【真説】安珍・清姫伝説   作:稲荷猫

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前話の前書きにも書きましたが、活動報告を載せました。よければ読んで頂けると嬉しいです。

あと今回もちょっと長い。





清姫は瞼を閉じる

 

 

 

現在、清姫を中心として周囲に散らばる人形たち。衣擦れの音も足音も聞こえない。不気味な人形たち。

 

しかし清姫は怯まない。

 

眼を逸らすことも、恐れを抱くこともない。

 

この場で殺されてしまえば、二度と愛する人に会えなくなってしまうかもしれない。ならば、そのような愛の妨害をする邪魔者たちなど打ち倒してしまえ。

 

滅してしまえ。

 

消してしまえ。

 

一切の容赦なく、慈悲など与えず、一方的に撃滅してしまえ。

 

心の、体の、魂の全てを満たす愛の名の元に。

 

全てはそれだけで肯定されるのだから。

 

「シャアアアアッ!!」

 

まずは一番近い人形の懐へ。

 

清姫は竜の力を得た半妖の能力を遺憾なく発揮する。

その際に口から漏れ出たのは、本能からの烈火の気合いか。同時に得物には炎が灯る。

 

肉薄すれば、瞬時に得物を振るう。

 

吹き飛ばすためではない。その場で人形が動けなくなるように棒術を繰り出す。

 

常人から見れば、清姫の得物を振るう腕がかき消えたように見えたことだろう。ここにいるのは不気味な人形たちだが、この物たちにも清姫の動きは追いきれなかったようだ。

 

いや、もしかすると目では追えていたのかもしれない。しかし、肉体がついてこなければ意味など皆無。

 

人形に肉などないが故に、この表現は滑稽であったか。

 

一瞬にして響いた大音響は五つ。

 

まずは頭から。

 

次は小刀を握る両手から。

 

次には両足。

 

頭を失い攻撃に気付いたのだろう。手に持つ小刀を振るおうとして、しかし両手は無くなっており。両手が無くなったと気付いた頃には、すでに両足が無くなっている。

 

攻撃の最中、周囲の人形たちが一斉に襲いかかってきた。勿論のこと、人形たち自身から発せられる筈の気配は感じない。音さえも聞き取れない。

 

ならば清姫はどうやって気付いたのか?

 

それは視線。

 

突然に声をかけられるまで、近づかれていたことにすら気付けなかった。それだけ気配を感じなかった。

 

しかし、清姫を見付けてからは少しだけ違った。視線を感じるのだ。邪悪さを内包して見詰めてくる視線を。見詰められるだけで背筋が震えそうになる、そんな視線を。

 

清姫はその時点で疑問をもった。

 

明らかに可笑しい。

 

愛が絡まなければ、安珍が絡まなければ、清姫の冷静さは失われぬ。その冷静さが見つけ出した。人形たちの抱える矛盾点。

 

人形たちは清姫に悟られることなく、ここまで辿り着いた。辿り着いた人形たちからは、衣擦れの音も足音も何もかもが聞こえない。

 

そうだ。

 

気配は察知できない。音も何もかもが聞こえない。

 

なのに、人形たちは何故喋った?

 

何故、人形たちの声は清姫まで届いた?

 

おかしくはないか?

 

人形たちから鳴る筈の音は周囲に聞こえないよう、まるでそう。全ての音が遮断されているようなのに、だ。

 

そして現れてからはずっと感じる、人形たちの視線。気配は隠蔽され、音は遮断されている。なのに何故、視線は感じる?

 

もしも気配を殺すことが可能なら、無音歩行術やそれに類することが可能なら、何故視線一つ隠せない?何故視線から伝わる悪意を隠せない?

 

だから考えた。

 

気配を殺しているわけではない。無音での行動を可能とする技を持っているわけでもない。何故ならば、最初からそうだったから。人形たちはまるで技術など感じられない、野生児のような動きだったではないか。

 

どの人形もそうだったのだ。今、周囲にいる人形たちもそうだ。見ただけで分かってしまう。近くに優れた武芸者()がいたため、それはより顕著に分かってしまった。体幹の置き方も、武器の握り方も、その扱い方も、全てに技などないということが。

 

故に、技術など欠片もない。この人形たちに気配を殺すなど不可能。無音行動をおこすなど不可能。けれど、実際に出来てしまっている。その矛盾。

 

そしてその中で、声は届き、視線は刺さる。

 

 

─────もしや、故意に誰かへ向けたものなら隠蔽することが出来なくなるのでは?

