プロ棋士はスクールアイドル   作:フユニャン

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どうも、フユニャンです。
他にも掛け持ちしてるというのに書いてしまいました・・・・。
何とかやっていきます。


Chapter1 僕の人生が変わった日

僕は幼い頃、事故で両親を亡くした。

身寄りの無い僕と妹は、どうしたらよいか分からなかった。

だけどそこに、後にお義母(かあ)さんとなる人が、手を差し伸べてくれた。

「貴女、将棋は好き?」

その質問に僕は、迷いなく

「はい」と答えた。

 

 

 

 

 

9年後

 

僕と妹は、この黒澤家でお世話になっている。

9年前、この家のお母さんが引き取ってくれたからだ。

その人は僕の母の親友で、プロ棋士だった。前から家に来ては、僕と対局してくれた。

そのこともあって、僕と妹は『弟子』として引き取られた。

あの9年で色んなことがあった。

まあ、それは又の機会に話すとして。

 

 

「おはようございます」

「おはよう。何時も早いわね」

僕に挨拶を返してくれたのは黒澤香子(くろさわきょうこ)さん、僕の師匠。

 

「おはようございます。お母様、聖さん」

「おはよう、ダイヤ」

「おはよう、ダイヤちゃん」

黒澤ダイヤ。香子さんの娘さんで、僕と同い年。

 

「おはよう~」

「「おはよう。ルビィ」」

「おはよう、ルビィちゃん」

黒澤ルビィ。ダイヤちゃんの妹で、僕の妹と同い年。

 

「おはよう」

「おはよう、ちーちゃん」

「おはようございます。千尋さん」

「おはよう、千尋ちゃん」

「おはよう、千尋」

僕の妹の千尋(ちひろ)

 

そして僕は桐山聖(きりやまひじり)

黒澤家では、香子さんと、香子さんの夫の(つよし)さん、ダイヤちゃんとルビィちゃん、そして僕と千尋の6人で暮らしている。

 

朝食を食べ終えた僕達は、学校に向かう為家を出た。

因みに今日は、僕とダイヤちゃんが通う高校の入学式だ。僕とダイヤちゃんは3年生、千尋とルビィちゃんは1年生、なので二人は後から登校してくる。

 

「今日は学校に行けて良かったよ。妹達の入学は祝いたいしね」

「本当に良かったですわ。ですが聖さん、くれぐれも留年しないように」

「分かってるよ・・・・」

「去年は出席日数が丁度だったじゃないですか!危うく留年するところでしたわよ!」

「ごめん・・・・。今年は気を付けるよ」

「それ、去年も聞きましたわよ。お願いですから、卒業はしてくださいね?」

「うん、絶対に卒業する。ダイヤちゃんと一緒に」

「約束してくださいね?」

「ああ、約束する」

僕らはそんな会話をして、学校へと向かった。

 

 

 

 

生徒会室に入ると、ダイヤちゃんと僕は直ぐに作業を開始した。

こう見えても僕、生徒会副会長なんだ。ダイヤちゃんが生徒会長。

「さあて、久々に仕事するかな」

「年度の始めとあって、かなり多いですわ。手早く片付けますわよ」

「うん」

 

 

30分ほど経った頃

 

「ん?」

「どうしたのダイヤちゃん?」

「何やら外が騒がしいですわ・・・」

「え?」

 

「ピギャァァァァァッ!」

 

「この声は、ルビィちゃん!」

「行きますわよ、聖さん!」

「うん!」

僕とダイヤちゃんは外に向かった。

 

 

 

校門近くに行くと、丁度ルビィちゃんが走って行ってしまったところだった。何やら三人程前に走って行ったけど・・・。

ダイヤちゃんの手元を見ると、スクールアイドル部勧誘のチラシを持っていた。

「貴女ですの?このチラシを配っていたのは」

「へっ?」「ん?」

声のした方見ると、其処(そこ)には見知った顔があった。

「千歌ちゃんと、曜ちゃん?」

「ひーちゃん!」「聖ちゃん!」

「お知合いですの?」

「うん。昔、果南ちゃんに紹介されてね」

「ああ、果南さんの別の幼馴染ですか・・・」

二人で話していると、千歌ちゃんと曜ちゃんが困っていたので、其方(そちら)に対応することにした。

「ところで、何してるの?」

「部活の勧誘!スクールアイドルを始めようと思ってるんだ!」

「へぇ・・・」

「ひーちゃんは?」

「僕は生徒会の仕事をしていたら、大声が聞こえたから、急いで駆け付けたんだ」

「あぁ、さっきのね・・・・。ていうか、ひーちゃん生徒会役員だったの⁉」

「うん。あっ、ダイヤちゃん。話したいことがあるんじゃないの?」

「えっ⁉ええ。いつ何時、スクールアイドルなるものがこの浦の星女学院に出来たのです?」

 

 

 

 

 

 

「つまり、設立の許可どころか申請もしていない内に、勝手に部員集めをしていたというわけ?」

生徒会室で、僕はダイヤちゃんの横に座り、千歌ちゃんの話を聞いていた。

「悪気は無かったんです。ただ、皆勧誘してたんで、(つい)でというか、焦ったぁというか・・・・・」

「部員は何人いるんですの?ここには一人しか書かれていませんが?」

「今の所・・・、一人です」

千歌ちゃんがそう答えると、ダイヤちゃんが震えだした。恐らく怒りの所為だろう。

ああ、不味(まず)い、やらかしちゃったなぁ・・・。

「部の申請は、最低5人は必要というのは知っていますわよね?」

「だぁから、勧誘してたんじゃないですかぁ~」

そう言った途端、

 

「っ!」

バンッ!

