何だか違うDB   作:パンチ拳血

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遅くなりました。投稿します。


最長老宅にて

 

 

 

 側近の二人をそれぞれ倒したラディッツとナッパは合流し、一度ブルマのいる宇宙船を止めた場所へ走っていった。

 例によって、気は抑えたままだ。

 

 到着し、待っていたのはブルマとヤムチャ、クリリンの三人。皆それぞれ無事であった事に安堵する。

 ナッパに至っては、無事どころか機嫌が良いが。

 

「ガハハ! ドドリアの野郎、ザマァ見ろってんだァ!」

 

「さっきからずっとこの調子ねぇ……一体何があったの?」

 

 ドラゴンボールも手に入れてないのに、ブルマはその様子を不思議に思った。

 しかし、誰かに聞こうとするとヤムチャとクリリンは知らんぷりをするし、ラディッツは「分からん」の一点張りだった。

 誰も知る由も無いだろう。ナッパのストレスが最高値であり、それを発散したばかりだという事は。

 

 取り敢えず、今回の出来事を伝えてこれからの行動を話し合う事にした。

 ヤムチャが一つの提案を出す。

 

「な、なぁ、今回は奴らにドラゴンボールの願いを譲る事にして、一度帰らないか?」

 

 ヤムチャの提案に、クリリンも賛同する。

 しかしブルマは、

 

「神龍を、ピッコロ大魔王の時みたいに殺されなきゃ良いけどね……」

 

「まず、フリーザに願いを叶えさせた時点でこの星、いや全宇宙が奴の手に渡るだろうがな」

 

 ションボリとするヤムチャとクリリン。何でこうも行く先々には困難が伴うというのか。しかも今回は全宇宙を巻き込む程の規模で、既に死に掛けた程危険であった。

 此れからもそんな危険、否、それ以上の危険がドラゴンボールを集める際に付き纏うのだ。

 

「先ずは、ドラゴンボールを一個でも回収する事を考えるべきだ。最悪、フリーザの願いを防ぐ為だけでも意味がある」

 

「ドラゴンレーダーみたいな機械はあるのかしら?」

 

「奴らはドラゴンボールの事を知り、しかも回収していない状態だ。恐らくはナメック星人を探し出して聞き出すのだろう」

 

 ブルマはラディッツからの数少ない情報を頼りに、頭の中で色々と考えを構築していく。

 そして出た結論は、

 

 

 

「ドラゴンボールを一個だけ、探してもらうわ」

 

 

 

 ラディッツとナッパは「ほう……」と声を出し、ラディッツが質問する。

 

「何故一個だけなのだ?」

 

「ドラゴンボールを探すにしろ、逃げ出すにしろ、貴方達は顔を知られ過ぎちゃったのよ。もし逃げて地球にそんなヤバイ奴らがやって来たらお終いだし……どうせフリーザっていうとこの軍はドラゴンボールを集めるでしょう? だから一つだけ探し出して、何処かに隠すのよ。うまくいけば、奴らがそれを探す間に集めた残りを奪える訳だしね」

 

 元々、この宇宙船はそのフリーザ軍の船を改造した物だ。そうなれば直ぐ追いつかれるだろうし、ベジータやナッパもこの地球に行った事をそのフリーザは知っているだろう。それで地球に来られたら、ブルマの言った通りお終いだ。

 

「さっきそのフリーザ軍の船が到着したって所から、まだ集まって無いハズよ。そこと反対の方向に行って、まだ回収されてないドラゴンボールを探して、もし会えるならばナメック星人にもそれを伝えると良いかもしれないわね。もしかしたら、手を貸して貰えるかもしれない」

 

「成る程なぁ……」

 

 ベジータはナメック星人を殺してドラゴンボールを手に入れていた。フリーザ軍も同じ事をするだろう。

 

「それでは急ぎましょう!」

 

 吹っ切れたクリリンが立ち上がる。

 それに続き、ラディッツとナッパも立ち上がった。

 

「はぁ……行くっきゃねぇか……」

 

 不貞腐れつつも、ヤムチャも立ち上がり渋々後をついていくのだった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 フリーザ軍の目を掻い潜り、やっと一つ目のドラゴンボールの反応地点に到着した四人。

 

「まさかもう此方にまで探索範囲を拡げているとはな……」

 

「奴の事だ。先に下見の下級兵士でも回したんだろうよ」

 

 ナッパの推測は当たっていた。

 キュイが引き連れていたのとは別の軍が、ドラゴンボール捜索の為に母船が来る前から到着し探し回っていたのだ。

 

「だとしたらフリーザの所にもドラゴンボールがあるかも……」

 

「それは無い」

 

 ラディッツは即座に否定する。

 皆は言い切ったそれに疑問を持つと、直ぐにラディッツは説明し始めた。

 