 

 

そんな仮定が生まれた。清姫にとっては十分にあり得る可能性だった。

 

そうでなかったなら別の手段を行使するまで。

 

結果として、それは正解だったようだ。

 

一体の人形を行動不能にまで追い込んだ清姫。その彼女へと殺到する人形たち。近付いてくる邪悪な意思は、視線となって清姫の肌へと突き刺さる。細かい行動を把握することは不可能だ。しかし彼我の距離を測ることなら十分に可能。

 

清姫は白炎の力を手元に溜めながら、人形が自身に迫るぎりぎりを見極める。

 

 

──────今!

 

 

多くの人形が肉薄してきた瞬間に、その身を高く中空へと舞い上げた。強い瞬発力で家屋の三倍の高さまで飛び上がり、視線を下に向ける。

 

手を人形たちに向けて翳したとき、ようやく清姫へと顔を向けて攻撃の兆しに気付いたようだ。しかし既に手遅れ。清姫は白炎の光矢を連続で撃ち放った。

 

連続して響く着弾音。

 

盛大に吹き上がる衝撃、突風、土煙。

 

そして、突然に。

 

周囲に人形たちが集まってきているがどうかを知るため、広げていた気配感知の網にナニかが引っ掛かった。

 

その中をとてつもない勢いで突っ切ってくるナニか。

 

気配感知の外側から勢いよく飛んでくるナニか。

 

視認出来たのは土煙の中から現れたときだった。それは大きな戦斧を振り上げた人形であった。

 

「くっ!」

 

咄嗟に白炎を纏った得物で防御はしたものの、その攻撃は防げるものでも受け流せるものでもない。

 

人形の大戦斧が恐ろしい勢いで振り下ろされる。手に持った得物に衝撃を感じたのは一瞬。少しも拮抗することなく叩き折られてしまった。むしろ何処にでもある木の棒で、よくぞここまでもったものだ。

 

人形の大戦斧を止まらない。

 

清姫の胴体目掛けて進み続ける。清姫が現在いるのは空中だ。身動きを取る術を持たない彼女では避けること叶わぬ。清姫自身も、回避がすでに不可能なのは分かっていた。

 

けれど、だからといって諦める理由にはならない。

 

足掻かぬわけにはいかない。

 

判断は一瞬。

 

折られたことを認識するよりも早く、得物がもう駄目だと直感した瞬間に手を離した。その離した両手が向けられるのは当然、人形に対してだ。

 

加減は度外視。

 

早く、強力な攻撃を。

 

その想いの元に放たれたのは、白炎の放射攻撃。なんの工夫もない。燃え盛る炎が指向性を持って進んでいくだけの攻撃。

 

その速攻攻撃は人形に着弾したことで、力を周囲にも発散させた。炎が辺り一帯へと燃え広がり、その爆風のごとき衝撃を周囲に伝えた。

 

そしてその中心部にいた清姫と人形は当たり前のごとく、反発する磁石のように吹き飛ばされる。

 

家屋を何棟も壊しながら飛んでいく清姫。ようやく体に連続して響いた痛みと衝撃が止まり目を開ける。すぐさま周囲の様子を探るため、意識を集中しようとして痛みを感じた。

 

いや、最初は熱さだった。しかし、竜としての特性により、熱に強い耐性を持つ清姫が先の爆風程度で傷を負うわけがない。

 

何故かと思い、熱が痛みに変わっていく箇所へ目を向ける。そこにあったのは大きな裂傷。技術などなく、勢いと力任せで叩き切ったかのような大傷。肩から腰にかけて、斜めに歪な傷が出来ていた。

 

止まることなく溢れる血。致命的にしか見えない傷だ。ここで生き残っても、一生残りそうな程に大きな裂け目。

 

女として生きる上で、心理的にも一生残りそうな傷を、あの人形は生み出してしまったのだ。

 

 

─────安珍様に会わせる顔がありません。

 

 

安珍のことは信じている。会って一日しか経っていなくとも。この愛は本物で、彼女の中ではすでに相思相愛だ。ならば清姫が一生残る傷を負っても、安珍がそれを理由に彼女を拒否するなどあり得ない。だから、思うのは別のこと。

