プロ棋士はスクールアイドル   作:フユニャン

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Chapter6 ファーストライブと先輩、そして酔い 後編

ある日の夕方

僕とダイヤちゃんは、何時もの様に生徒会の仕事を終えて、家路についていた。

「聖さん」

「何?」

「あの海に寄っても宜しいでしょうか?」

「いいよ。僕も丁度、海が見たかったし」

()は島郷海水浴場に向かった。

 

 

 

 

「潮風が気持ち良いなぁー」

「そうですわね」

潮風を受けていると、ダイヤちゃんが何かを思いついたような顔をした。

そして辺りを見回すと、枝を見つけて、砂浜に何か書き始めた。

「これって・・・・・」

それは、かつてダイヤちゃん達がスクールアイドルをやっていた頃のグループ名、

 

 

 

"Aqours(アクア)"だった。

 

 

「ダイヤちゃん、これ・・・・・」

「久し振りですわね、この文字を見るのも・・・・・・」

やっぱり、ダイヤちゃんもやりたいんだ・・・・・・。

あっ、写真撮らないと。

 

パシャ

 

「聖さん?」

「ダイヤちゃん、こっち向いて」

パシャ

 

「写真ですの?」

「うん。直ぐに消えるだろうから」

そうしていると、

「それは無しって言ったでしょ!」

梨子ちゃんの声が聞こえた。ということは・・・・・

「千歌ちゃん達が居るってことか・・・」

呟いたと同時に手首を掴まれた。

「えっ、ダイヤちゃん?」

「聖さん、逃げますわよ」

「えっ、ちょ、ちょっと」

ダイヤちゃんは走り出した。

 

 

 

『浦の星女学院スクールアイドル、Aqoursです!』

あの日から何日か経ち、本を読んでいると、町内放送が聞こえてきた。

『待って、でもまだ、学校から正式な承認貰ってないんじゃ・・・・・・』

あれ?

『だあっ⁉じゃあ、えーっと、浦の星女学院非公認アイドル、Aqoursです!今度の土曜14時から、浦の星女学院体育館にて、ライブーー』

琴の弦を強く弾く音がした。ダイヤちゃん、集中切らしちゃったんだろうな・・・・。今の放送聞いて・・・・。

『非公認っていうのは、ちょっと・・・・』

『じゃあ、何て言えばいいのー!』

皆、これ町内中にダダ漏れだって、分かってるかな?

 

 

そして、遂にライブ当日になった。だけど、天気は雨。

僕とダイヤちゃんは、こっそりと体育館の外から見守っている。千尋は、ルビィちゃんとひなちゃん、花丸ちゃんと体育館の後ろの扉付近から見ている。

そして、いよいよライブが始まった。あれ、まだ時間になってないけど・・・・。

挨拶を済ませ、曲が始まった。元気で素敵な曲だ・・・・・。

 

バチン!

だが、数分が過ぎた頃、突如停電になってしまった。雷の所為(せい)で、電線が切れてしまったようだ。千歌ちゃん・・・・。

「ダイヤちゃん、何処行くの?」

ダイヤちゃんは何処(どこ)かに向かって行った。僕もそれに続く。

其処(そこ)は体育倉庫だった。目の前には、非常用電源のバッテリーがある。

まさかダイヤちゃん・・・・・。

ダイヤちゃんはそれを持ち上げようとするけど、力が無い所為か持ち上がらない。

僕は其れを手伝う。

 

 

バッテリーを運び終えた頃、外から人の声や車の音が聞こえてきた。

如何(どう)やらお客さん達が来たらしい。良かった・・・・・。

そして、ダイヤちゃんはバッテリーを繋ぎ終え、電源を入れた。これで電気も復旧する。

「あれ、ダイヤちゃん?」

気付くと、ダイヤちゃんはまた何処かに行こうとしていた。恐らくまた体育館に戻るのだろう。

 

 

体育館に着くと、丁度曲が終わった所のようで、拍手喝采が起きていた。

だが、ダイヤちゃんは真剣な表情で、速足で彼女達の方へと行ってしまった。

「彼女たちは言いました!」

「スクールアイドルは、これからも広がっていく。何処までだって行ける。どんな夢だって叶えられると」

そしてダイヤちゃんが彼女達の前に立つ。

「此れは今までの、スクールアイドルの努力と、町の人達の善意があっての成功ですわ。勘違いしないように」

其れに対して千歌ちゃんは、

「分かってます。でも、でも只見てるだけじゃ、始まらないって、上手く言えないけど・・・・、今しか無い、瞬間だから」

そして二人の手を取ると、

「だから」

 

 

 

「「「輝きたい!」」」

 

 

 

そして再び、拍手が沸き起こった。

外を見てみると、曇り空から日差しが差し込んでいた。

 

 




次回はルビィと花丸加入回!千尋と日向も入ります!
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