俺はハイテンションのまま、宿に帰宅をする。なぜ、武器屋に直行しなかったのか。理由は簡単である。武器屋が閉まっていたからである。
翌日武器屋に売りに行く予定だ。高く売れるに違いない。そう、今の極貧の惨めな生活ともおさらばである。
俺はその剣をまるで我が子のように可愛がった。それほど、自分にとっては尊く、かけがえのないものだったのだ。肌身はなさなかった。
少し目をはなした瞬間盗賊に盗まれる可能性もあった。
だから仕事から帰り、着替える時も、食事の時も。常に肌身はなさなかったのだ。
そう、そして入浴の時も例外ではない。
「ふん♪ ふんふふふーん♪」
俺は鼻歌を歌いながら入浴をする。思えば異世界に召喚されてからというもの、良い事はひとつもなかった。突然召喚され、異世界言語を修得せねばならず、また、盗賊に襲われ身ぐるみをはがされ、資金も何もなく、また他者を超越するような絶対的な能力も特に与えられていないという。
俺のようなゆとり世代にはハードモードすぎて泣けてきた。これがゲームだったら、とっくに電源を落としているところだった。
しかし、ここに来てやっとの事運が巡ってきたようだ。
「ありがとう・・・・・・・俺のところに来てくれて」
涙ながらに剣にほおずりする。間違っても鋭利な部分でしない事だった。怪我をしてしまう事だろう。
そう。明日からはバラ色の未来、そう、豊かな生活が待っている。この剣を売り飛ばした金で豪遊できる。
そう思っていた。
ーーと。その時だった。
「な、なんだ? 何が起こった」
剣から目映いまでの光が発せられる。俺は思わず目を覆った。
「くっーー。なんだ、この光は」
しばらくして、光が治まる。俺は恐る恐る目をあけた。
「?」
そこには少女がいた。それもただの少女ではない。美少女だった。そう、まるでゲームの世界から抜け出してきたかのような美少女。綺麗なプラチナブロンドの髪に、白い肌。
そう、肌が見えてる、存分に。なぜか? そう、彼女は生まれたままの姿をしていたのだ。一糸まとわぬ姿。つまりは全裸である。
突然の事に頭が真っ白になるが、次第に状況に理解が追いつきつつある。
どういうわけかはわからない。だが、俺が全裸の女の子と二人で入浴している、という事実だけは理解しつつあった。
「ま、待て。君は誰だ?」
「?」
「どうして、突然ここに?」
「?」
彼女は首を傾げるだけだ。言葉が通じないのか。必死に異世界語を修得したというのに。
「と、とにかく。体を隠してくれ。心臓に悪い」
今まで見たことのないおっぱいをそう、無防備に晒されてもこちらとしても心臓に悪かった。