プロ棋士はスクールアイドル   作:フユニャン

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最後に投稿してから半年も経ってしまった・・・・・・。
楽しみにしてた人は待たせてすまん!


Chapter8 海の向こう

よく晴れた日の休日

 

「はぁ・・・・・、お腹空いた・・・・・」

 

だけど、こんな時に限って誰も居ないんだよなぁ・・・・・。義母(かあ)さんは久し振りに幼馴染達、つまり果南ちゃん達のお母さんと出掛けてるし、ダイヤちゃんは生徒会の仕事をしに学校へ、千尋とルビィちゃんは、花丸ちゃんとひなちゃんと一緒に沼津に遊びに行ってしまい、義父(とう)さんは仕事だ。

 

「うーん、如何(どう)すれば・・・・・・」

 

僕じゃ何も作れないし、誰かに頼るしかなくなる。でも、誰に頼れば・・・・・・。

 

「あっ!」

 

そうだ!僕には居たじゃないか!凄く家庭的な従妹が!

僕は直ぐにその人物に電話する。

 

「もしもし明里ちゃん?」

 

『如何したの、聖?』

 

「今、昼御飯の準備してたりするかな?」

 

『ええ、丁度今作っているわ』

 

「本当⁉良かったぁ~。実は今誰も居なくてさ、僕じゃ作れないから、明里ちゃんに頼ろうと思って・・・・」

 

『そうなの。それじゃあ今から家にいらっしゃい。待ってるわ』

 

「うん」

 

僕は電話を切ると、必要な物だけ持って外に出た。

 

 

 

 

「暑い・・・・・、日影が無い・・・・、と、溶ける・・・・」

 

な、何でこんなに暑いんだ!まだ4月なのに!

僕は船着き場までの道中、そんな事を思いながら歩いていた。

漸く船着き場に着き、船に乗ると、座るスペースにぐったりと凭れ掛かった。

内浦湾を渡った先は、淡島。明里ちゃん達や、果南ちゃん、鞠莉ちゃんが住んでいる所だ。

静岡に引っ越して、暫くの間、何処を歩いても夢の中に居るみたいだった。音がよく聞こえないし、町が白黒に、チカチカしたりした。

でも、後で気が付いた。緊張していたのだ、慣れない町に。そして他人の家での暮らしに。

でも、知ってる人が出来たり、居ると知った途端、海の向こうに色が付いたような気がした。明里ちゃんは「何時でもおいで」って言ってくれたけど、ほんとかな。何だか、「おいで」と言ってもらえた場所が出来ただけで、その言葉だけで、嬉しくてお腹一杯で、もう十分な気がした。

 

 

 

 

船が淡島に着くと、僕は下りて明里ちゃん達の家へと向かう。

暫く歩き、もうすぐ明里ちゃん達の家に差し掛かろうとしていた。

 

「ひーくんみっけー!」

「えっ⁉」

 

前方から、桃ちゃんが此方(こちら)に向かって走って来た。

 

「わっ、桃ちゃん?」

「いらっしゃい、聖」

 

家の前には、明里ちゃんが居た。

 

「貴方が来るって言ったら、桃が飛び出して、丁度良い所に来たわね」

「はやくたべよ!」

「う、うん」

 

 

 

 

「ふー、美味しかった。有難う明里ちゃん。急に来ちゃって」

「いいのよ。(むし)ろ大歓迎だわ」

「ひーくんあそぼ!」

「うん、良いよ。何して遊ぶ?」

「おにごっこ!」

「よし、じゃあ外に出よっか」

「わーい!」

 

僕は桃ちゃんと近所の公園に向かった。僕と桃ちゃんは、空が茜色に染まるまで遊んだ。

 

 

 

「楽しかったね。桃ちゃん」

「うん!」

 

僕達二人は、仲良く手を繋ぎながら帰っていた。

 

「ただいま」

「ただいまー!」

「おかえりなさい、二人共」

 

「おかえりなさい、聖さん、桃さん」

 

「えっ?ダイヤちゃん?」

「私と果南も居るわよ!」

「おかえり」

 

川本家に帰ると、何故かダイヤちゃん達が居た。

 