 

安珍に一生を奉仕するための体に、安珍とこれから幾度も契りを結ぶこの体に、安珍のためだけに存在するこの体に、

 

「よくもよくもよくもっ!!!!人形風情が度を過ぎた真似を!!!!」

 

溢れ出るのは怒り。

 

かつて感じたことのない怒りがその身から溢れ、殺意となり人形たちへと突き刺さる。

 

半妖としての頑丈な体をもつ清姫は、初の大怪我に悲鳴を上げることもなく立ち上がる。その精神力は凄まじいものだ。

 

しかし、大きな怒りを抱こうと、その怒りで人形たちを叩き潰そうと思考しても、できたのはそこまでだった。

 

立ち上がったと同時に、周りに複数の着地音。その音の発生地点には人形たちが立っていた。

 

その人形たちからは気配を感じる。

 

つまりは新たに現れた人形たちということだ。

 

何故か?

 

ついそんな疑問が出てきてしまって仕方がないだろう。だが、そんなものは今考えている暇などない。清姫はこちらへ駆けてくる人形たちを見て、疑問を頭の片隅に捨て置いた。

 

現在、清姫は無手である。徒手空拳もある程度は修めているとはいえ、この状況はまずいだろう。

 

まず、先も述べた通り、清姫は無手である。対して、人形たちは様々な形状の武器を持っている。

 

更に、清姫の負った深い傷。半妖として、竜の力を得た者として、簡単に死んでしまうようなことはない。とはいえ戦闘に支障を来すのは明らか。

 

最後に、清姫と相対するのが複数の人形であることか。しかも、これからどんどん増えて行くことだろう。気配の感じられない個体を倒せたかどうかも確認が取れていない。逃げたとしてもこの傷だ。大きな消耗を強いられるのは想像に難くない。さっきまでと同じ速度で動けるのかすら怪しい。

 

なにより、これだけ近くに複数の敵の接近を許したのだ。人形たちが何に優れた個体かも分からぬ今、不用意に背中を見せるつもりは清姫には皆無。

 

結論、迎え撃つのみ。

 

得物がなくなってしまったため、自身の両手に白炎を灯す。その状態で構えをとれば迎撃準備は完了だ。

 

燃え上がった怒りの炎は両の手に。想いに呼応して轟々と燃え盛る。手の形は外部破壊のために握りしめ。清姫は鋭い殺気を敵に放った。

 

駆けてくる人形。複数から同時に攻撃を受けるわけにはいかない。一番近い個体へと接近し、その拳を振るった。

 

(これはっ!?)

 

清姫の拳はひらりと避けられてしまった。こんなことは、この夢の世界では始めてのことだった。故に驚いてしまった。

 

彼我の実力差は把握しているつもりだった。それも驚愕した要因か。

 

しかし、驚愕したことで身を固めてしまったのは頂けなかった。これも実戦経験がないための弊害だろう。

 

目の前の個体はまるで野生の猿か軽業師のような身軽さで、攻撃を避けた勢いのまま清姫へ蹴りを放った。清姫にとっては大したことのない攻撃だ。しかし、傷には響いた。痛みが増幅され、意図せず更に硬直してしまった。

 

そこへ更に周囲から人形たちが殺到する。

 

下半身の蛇身へと殺到し、何度も攻撃を加えるもの。一度や二度なら問題はないが、複数となれば話は別だ。それも、清姫に大怪我を負わせた大戦斧がいるとなれば。

 

攻撃を食らうことで分かったことだが、やつは力に特化した個体だ。蛇身の方が上半身より丈夫とはいえ、やつの攻撃を刃の部分で何度も行われれば、いくらなんでも負傷は避けられない。

 

そして、蛇身より脆い上半身にも殺到する人形たち。手に持つのはクナイや包丁、木刀や鍬なんてものまでいる。

 

───そして、動けぬ清姫へと連撃が叩き込まれた。

 

頭、腕、胴体、蛇身。

 

嬉々として凶器を振るう姿は子供のよう。なのに、そこに宿る邪悪さがどうしても子供とは思わせてくれない。まるで悪鬼を相手にしているかのようだった。

 

「ぐっ!うっ!」

 

絶えず与えられる攻撃は、大きな傷にはならない。しかし、確かに傷として清姫の体へと刻み込まれていく。さらにはその衝撃が体中の傷へと響き、清姫の動きを妨害する。

 

