実はこの作品のラディッツ、キャラ転換で女性にしようかという考えがありましたが、この後の展開で作者がどうも違和感を持ってしまったので男性のままにしました。
因みに女性であれば、弟の身を案じるお姉ちゃん的な感じです。
てか、Zまでいくと性転換できるキャラがいなくなるんですよね。フロスト一族は分かんないし、セルも分かんない。ブウは言わずもがな。
はい、すいません。
ラディッツと悟空達の戦いが終わったその頃、遥か彼方の宇宙では___
「ラディッツめ、スカウターが破壊されたところを見ると殺されおったか」
「情け無い奴だ、まったく。たかが戦闘力1000ちょっとの奴らなんかに、殺されるなんてな」
そう言い放ったのは屈強な男達。片方は髪のない、ラディッツよりも更に大柄な男。もう一方は、小柄ではあったが異様な気を身に纏う得体の知れない男だった。
大柄な男が口を開く。
「どうする? この星を後回しにしていきますか?」
大柄な男の言葉が低く響く。
その男の問いにもう一方の男は。
「一つ、気になった事がある。願いを叶える球とかなんとか……」
「それは地球人の出まかせでしょう」
「いや、分からんぞ? 思い出してみろ。ラディッツが最初に会った人物を」
大柄な男はその言葉を聞き、少し考える様に俯くと何かに気付いた様子でいきなりハッと顔を上げる。
「成る程、ナメック星人か……」
「そうだ。そしてあの地球人の慌てる様な声、これは何かあるかも知れんぞ?」
男はニタリと笑う。
「それで、もし願いが叶うとすればどんな願いを? まさかラディッツを生き返らせるんですかな?」
「冗談言うな、あんな役に立たん奴はもう要らん」
その言葉に大柄な男は不思議そうに首を傾げ、「では何を?」と付け加える。それを聞いた男は不敵に笑い、こう返した。
「俺達がこのまま歳も取らず、永遠の命を。てのはどうだ?」
それは不老不死の願い。生きとし生ける全ての生き物を否定する願いだった。聞けば世の若き女性や野心家の多くがそれを求めるだろうが、そんなに簡単な話では無いのだ。永遠に死なないサイヤ人、最早人間ではなく恐るべき怪物になってしまう。
だがそれを知ってか知らずか、
「そうすれば永久に戦闘を楽しめるぞ」
などと言ってしまうのだ。
大柄な男もそれを聞き「成る程、そりぁいい!」と言い、卑下た笑い声と笑みを浮かべる。
それはまるで悪魔の笑い声。遥か彼方の地球まで響く様な、低い声を上げたのだった。
「ところで、ラディッツが生きていた場合はどうするんです?」
「構わん、負けて生きているならばサイヤ人の恥だ。殺せ」
〜〜〜〜〜
___ラディッツは弱かった。
サイヤ人は生まれつきの戦闘力で地位を決められる。サイヤ人にとって、強さこそ正義。強さこそが全てであった。
バーダックと言う、下級戦士のサイヤ人の息子であるラディッツは、やはり下級戦士であった。しかし、その父親のバーダックは何度も死線を潜り抜け、一部のエリートを越す戦闘力を身に付けていた。その強さは噂になり、ラディッツも父親の様な戦士になりたいと思った。
だが、現実は非情である。
他のサイヤ人からはその戦闘力の低さに笑われ、"弱虫ラディッツ"と呼ばれ続けた。
サイヤ人にとって、弱さとは罪である。だからこそ文句も言えないのだが、それが辛かった。
ならば強くなればいい。そう思い、必死に戦ってきた。
戦って、戦って、戦い続けて。
だが余りにも父の背中が遠かった。
もう、諦めようかとも思った。越えることの出来ない壁は、ラディッツを立ち止まらせてしまう。
これ以上は強くなれない、と思ってしまった。
「俺は……サイヤ人失格だな……」
「バカヤロウが……それでもオレのガキか」
聞き覚えのある声がラディッツの耳に響いた。ラディッツはハッと顔を上げ、声のした方向を向いた。
そして目にしたものは、今まで目指してきた親父の後ろ姿。驚きの余り、言葉を失ってしまった。
ラディッツは手を伸ばし、しかし届かない。どんなに伸ばしても、更にその背中が遠くに行く。どこまでも遠く、小さくなっていく。
ラディッツは叫んだ。自分に気付いてもらえるように。手が届くように___
〜〜〜〜〜
「___親父ッ」
「おぉ? オラはおめぇの弟じゃなかったっけ?」
ラディッツは目を覚ました。どうやらさっきのは夢だったようで悟空の、弟のカカロットの顔が父親と重なって見えた。
悟空はラディッツが目覚めたことを確認すると、仲間に報告するのか一旦部屋を出た。
数秒が経ち、やっとラディッツは自分の現状を把握する。恐らく、この部屋は最初に悟空を見つけた時の家だろう。少なくとも拷問部屋ではない。身体は縄みたいなもので拘束されており、幾ら力を入れても千切れないところを見ると、どうやらかなり弱っているようだ。
「そうか……俺は負けたのか」
多勢に無勢とは言わない。これでも命令を受けた時は、惑星の連中の殆どを相手取った事もあったからだ。
暫くすると、悟空とその仲間が部屋の中に入ってくる。
