『小夜啼鳥が血を流す時』   作:歌場ゆき

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「犠牲を無駄にしないのは当然だ。
 しかし例え元凶を断とうと、
 死者の怨念は救えない。
 救ったと思い込むことはできる。
 だがそれは生者の妄想に過ぎないのだ。
 妄想への逃避を良しとせぬのであれば、
 怨念を背に負い続けるほかはない」

────ニトロプラス『装甲悪鬼村正』より







「Remember death」

 

 

 

 ()()を聞いた瞬間────私は私でなくなった。

 

 

 

 全身の血液が沸騰し、自分の意思ではないなにかが身体を突き動かす。

 

 

 

 息をするたび、意識が途切れそうになるほどの激情が全身を覆う。

 

 

 

 干からびた喉と、痙攣する眼球が煩わしい。

 

 

 

 はらわたが火をくべたように燃える。

 

 

 

 とぐろを巻いている黒い炎が溢れ出し、五臓六腑を焦がしていく感覚。

 

 

 

 今の今まで必死の思いで築き上げていた理性の壁がとうとう崩れ落ちていく。

 

 

 

 制止の声もどこか遠くから響いてくる異国の言葉のように思えて。

 

 

 

 ぱしん、と空気の軋む音だけが鈍痛のように響く。

 

 

 

 体はこんなにも熱いのに、皮膚に触れる温度はあまりにも冷たい。

 

 

 

 捻じられたかのように視界が歪み、窓から差し込む日差しは灰色に転じて。

 

 

 

 思考はとうに放棄され、本能のみが叫びを上げていた。

 

 

 

 ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ─────────────────!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ばしっと。

 

 何者かに不意に腕を掴まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そのへんでやめておきなよ────でないと死ぬよ? そいつ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広がった視界と正常に戻ってきた色彩が周囲の状況を私に伝える。

 

 

 

 私の右腕を掴んで止めたのは一週間ぶりに顔を見るジョン・スミスという男で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────掴まれた拳は赤黒く濡れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───相変わらず、君は無茶苦茶だね」

 

「…………」

 

「いや、それとも”よくぞ一週間も”我慢したと褒めるべきかな。…まったく、僕が来なかったらどうなっていたか。君にはわかっているだろう?」

 

「……………………」

 

「従軍前にあれだけ忠告したのに、まさかあれだけのことをやらかすなんて……。流石というかなんというか」

 

「………………………………」

 

「えーっと…あの軍医はたしか──ハイザー、ハイウェル、ハイジャック、…うーん、どれもピンとこないな。────なんだっけ、君が胸倉を掴んで引きずり倒してマウントを取り顔の形が変形するほどタコ殴りにした全治三か月の哀れな軍医の名前は?」

 

「…ハワード軍医です」

 

「そう、それだ! ハワードだ、ハワード。気を失っているときのうわ言で”…頼む頼む、やめろっ、やめてくれぇ”と何度もこぼしていたそうだよ。ひびの入った頬骨が痛むからか、妙な発音だったというのもまた不憫な話だ」

 

「……それをくどくどと言うために私を連れ出したのですか? ならばまた次回にお願いしてもよいでしょうか。残っている作業があります。戻らなければ」

 

「まあまあ。そう言わないでくれよ、フローレンス。せっかく久しぶりにふたりきりで話せたんだ。もう少し、ゆっくりしようじゃないか」

 

「……そのせっかく久しぶりに話せる機会とやらに、いきなりお説教を始める人がそれを言いますか────少し会わない間にジョークのセンスが随分と上がったようで」

 

「はっはっは。そう言う君は皮肉のパンチ力が少し落ちたんじゃないか? 前はご自慢の腕っぷしにも負けず劣らずもっとビシバシガンガンきていたのに」

 

「──嫌味ですか…?」

 

「まさか嫌味じゃないとでも?」

 

 

 

 

 

 

 さて。

 ここで情報を整理しておくとしよう。

 

 丸一日時間が経ち、各所一応の冷静さを取り戻したようには見える。

 

 看護婦団のトップ──フローレンス・ナイチンゲールが昨日しでかしたこと。

 

 端的に言えば。

 

 正面から軍医の胸倉を掴んだかと思えば引き倒して馬乗りになり気絶するまでひたすらに顔面を殴り続けた──言葉のみを聞けば釈明の余地もない重罪なのだけれど。

 

 僕はリアルタイムで今回の事態に接していたわけじゃない。

 スクタリ病院に到着して早々に目撃したのが怒り狂って暴れている彼女とその下で流血し殴られ続けている白衣を着た男性、あまりの出来事に固まっている周囲の人間。

 

 正直、異様な光景だった。

 

 ───なぜそんなことになったのか。まずは5W1Hを明確にしなければならない。

 