清姫は箱入り娘として育てられたがために、外へと出たことはあまりない。箱入り娘として育てられたがために、大きな危機にあったことがない。箱入り娘として育てられたがために、武術の指導も丁寧に優しくされたものだった。

 

この不気味な夢の中で孤軍奮闘できたことが、清姫の溢れる才能の証であった。恐ろしいほどの精神力の証であった。

 

しかし、徐々に徐々に限界は迫っていたのだ。

 

大きな傷を負わされたところから、それは顕著となった。立てたことが凄いのだ。その傷で敵に立ち向かったのが誇り高いのだ。奇跡などではない。清姫の確たる信念のもと起こされた行動だったのだ。

 

それが今、崩れ去ろうとしている。

 

痛みに耐性のない体は、清姫の精神力によって今なお支えられている。だがその疲労、心労は計り知れない。

 

いつ折れても可笑しくない。

 

だが、まだ折れていない。

 

「くっ!?っ!……はあっ!!!!」

 

攻撃が加え続けられ、感覚が麻痺してきたころ、清姫に少しの余裕が生まれた。その時を見計らい、全身から全力の炎を吹き出した。

 

全力全開。

 

手加減など一切無用。

 

その一撃は周囲の人形たちを燃やし尽くし、あるいは吹き飛ばした。

 

数は一気に減ったのだ。なのに喜ぶことはできない。出来よう筈もない。清姫はすでに満身創痍であった。その美しかった髪も、顔も、体も、衣服も。全て見る影もない程だ。

 

─────絶望は加速する。

 

新たに空から人形が現れたのだ。空の向こうから飛んでくるように現れたのだ。

 

それは清姫が知るよしもないこと。人形が人形を投げて寄越しているなどど、そのような知性があったのかと、想像もつかないのは仕様がない。

 

いや、人形たちからすれば、それもまた遊びの一環だったのだろう。それが遊び相手に絶望を突き付けるなどと知りもしないで。むしろ、人形たちの行動は必然であったか?そうだ、最初からその無邪気な邪悪さを発揮していたではないか。ならば、それは必然であったのだ。

 

満身創痍の清姫の周りに着地する複数の人形たち。

 

周囲には体を修復させている個体も見てとれる。直に戻ってくるのだろう。

 

『おー!あと少し!?』

 

『もうすぐ捕まえられそうだね!』

 

『うん!もうすぐだ!』

 

はしゃぐのは新たに降り立った個体たち。

 

(安珍様……!わたくしにお力を………っ!)

 

霞み始める視界の中。それでも清姫は諦めない。

 

安珍を信じているから。愛しているから。

 

襲いくる人形たちとの攻防は続く。

 

力を振り絞ることで白炎を灯し、人形たちを迎撃する。一体に攻撃を与えれば、ちがう方向から攻撃を受ける。負けじと攻撃を続ければ、またもや別の方向から攻撃を受ける。

 

清姫は気付いているだろうか。

 

着々と増え続ける、周囲の人形たちに。

 

もうすでに、数十の人形に囲まれていることに。

 

もう──────攻撃など出来ていないことに。

 

人形に清姫の拳があたった。

 

コツンッ………。

 

少しだけ、音が鳴った。固いものに骨が当たった音だった。清姫はそこで、力無く拳を下げてしまった。それに釣られるように、視界が地面へ落ちていく。体が地面へと落ちていく。

 

何か衝撃を受けたのは分かった。けれど清姫には、すでに地面に倒れているという自覚すらなかった。

 

どんどん瞼が重くなり、ぼんやりとしている視界が狭くなっていく。心の中でも、ぼんやりと思ったことがあった。

 

(安珍様……。また、会いた…かっ……た………。)

 

清姫はそこで瞳を閉じてしまった。

 

周囲には、勝鬨を上げる人形たちだけが残っている。

 

嬉しげにはしゃぐ人形たちは気付かない。

 

清姫から薄く漏れ出ている、黄金の光に。

 

魂の輝きに気付かない。

 

清姫の意識はすでにないというのに、意思を持っているように輝く黄金の光。

 

それは空間に溶けるように少しずつ、少しずつ、消えてゆく。

 

人形たちには気付けよう筈もない。

 