「……何故俺を殺さなかった?」
「お前を生かしたのは、これから先の出来事とお前らの情報を得る為だ。答えてもらうぞ」
「オラはもっとオラの小さい頃とかを教えてもらう為だ」
天津飯と悟空の二人が言う。因みに悟空達は生かそうと思って生かしたのでは無い。悟空とクリリンのかめはめ波を受けても辛うじて耐えたラディッツには衝撃を受けたものだ。しかしその後力尽き、倒れたのでどうにか、といった形で今の状態に出来た。
ラディッツは少し黙った後、ゆっくりと口を開く。
「これを知ればきっと後悔する事だろう。それでもいいならば教えてやるが」
「あぁ、頼む」
受け答えをしたのは悟空。他のメンバーは皆真剣な表情で固まっている。
「俺の仲間であるサイヤ人はお前を含めてもたったの四人しかいない。恐らくは俺が死んだと思ってこの地球に来るだろう」
サイヤ人が二人。一人でもこんなに苦戦を強いられたというのに、二人だとどうなってしまうのか、と思うと皆身体が震える。
そして、
「その残ったサイヤ人は、俺よりも戦闘力が遥かに上だ」
皆は絶句した。
この次元を遥かに上回る相手がこの地球に来るのだと言う。ヤムチャが焦った声で叫んだ。
「そいつらが来るまでの時間は!?」
「遅くとも一年後だ」
一年。たったそれだけの時間で奴等はこの地球に来る、その事実に悟空も、
「へへ、流石にオラも、今度ばかりはワクワクしねぇや……」
と呟くのみ。
あの悟空がそう言うのだ。他のメンバーも顔を真っ青にし、絶望している。
突然、ヤムチャが又焦ったように皆に話し出した。
「そ、そのサイヤ人とこいつが組んだらヤバくないか!?」
「あ、あぁ。ここでなるべく危険性を減らしておくに越した事はない……」
天津飯もヤムチャの意見に同意した。何故なら、ラディッツの息の根を止めるのは今しかない。今回はどうにか勝てたが、次に勝てるかどうかは分からないからだ。
「無駄な事は止めろ」
ラディッツが言った。
クリリンが「どう言う事だ!?」と疑問をぶつける。
「もし俺が生きていると知れば、奴等は俺を殺しにかかるだろう。……負けたサイヤ人は死んだも同然、一切の容赦も無いだろうな」
余りにも理不尽。いや、これがサイヤ人の鉄則なのか。
「これで十分だろう……殺せッ! 一年間このまま無様に生き続けるよりは、今ここで死んだ方がマシだ!」
死を受け入れた、それなのになんという迫力か。余りの迫力に、皆はたじろぐ。
だが、悟空は違った。
「おめぇは殺さねぇ。そんなことしたら、オラの過去とか聞けなくなっちまうかんな〜」
その言葉に、ラディッツの迫力あった顔が固まった。そんな事は、御構い無しに「それによ」と続ける。
「サイヤ人としてのおめぇは死んじまったんだろ? なら死ななくても大丈夫じゃねぇか」
悟空の言ったことは屁理屈であった。
当然それを聞いてハイそうですかと納得するほど、ラディッツも馬鹿では無い。
「何を馬鹿な……、そもそも俺は下級戦士なのだ! あの二人に勝てる訳が無いッ!!」
「なら、強くなれば良いんじゃねぇか?」
なんて簡単に言ってくれるのだろうか。しかし、奇しくも、昔の自分が持っていた考えと同じ思いであった。
次の悟空の言葉にラディッツは揺れる。
「オラだってずっと負けてばっかでよ。オラもサイヤ人なら、既に死んでらぁ。それによぉ、一人で無理ならオラ達と一緒に修行すればいいじゃねぇか」
もう、駄目だった。
先程見た夢を筆頭に、ラディッツの感情は不安定であり、揺れに揺れていた。
辛かったのだ。弱い自分が。
そして、弟からのこの言葉。最早誇り高いサイヤ人の幻想は崩れ去り、溜め込んで来た物を吐き出すかのように大声で、笑った。
悟空達はいきなりの事に驚き、身構えたが。
「全く、こっちに来てからというものカカロットには調子を崩されっぱなしだなぁ。……いいだろう。お前の口車に乗ってやろう、俺は負けた身だからな」
ラディッツの迫力ある気はいつの間にか消え去っていた。
これでサイヤ人と戦う際に敵になることはないだろう。むしろ、その二人のサイヤ人と対立し、こちらの仲間のような存在になるかもしれない。ここまで強かった存在だ、
悟空達も構えを解き、安心した様な顔付きになる。
と、ここで頭の中に突然声が響いてきた。
『話は聞かせてもらった。悟空よ、皆を宮殿に連れて来るがよい』
「お? 神様かぁ!?」
なんと、この声は神様の声であるという。
悟空達はあの天下一武道会の一件により知っていたが、頭に直接伝わる声に動揺している様子。ラディッツの方は辺りをキョロキョロと見回す位には困惑していた。
しかし今度は、悟空の放った一言に全員が驚くことになる。
「みんな、オラと一緒に神様の宮殿に行くぞぉっ!!」
ピッコロ「お、俺の出番が無い……」
ラディッツが改心しました。
はい、コメントでもあったようにバレバレでしたね。
話の流れは頭の中で一応整っているのですが、間の文がイマイチ思い浮かばず微妙になります。
あぁ、他の作者さんのように文才が欲しいです……