 人づてに聞いた話には個人の所感がノイズとして混じってしまうが、それもやむなし。さしあたっての公平性を期すために看護婦団メンバー、元々スクタリにいるスタッフ、そこらに転がっている負傷した兵を中心に──可能な限り分母を広げて今回の顛末について、フローレンスに問い質す前に尋ねて回った。

 

 

 

 クエスチョンはもちろん「フローレンス・ナイチンゲールの暴力沙汰について知っていることは?」

 

 

 看護婦団メンバーは婦長のためにと、もちろん親身になって受け答えしてくれたものの、どうやら多くの者が清掃や片づけ等の事務作業にあたっていたらしく、直接現場を目撃した者はいないとのことだった。

 

 となると、事が起こった病室に収容されていた兵士とそこを担当していた現地スタッフをあてにする他ないわけだが。

 

 

 

 ────よくわからない、自分は関係ない。

 

 

 

 いかにもな厄介事を避けたがる事なかれ主義者たちからのありがたい回答にうんざりしながらも根気よく訊いて回った。

 

 あれだけの大事になったのだ。知らぬ存ぜぬがまかり通るわけがない。

 

 立場や人間関係を含め様々事情はあるだろうが、人の口には戸が立てられない──喋る者は放っておいても喋りだす。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()流れにいち早く気が付いた者の口から徐々に──事実が語られ始めた。

 

 ポイントはやはりフローレンスがなぜそのような行動を起こすことになったのか、そのきっかけにあるようで────

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「ま、今回の件を不問とまではいかないけど、上からのお咎め無しにまで持ち込んだ僕の手腕に免じてもう少し話を聞いてくれよ、フローレンス。いや、もう()()()()()()()()()()と呼ぶべきかな?」

 

「…………そこが一番得心のいかないところです。なにがどういう経緯を辿ると昨日の今日で私が長官代理になるのですか」

 

「それは我が国の政治的最高権力者であらせられる女王陛下からの勅令だとしか言いようがない。僕はその命を伝達する役割しか負ってないし。ま、どうやら君の動向に女王が注目しているようでね。君からの報告は直接自身に届けるようにとのお達しも下っている────君に対する期待の表れと捉えればいいさ。あー、あと、『代理』というのもすぐ取れるよ」

 

「……? どうして一市民に過ぎない私などにそのような───」

 

「さぁてね。そんなことを一軍人の僕に聞かれても。君の発表した論文が女王の目に触れる機会でもあったか、はたまた君のことを推薦する人間が女王の近くにいたのか。世の中はなんとも不思議がいっぱいだとしか……。そうだな不思議と言えば、あの娘も相当に不思議というか、奇妙というか。名前は──あの栗色のくせっ毛で、えくぼが非常にチャーミングな…………いやいやいやいや、どうか言わないでくれ。看護婦団メンバー38名の名前と特徴はたしかに頭に入っているともさ。女性の名前が思い出せないとあってはこのジョン・スミスの名折れもいいところ…ああ、そうだ、ミランダだね! ミランダ・ヌー。あの娘は本当に不思議だ」

 

「…ハワード軍医の名前は忘れていたのに、女性の名前は覚えているのですね。この短期間で。フルネームを。それこそ私には不思議でなりませんよ────あの娘が変わっているというのは同感ですが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────そう。今回の暴力事件のきっかけは看護婦団メンバーのひとり、ミランダ・ヌー。

 

『彼女がハワード軍医に殴られた』

 

 これが引き金となり、一連の騒ぎに繋がったようで。

 

 

 

 となると、話は早い。

 その当事者──ミランダにも話を聞きに行けばいいと彼女を探しに行くと……。

 

 

 

 

 

 

 

「なんとびっくり。寝台で寝ている件のハワード軍医に付き添って彼を看護しているのだから、驚愕だ」

 

「…………」

 

「ハワード軍医がいる病室で彼女を発見して”なにをしているの?”と訊いたら、”看護です”と返されてね……。思わず”なんで?”って重ねて質問するのを忘れるところだった。ちなみに、その問いには”あたしのやるべきことがようやくできますからー”って満面の笑みで答えられたよ。…たぶんハワードのやつに殴られた場所かな、左の頬を真っ赤に腫らしながらの笑顔にはこう────軽く恐怖を覚えた」

 

 

 聞けば、彼女が殴られた原因は──ハワード軍医の医療ミスを指摘したことによるものだそうで。

 

 フローレンスから団のメンバーに下されていた”患者への直接的医療行為を禁じる”という命令。それを破ることになるかもしれない、いや──現地のスタッフと揉め事を起こさないことを目的とした上官命令なのだから、彼女のやったことは紛れもなく命令違反。

 

 そうだとわかっていてもミランダは口を挟まずにはいられなかった。

 

 

 

 ”ちょっと、待ってくださいっ! それじゃあ、その人が余計に苦しいだけです!!”