 

ダイヤちゃんが机を叩いた。

 

「ひゃぁ!」

でも、

「あいっ、たぁー・・・・」

ダイヤちゃんは思い切り叩いた所為(せい)か、痛がってしまった。

「ふふっ・・・・」

あぁ、千歌ちゃん、其処で笑ったら・・・・

 

ビシッ!

 

「うわぁ!」

「笑える立場ですの⁉」

「すいません・・・・・・」

「兎に角、こんな不備だらけの申請書、受け取れませんわ」

「えー!」

其処に曜ちゃんが、扉を開けて「千歌ちゃーん、一回戻ろう?」と言って促した。

けど、

「じゃあ、5人集めてまた持って来ます」

「別に構いませんけど、たとえそれでも承認は致しかねますがね」

「どうしてです?」

「私が生徒会長でいる限り、スクールアイドル部は認めないからです!」

ダイヤちゃんがそう言った途端、窓から一陣の風が吹いた。

「そ、そんなぁ!」

千歌ちゃんの叫びは、学院中に虚しく響いた。

 

 

夕方、僕とダイヤちゃんは帰路についていた。

「やっぱり、昔の事気にしてるの?」

「・・・・・・・」

「僕は、あの子ならやれる気がする。あの子は、人を引き付ける不思議な力があるから、直ぐに人も集まるんじゃないかな」

「私は、あの人に私達みたいになってほしくありません。同じような思いは、してほしくないのです・・・・」

「ダイヤちゃん・・・・」

その言葉を聞いて、僕はこう返してやった。

「ダイヤちゃん、確かに、昔の君達みたいに辛い思いをするかもしれない。けど、あの子はあの子であって、もしかしたら、君達が見れなかった世界を見れるかもしれないんだ。僕は、その可能性に賭けてみたい」

「聖さん・・・・」

「だから、僕は信じてあげたいな」

 

ブロロロロロ

 

僕がそう言ったところで、地鳴りの様な騒音が聞こえてきた。

「なっ、何だっ⁉」

「聖さん、あれ!」

ダイヤちゃんが指差した方を見ると、ピンクのヘリが夕焼け空にあった。あの方角は淡島だな。

「あれって・・・・」

2年前にも見た、ピンクのヘリ。

「まさか、帰って来たのか?」

「そのまさかでしょうね・・・・」

僕は心の中で、とっても嬉しくなった。

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

「ただいま帰りました」

「お帰り。お姉ちゃん、ひーちゃん」

家に入ると、ルビィちゃんが出迎えてくれた。

「明里ちゃんとひなちゃんが来てるよ」

「ホントに?」

「おかえりなさい。二人共」

「あっ、明里ちゃん。こんばんは」

「お帰りなさい!」

「ひなちゃんもこんばんは」

この人達は、僕の従姉妹(いとこ)川本明里(かわもとあかり)ちゃんと、妹の日向(ひなた)ちゃん。淡島に住んでるんだ。明里ちゃんは僕とダイヤちゃんと同い年の3年生。日向ちゃんは、千尋とルビィちゃんと同い年の1年生だ。

「おかえりー」

「あら、桃さん。こんばんは」

「ダイヤお姉ちゃん、こんばんはー」

そしてもう一人、二人の妹の(もも)ちゃん。

「珍しいね、遊びに来るなんて」

「ひなが行きたいって言うから、来たのよ。丁度暇だったし」

「晩御飯食べて帰るんだ!」

「そうか。今日は賑やかになるな」

久し振りに見た親戚の顔は、今日の疲れを吹っ飛ばすのに十分だった。

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・。よくこれで、もう一度持ってこようという気になりましたわね」

今日も千歌ちゃんはやって来た。だけど、今度は曜ちゃんも一緒に居た。曜ちゃんも、スクールアイドル部に参加することにしたらしい。

しかし、肝心の申請書は水に濡れたのか、字が滲んでクシャクシャだった。

「しかも、一人が二人になっただけですわよ?」

だけど、申請書には千歌ちゃんの名前の下に、曜ちゃんの名前が加わっただけ。つまり、5人には達していないということ。

「やっぱり、簡単に引き下がったら駄目だって思って。きっと生徒会長は、私の根性を試しているんじゃないかって」

「違いますわ。何度来ても同じと、あの時も言ったでしょう?」

「っ、どうしてです⁉」

「この学校には、スクールアイドルは必要無いからですわ!」

気付けば、二人共机の上に足を乗せて、体ごと乗り出していた。

「何でですっ!」

「「んんんんんんん~!」」

「貴女に言う必要はありません!大体、やるにしても曲は作れるんですの?」

「曲?」

えっ、スクールアイドルやるんだったらそこ大事でしょ⁉

「ラブライブ!に出場するには、オリジナルの曲でなくてはいけない。スクールアイドルを始める時に、最初に難関になるポイントですわ。

東京の高校ならいざ知らず、うちの様な高校だと、そんな生徒は・・・・」

それは即ち、スクールアイドルは厳しいということ。ダイヤちゃんは今、厳しさを伝えている。

僕は間近で見てきたから知っている、スクールアイドルの大変さを。

「っ・・・・」

 

 

 

 

千歌ちゃん達が生徒会室から去った後、僕は思った。

「(千歌ちゃん、君なら、絶対出来る。君には天性のカリスマ性があるんだから)」

 

だけど、まさか僕まで彼女の『それ』に巻き込まれるとは、思ってもみなかった。

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?
原作よりは主人公を幸せにしております。
これから聖はどうなっていくのやら?
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