その黄金の輝きは魂から漏れ出ていることに。清姫に竜の力を与えた源だということに。切っても切れぬ縁を手繰り寄せていることに。

 

 

 

空間を越えて──────

 

 

──────────清姫と似た魂を呼び寄せようとしていることに。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

とある屋敷の一室に、一人の男がいた。

周囲には何らかの儀式を執り行うための道具たち。違うな、今、男は儀式を執り行っている最中なのだ。

 

男が作り出した、こことは別の空間。そこへと視界を移すための儀式。その空間へと迷いこんでしまった憐れな獲物と、獲物を追い詰める狩人たちを見定めるために。

 

今までも同じように、その空間へと迷いこんでしまった獲物たちがいた。その度に、この簡易的な儀式を行い、視界をあちらの空間へ飛ばした。

 

ある日は農民が迷いこんで来た。ある日は商人が、ある日は医者が、ある日は武芸者が。毎夜毎夜と迷いこんで来た。その者たちは、ほぼほぼ抵抗などすることが出来ずに惨殺されてしまった。

 

武芸者程度か。抵抗らしい抵抗ができたのは。

 

その武芸者も、延々と倒されては甦ってくる人形たちに、体力が尽きたところを殺されてしまった。

 

なんとも味気ない結末だったと、男は思う。

 

もっと試行がしたいのに、それに見合った獲物が中々現れない。

 

今宵迷いこんで来た者もそうだ。

 

可憐な姿だ。何処かの姫なのだろう。雰囲気はおろか、纏う衣服からして民草たちとは違う。

 

「また、つまらぬ夜となりそうだ。」

 

思わず男は呟いてしまった。しかしそれも仕様がない。今までがそうだったのだ。つまらぬ夜ばかりだったのだ。そこに現れた一人の可憐な姫。男からすれば期待など出来よう筈もない。

 

しかし、それは間違いだった。

 

「ほう……?これは……くくくっ、まっこと面白い!」

 

姫の奮闘具合を見ていくと、なんとも姫に似合わぬものばかり。その姿、内面、魂に至るまで。

 

「こいつはなんだ!?妖怪か?いや違うな。……あぁそうか、こいつは半妖か!いや、しかしこの魂は一体なんなのだ。半妖とは相反する魂だ。これではまるで……。」

 

いきなり驚いたかと思えば、突然ぶつぶつと呟き出す。男は常に愉しげな雰囲気を纏わせていた。

 

清姫の奮闘が佳境へ入れば、興奮も露に笑い出す。

 

「くっくっく、ふははははははははは!!!!なんとも良い夜だ!これまでと変わらぬ退屈な夜と思っておったが、全くもって快なり!!」

 

清姫が倒れたことを確認すれば、男はなにやら準備をし始めた。

 

「このような貴重な獲物、逃がすわけには行かんな。」

 

どうやら清姫確保のための準備であったらしい。

 

「今宵は我が標へ一歩近づくであろう。」

 

男は一つ宣言し、その術を行使した。

 

空間が避けるように縦に割れる。そこは奥など見透せぬ闇が広がっていた。男は臆することなく、闇へと堂々と踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 







ちょっと補足。
ポケモンで例えると、

清姫100レベル VS 人形10レベル

くらいの実力差があります。
ただし人形はだいもんじとか、ハイドロポンプとか、かみなりとか、強力な攻撃を無制限に放ってきます。その上、しっかりきっかり塵にしないと回復します。個体によっては攻撃力が高かったり、防御力が高かったり、素早さが高いです。
そして百体以上います。

清姫は回復技も道具も持っていません。始めて戦うトレーナーみたいに、どう技を使えばいいのか、どんな技が適切なのか、どんな戦略があるのか、ペース配分はどのようにするのか、全く知りません。探り探りやってます。つまり負けるのは必然でした。


ついでに書いておくと、ポケモンとfateのクロスオーバーを思い付きました。
題名は『サーヴァントマスターに俺なる!』

内容。
オーキド博士のところへレッド、グリーン、ブルーが訪れると、そこには3つのサーヴァントボールが用意されていた。中に入っているのは清姫、源頼光、静謐のハサン。誰かを選んで旅が始まる、愛と愛と愛のハートフルストーリー。
さぁみんな!この厄介者どもを連れて旅立つんじゃ!

みたいな。

因みに、ほぼギャクストーリーになる模様。




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