「ドラゴンレーダーをよく見ろ。ドラゴンボールの反応は3つを除き全く動いていない。動いてる反応は、恐らくベジータだろう。あいつはドラゴンボールを盗まれる程間抜けでは無いし、フリーザの手下なら真っ直ぐにフリーザに届けるだろう」

 

 誰の手にあるよりも、奴の手にあるのが一番安全であり、危険だ。

 取り敢えず、全て揃わなければ神龍が出て来ることは無い。早速彼らはドラゴンボールを手に入れるべく、独特の形をした家らしき物に入ろうとすると、

 

 

 

「待て!」

 

 

 

 一人のナメック星人が此方に声を掛けてきていた。

 その姿に、クリリンとヤムチャは驚く事になる。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「__残念です。まさかあの二人が、殺されてしまうなんて」

 

 悲しんではいない。

 哀しんではいない。

 しかし、不機嫌ではあった。

 

 事が思うように運ばず、冷静でいながらも怒りを露わにするそれに、下級兵士達は恐れ戦いていた。

 フリーザはグラスに入れられた赤い液体を一気に流し込む。それは人間の血の様に赤く、色が艶めいていた。少しでも今の苛立ちをマシにする為に飲み干したが、喉は潤っても心は乾いている様だ。ちっともマシにならない。

 

 失態に次ぐ失態。

 ザーボンとドドリアに気を付けろと言ったのに、死んでしまった。それに上級兵士で組んだ部隊も、愚かで無能な者に任せたばかりに失った。更に、並みの下級兵士ではここの若いナメック星人を倒す事は出来ず、返り討ちにあってしまうらしい。(ろく)にドラゴンボールも集められず、ただ兵力を減らされるばかり。

 これで苛立つなと言われるのは無理があった。

 

 

 

「ここにいる全てを、皆殺しにしてやりましょう……」

 

 

 

 空になったグラスを砕き、彼は言う。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

「「ピッコロ!?」」

 

 

 

 クリリンとヤムチャは声を揃えて叫んだ。

 それはここにいるナッパに殺されたハズの、ピッコロの姿と瓜二つなナメック星人がここにいたからだ。

 

「私はネイルという者だ。そのピッコロという者では無い」

 

 ネイルと名乗るナメック星人は自身がピッコロである事を否定する。

 当たり前ではあったが、ピッコロは死んでいる。生きていれば、ここに来る必要も無かったのだから。

 

「聞くが、貴様らが私たちの同胞を虐殺している連中ではあるまいな?」

 

 どうやら既にナメック星人が殺されている今の状況を知っているらしい。

 それならば話が早い。取り敢えず今の返答をしようとクリリンが口を開くと、

 

「だとしたらどうする?」

 

 ナッパがそう言ったのだ。

 クリリンとヤムチャは大慌て。ラディッツも呆れ顔でナッパを見たのだが、ネイルのその答えはというと、

 

「今ここで根絶やしにする」

 

 内に秘めた気を解放した。

 その感じ得るパワーは、あのフリーザの側近二人よりも大きく、怒りに満ちた気を纏っていた。

 皆の顔色が変わる。

 クリリンとヤムチャは、もう誤解を説くどころでは無かった。戦闘準備に入ったネイルには何を言っても通用しない程に此方を敵視している。

 

 しかし、ラディッツはネイルの眼前に立ち、構えもせずにこう言った。

 

「俺たちは敵では無い。これから来る輩が敵だ……」

 

「何?」

 

 何を言い出すかと思えば、此方にもう直ぐ敵が来るとラディッツは言い放ったのだ。

 次にラディッツはナッパに向かって、

 

「本当に単細胞かっ! 今まで気を隠して移動してきたのがパーでは無いか!」

 

 とナッパの肩を掴みこれでもかと揺らす。

 ナッパはハッと表情を変え、「ヤベェ……」とだけ言い汗を流した。

 ネイルが発した気がフリーザ軍のスカウターに拾われ、その戦闘力は側近よりも上だと見れば、フリーザ自身が出陣してもおかしくは無い。ここがドラゴンボールのある場所だと分かれば尚更危険になるだろう。

 ラディッツは挑発するナッパを止めておけばよかったと額に手を当てる。ナッパも、反省の色を浮かべてだんまりになってしまった。

 

 

 

 

 案の定敵がやって来たが、フリーザはいなかったので戦闘内容は割愛する。

 

 

 

 

 反省の色を出したナッパと、元から戦う威勢を示していなかった三人にネイルは納得し、念の為ナッパを外に出しておいて、他の三人は家の中に入れて貰えた。

 ナッパは不貞腐れつつも、反論など無く胡座をかいて待っている事にした。

 

