しいよ」

 

 

 毒殺か。はっきりと殺しにかかってくるお前が清々しくてうざってぇぞ。

 

 ……でも俺には効かねぇだろうな。

 

 

 ピコン

 

 メールか。ケータイを開き、着信ボックスを確認する。

 

 

『たこ焼き美味しいよ(ノ´∀`*)』

 

 

 削除。なんで連絡先しってんだよ。

 

 

 上から順にマックス、シスター、ハンサム、チビ、ボンボン女。

 この四連撃を避ければ、教室の出口はすぐそこである。

 

 というかお前ら俺じゃなくて崎川にその優しさ向けろよ。ちらっと見たけど、慰めてくれないかな~チラッチラッ……みたいな目してたぞ。

 

 …………帰ろ。

 

 

 

 

 

 



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