「何で3人が此処(ここ)に居るの?」

「あら、聖さん知らないんですか?」

「母さん達、行った先にあった温泉旅館で一泊してくるみたいでさ、今日は3人共、家族全員居なくて一人留守番してるから、夕飯如何しようかと思っていたら」

「私がグループLINEで『明里の家に行きましょう』って言ったら、二人共賛同して、それで今此処に居るって訳。聖の所には連絡来てなかったの?」

「ちょっと確認してみる」

 

言われてスマホを確認してみると、確かに義母さんからの着信があった。

 

「遊ぶのに夢中で気付かなかったよ・・・・・」

「えっ、遊んでたの?」

「うん、さっきまで桃ちゃんと公園に行ってたんだ」

「ひーくんと一杯遊んだ!」

「珍しいね、聖が外に出て遊ぶなんて」

「今日はお昼もご馳走になったから、そのお礼で遊んだ様な物だよ」

「だから、帰っても居なかったのですね」

 

こうして僕()四方山話(よもやまばなし)をしていた。だけど、果南ちゃんは鞠莉ちゃんに一切目を合わせようとしなかった。そんな果南ちゃんを見て、鞠莉ちゃんは一瞬悲しそうな顔をしたけど、直ぐに何時もの顔に戻った。

途中でおばあちゃんも帰って来て、話は更に盛り上がった。

 

 

彼此(かれこれ)一時間が経過した頃

 

「皆、ご飯出来たわよ」

「わーい!ごはんごはん!」

「今日は唐揚げよ」

「わぁ、美味しそう・・・・・」

「それじゃあ食べましょうか」

 

『頂きます!』

 

「美味しい!本当に明里の料理って美味しいよね!」

「delicious!」

「明里さん、突然押し掛けたのに夕飯を用意して下さって、有難う御座います」

「いいのよ。何時(いつ)もより賑わって、とっても楽しいわ」

 

こうして僕等は、食事を大いに楽しんだ。

 

 

食べている最中、ダイヤちゃんはこんな事を言った。

 

「聖さん、今日は此処に泊まりますわよ」

「えっ⁉」

「私と鞠莉も泊まるよ」

「いいの、明里ちゃん?」

「別に構わないわ。偶にはこんな日があっても良いでしょ?」

「やれやれ、今夜は騒がしいな」

「そんなこと言って、本当はそめばあも嬉しいんでしょ?」

「うっ、うるせいっ!」

「かんちゃん、とまるの?」

「うん、泊まるよ」

「やったー!」

 

まぁ、いっか。行き成り過ぎるけど。今日は千尋達も、花丸ちゃんの家に泊めて貰うみたいだしね。

その日の川本家の小さな食卓は、沢山の笑顔に包まれていた。

 

 

お風呂に入った後、僕は、食卓の直ぐ横にある開いている引き戸から、外の腰かけるスペースに座って満月を見ているダイヤちゃんの横に座った。

 

「綺麗な月だなぁ」

「聖さん・・・・。ええ、そうですわね」

 

後ろからは、じゃれ合っている果南ちゃんと桃ちゃんの声が聞こえる。

僕はふと、横に居るダイヤちゃんの顔を見た。

 

月明かりに照らされたダイヤちゃんは、まるで本物のダイヤの様な、否、それ以上に綺麗だった。

そして何故か、胸の鼓動が急速に速くなった。

 

「聖さん、如何かしましたか?」

「えっ・・・・・、いや、何でもない。本当に綺麗だね、月」

「ええ、何時までも見ていられますわ・・・・・・」

 

その後、僕は胸に暖かい気持ちを抱いたまま眠った。

この日見た夢は、ダイヤちゃんと手を繋いで、海辺で月を一緒に見る夢だった。

 

 

翌朝、隣同士で寝ていた僕達は、何時の間にか互いに手を繋いで寝ていたのを鞠莉ちゃんに揶揄(からか)われた。勿論ダイヤちゃんは怒り、その日は朝から賑やかだった。

 

 

 

 

 




やっとまた一つ進んだ・・・・・・。
本当に遅れてすまん!学校が忙しかったり、夏休み中色んな所に行ったりで中々書けなくて・・・・・。
此れからはコンスタントに更新していくから、これからも宜しく!
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