 中に入り、居たのはネイルとは比べ物にならない程の巨体を持つナメック星人の姿であった。そして、その人こそがこの星に住むナメック星人の親である最長老であった。

 そのナメック星人がゆっくりと口を開く。

 

「悪党達の手によって、我が子は見る見る内に減ってきている。無念です」

 

 ネイルは俯く。

 

「彼らはドラゴンボールを狙って来ている。そうですね?」

 

「はい……」

 

「悲しい事だ。ナメック星人の知恵と力の結晶であるドラゴンボールが、まさかこの様な事を……しかしどうしてドラゴンボールの事を知ったのでしょうか?」

 

 自問するかの様に言ったそれに、クリリンは返答する。

 

「それについては、地球にもドラゴンボールがあり、そこから漏れてしまったのだと思います」

 

「何ですと?」

 

 最長老は驚く。

 クリリンは説明した。地球に逃れて来たナメック星人がいて、そこでは神様として存在していたと言う事を。

 最長老は納得する。

 

「そうか思い出したぞ。カタッツの子だ。驚いた。あの子は龍族の天才児だった」

 

「そのナメック星人も激しい戦闘に力尽きてしまい、ここで生き返れないかとこの星に来ました」

 

「……そうですか。もっと探らせて下さい」

 

 最長老はそう言うとクリリンとヤムチャの頭を掴む。

 するとどうだろうか。最長老は驚き、そして納得した。外から見ている者にはその意味が分からず、ただ勝手に驚いている様にしか見えなかった。

 最長老は言う。

 

「しかし不思議だ。そのピッコロは今外にいるナッパというサイヤ人に殺されたのに、何故同行を?」

 

「戦いにも色々あるのだ」

 

 ラディッツが答えた。

 しかし仲間であるナメック星人を殺した張本人がすぐそこにいるというのに、最長老は何とも穏やかな顔だ。そこまでの元気が無いのだろうか?

 

「戦いに身を置く者にしか分からない事ですか。やはり理解し難い」

 

「最悪、奴に願いを叶えさせるならば、最後の手段としてドラゴンボールは破壊する。また、作り直せるのだろう?」

 

 ラディッツの質問に、ネイルは拳を握りしめた。やむを得ないとはいえ、ナメック星人の知と力の結晶を破壊されるのだから。

 しかし最長老は言った。

 

「残念ながらそれは無理です」

 

「な、何故だ!?」

 

「ワシの命はもう直ぐ消えてしまうからです。寿命もあり、殆ど力は残っていない。どちらにしろ、望みは薄いでしょう」

 

 そう言って最長老は咳をする。何回も咳き込み、苦しそうに唸っていた。

 ラディッツが一人考えていた望みは簡単に破られる事となった。しかし、ドラゴンボールを狙う相手がこれまでに無い程強大で、多過ぎた。

 

 クリリンは慌てる様に言った。

 

「た、単刀直入に言います! その頭の上にあるドラゴンボール、僕達に預けて貰えないでしょうか!?」

 

 最長老は黙る。

 身体はピクリとも動かないまま、悩む様な唸り声を漏らすのみ。

 

 そして、

 

「よろしいでしょう。願いは純粋な物ですし、此れまでの勇気は大きく評価されます」

 

 最長老の腕がゆっくりとドラゴンボールの方へ伸びて行き、それを掴むとクリリンとヤムチャの目の前に差し出す。

 クリリンとヤムチャは御礼を言い、それを貰おうとすると、最長老からの言葉がそれを遮った。

 

「頼みがあります。この星のナメック星人を、どうか助けて下さい。そして、どうかドラゴンボールを悪党達の手に渡すのだけは阻止して下さい」

 

 最長老はそう言ってドラゴンボールを渡すと、又クリリンとヤムチャの頭を掴む。

 

「貴方達は飛び抜けた力をお持ちの様です。だが勿体無い事にまだ眠っている力がある。正義は強い方が良い。その力を起こして差し上げよう」

 

 最長老は強く念じる様に黙りこくる。

 すると、白い靄の様なものが二人を包み込み、そして二人は驚いた。

 

「うひゃーあっ! ち、力が吹き出して来たぁ!?」

 

「何だこれは!? 凄い、凄いぞっ!」

 

 それぞれ喜ぶ二人。

 最長老は一息すると、咳き込んだ後言った。

 

「どうか、逃げ延びて下さい。どうか御無事で」

 

 そう言われ、一行はその場を後にする。

 こうして、クリリン達は一つ目のドラゴンボールを手に入れる事が出来たのだった。

 

 

 

 




ドラゴンボール、ゲットだぜ!
の回でした。

ブルマは怖がっていなければ五月蝿くも無いし有能なんですよね。なので今回はブルマの冷静さが光る回になりました。
そしてナッパはやはり単細胞だった。
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