--これは、救えなかった物語。
--一人の少年の喪失の物語。
--そして終焉は唐突に。
「茜、この頃明を見ないんだが、一体どうなってる?大丈夫なのか?」
「あー、とーげつ君、明には近づかない方がいいよ?」
「何でさ。」
「...死ぬから。」
「は?いやいや、訳わかんないんですけど。」
「とーげつ君言ってたよね...心というものは力になり薬になり凶器になるって。」
「言ったな。まさか転化したのか?どうやって抑えつけてるんだよ。それに...
なんで明が転化するような状態まで追い込まれた。」
「それがわかればくろーしないよ...ね?」
「はぁ、ともかく、面会くらいさせてもらっても...」
「絶対ダメ。死ぬから。」
「何でそうなる...」
「現に、もう8人死んでるから。」
「おいおい...なおさら止めなきゃダメじゃん...」
「死にたいの!?ダメだよとーげつ君。絶対ダメ。」
「
「もちろん。もしかしたら...転化第二段階かもね。」
「第二段階...?」
「そう...もうここまで気配が...」
「ゾディアックセンターからかなり離れているというのにか...」
「諦めてとーげつ君。もう、これは処分するしかない。残念だけど、
明のことは忘れて。」
「それで俺がはいそうですかと言うと思うか?茜。」
「言ってくれなきゃ、とーげつ君を拘束しなきゃいけない。
あれは危険過ぎるの。待たせてる人がいるんでしょ。」
「じゃあどうすればいいんだよ...!」
「どうも出来ない。けど...さすがに不味いかも...サーペントの顕現も
不完全な以上、ゾディアックシリーズの全退避は仕方ないか。」
「だろうな...じゃ、俺は明のところへ...」
「人の話を聞きなさい、とーげつ君。」
「...首筋に刃物はアレでしょ、茜さん...?」
「これでとーげつ君は前に進めない。お願いだから死に急がないで。
自分というものは、何も自分だけでは出来ていないの。」
「いや、それは分かるから。それはともかくとして...せめてどれぐらい危険
なのかは教えてくれ。」
「どれぐらい、ね...ミミココハウルウサギコンバ添え並み?」
「7コス18点はエグい、って、そんな例え!?」
「もっと分かりやすくするならヒ素。」
「簡潔過ぎるだろ!そっから言え...って、ヒ素!?」
「まるでギャグだね、とーげつ君。シリアスなのに。」
「だな...って、なぁ、茜、ここって、こんなに暗かったっけ?」
「え?あ...終わった...」
「何がさ。」
「人生。」
「待て待て、それはあるま...ごふっ...!?」
「言わんこっちゃない...お腹貫かれてるよ、明の闇に。」
「そう言うお前も平気な顔してるけど気づいたら血だらけじゃねぇかよ...」
「あっはー。詰んじゃった。どーするとーげつ君。」
「遺言状を書きた、かったな...」
「だよねー、私も。...世界が終わる。」
「世界クラスなのこれ...」
「守護の逆は必殺だからね、無理ないよ。」
「最後の最後まで、お前って奴は...」
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「がはぁっ!?」
--夢オチであった。
なんだったんだろう、あの前ふりは。