 

 

 

 ───そう叫んで、彼女はその病室へ踏み込んだらしい。

 

 自分の担当する清掃場所から次の清掃場所へと移動する道中でたまたま目に入ったハワード軍医の担当病室へと。

 

 

 

 そして、事件は起こり、今に至る。

 

 

 

 僕は彼女に聞いた。

 

 ”命令違反だとわかっていたのに、どうしてそんなことを?”

 

 彼女は答えた。

 

 ”後で婦長にすごーく怒られるだろうなとは思ったんです。でも、あたし、痛いのとかつらいのとか嫌で。みんなも、そういうの嫌だろうなと思うんです。できたらそんなのをなくしたり、癒したりしてあげたくて。だから看護婦になりたいと思って志願して…。えーっと、それで、そう! 婦長から怒られるとは思ったんです。もしかしたらぶたれるかもしれないとも。……わかってはいたんですけど、もう苦しんでいる人がそれ以上苦しむ必要ないって思ったら勝手に身体が────。気が付いたら自分でも驚くぐらいに「その処置は違う、患者さんが余計に苦しむだけです!」って男の人にまくし立てて怒鳴ってて。そのときには婦長がどうとか男の人がどうとかすっかり忘れちゃってました。結果、その男の人のにぶん殴られたんだから世話ないですよね、あはははー。あたし、馬鹿だから。”

 

 

 

 そう言って自らを卑下していたが、彼女は強い女性だ。

 

 ──ミランダにはミランダなりの憤りと矜持があったのだろう。

 

 自分は間違ったことをしていないのに殴られた。だったら、その仕返しをしてやるというのが彼女の不可思議な行動理念の根本にあるのかもしれない。

 

 目覚めたときに自分が殴った女の顔が目の前にあったらどうだ、その女に甲斐甲斐しく世話をされたらどうだ、と。

 

 そして…、そんなミランダ・ヌーの個人的思惑とは全く別のところで、彼女の行動は功を奏していた。

 

 

「──まったく彼女には感謝しないと。ミランダのフォローは、彼女がまるで意図を持っていないことすら含めて本当に完璧だ。…これを利用しない手はないからね、そもそも彼女が第一の被害者であるという話が院内に広まるよう手を打った。それだけでは君の暴力沙汰の印象を薄める効果が弱くとも、被害者である彼女がハワード軍医の看護を買って出ていることを付加すれば、新たな話題での上書きは時間の問題だ。なによりハワード軍医に文句を言わせないという点がすばらしい。自分が殴った女に頼る他ないというのはかなりこたえるだろうし」

 

「それは…、たしかにその通りかもしれません」

 

「これから、君がこの病舎のトップとしてやっていくことになる。その上で大の男を外から来た女がボコボコにしたなんていうのはセンセーショナルを通り越して、不快感を持たれても仕方ない。恐怖政治を敷くってのも場合とやりかたによってはありなのかもしれないが、こと病院という場でそれはいただけない──それだけはない。フローレンス、約束してくれ。軍属となって君の目的を果たすためには、常に冷静でいることだ。牙を磨くことを怠ってはならないが、牙は己の内に隠し通せ。君の”したたかさ”を気取られるな。頼むよ。

 ────また同じようなことはないと思っていいね?」

 

「…………わかりました、約束します」

 

「…よし、じゃあ、お説教は終わりだ」

 

 

 僕の言葉がフローレンスの胸にどれほど響いたのかはわからないが、彼女は約束すると言ってくれた。今はそれでいいし、このことが意味を持つとするならばもっと先のことになるだろう。

 

 そして、僕がその結果を知ることはきっとない。

 

 …それでも僕は、僕の目的のためにフローレンスの背中を押し続けよう。

 

 彼女が望まないとしても。

 そのことを僕が誰よりも深く理解していたとしても。

 

 

 

 ─────そして、なにを犠牲にしたとしても。

 

 

 

 

 僕は───ー、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて。

 

 また新たなスタートを切るつもりでスクタリでの活動を開始するとしよう。

 

 

 

 ああ、いや、その前に。

 

 スタートラインに立つためにやるべきことをやらないと。

 

 

「──ちょっと出られるかい、ナイチンゲール長官代理」

 

 

「…あの、話が終わったのならいい加減に──長官代理としての事務作業を可能な限り速やかにこなして、患者の処置に移りたいのですが」

 

 

「んー、違うね。間違っているよ、長官代理。優先順位はそうじゃないんだ。君がまずやるべきことは他にある」

 

 

「他に、ですか……?」

 

 

「ああ、なによりも先にわだかまりは取り除いておかなければならないから。──ハワード軍医の件についてだ」

 

 

「ハワード軍医の? それなら先ほどまでに話していたこととなにが────」

 

 

「全然別の話さ。…………きちんと謝らなくちゃね」

 

 

「彼への謝罪なら、もちろん彼が目を覚まされたときにいたしましたが」

 

 

「いいや、”死んだ人たちに”だよ」

 

 

「────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────」

 

 

「考えないようにしていただけで、君もわかっているだろう? ハワード軍医のことなんか、そのまま八つ当たりじゃないか」

 

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 

 

    ”どのように控え室まで戻ったのかは

    記憶が曖昧。

    なぜなら意識的に外部の情報は

    シャットアウトしていたから。

    さもなければ────、”

 

 

 

「君にも僕にも負い目がある。だから今から一緒に行こう。無論、今だって死に瀕している兵士たちがそこらじゅうに転がっているのはわかっているさ。けれど、話を聞くに君の看護婦団メンバーはようやく十全に機能できるようになったんだろう? しばらくは彼女らに任せよう。さすがは君が選抜した人たちだ、よくやっているよ」

 

 

「            」

 

 

 

    ”さもなければ、

    きっと私は私でいられなくなる。”

 

 

 

「────これは僕たちの咎であり、負うべき責だ。目をそらしたければそらしてもいいし、逃げたければ逃げたっていい。怒りに我を忘れてあの男を殴りつけるまでは、君はそうしてギリギリ正気を保ってきたのだろう。ただし、目をそらし()()()ことはできないし、逃げ()()()こともできない。いつか向き合わないといけない。でないと、またどこかに歪みが生まれる」

 

 

 …そして、その向き合わなければならない時が今日のいまこれからなんだ。

 

 

 

 ────墓地に行こう。

 

 

 

 みんな、待ってるだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生者に向き合う前に、死者に謝罪を。

 

 

 

 

 







 誤字脱字、ここの文意がワケワカメ、展開に対する苦情等ありましたら、気軽にご連絡いただけますと幸いです(反映するかはこちら次第だがな!
 ハーメルンからでもTwitterからでも構いません。作品をよりよくするためにご協力のほどお願いいたします。



 大変嘆かわしいことに風呂敷が広がりすぎて、どう畳んだものかと頭を悩ませているポンコツ野郎がいるわけですが、そういった取捨選択の楽しみも執筆の醍醐味のひとつかしらと思ったり。
 なんて書いたら、待たせている身分で偉そうだと石が飛んできそうですね。でも、きっときのこウイルスにやられているであろう読者諸兄は1年や2年なぞナンノソノ、10年待ってからがホンバンダ……と構えてくれているはず(マホヨノツヅキガヨミタイナァ!!
いくら時間をかけてでも自分が好きなものをという心意気でおります。
 
 ――そうですねぇ、なんというのか。私がなぜssを書き始めたのかというお話をば。

 FGOはもちろん好きだけれど、なんかピントがずれているという感覚が私の中にはありまして。スマホゲームの中ではもしかしたら随一のシナリオで、たしかにぐっと読ませる部分があるのかもしれない。けれど、そこのインパクトはいまいち弱くて、引きずり込まれる気が全くしないのですね、FGOのシナリオは。繰り返しますが悪いわけじゃないのです。
 ただ、どうしても比較してしまうのですよね。
 PCの前に座って──セイバーに「愛している」と言われたとき、英霊エミヤの正体を知ったとき、士郎が今までの全てを翻して桜の味方になったとき。…本当に運命と出会ったと思った。あの日あのときに受けた衝撃が忘れられなくて、今までシナリオ厨をやってきたのに。もうあの体験をすることはないのかと思うと悲しくて悲しくて。今でもまだ諦めきれずに活字の海を泳いで渡っているのです。
 そして、そういう人ってけっこう多いと思うのですよね。特にわざわざこんな素人が書く二次創作にまで潜ってくる人って、それがデフォルトなんじゃないかと。だから、そういう人にはどうか最後まで見届けてもらいたい。そういう人にこそ、この物語は響くだろうと信じて書いてる。
 


 だって、
 ここにいる私は、そこにいるあなたで。
 そこにいるあなたは、ここにいる私なんだから。
 
 生まれや育ち、与えられた環境に違いはあれど、あの日あのとき『Fate/stay night』という作品に出会って、刻まれた病はたぶん一緒で。きっと一生治らない。



 少なくとも私は、こういうものが読みたかったんだと思うものを自分が納得するレベルで投稿しているつもりなので、最後まで読んでもらえたら「なるほど、お前はそこに行きたかったのか」と理解してもらえるはず(おそらく時間はかかるけれども、Twitterで他作品のこととか呟きまくるけれども





 どうか、今後ともジョン・スミスの願った夢の行方を見守っていただければ幸いです。




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