Fate/Last future of embryo 作:ビーストⅧ
やはり、クロスオーバーは難しい事をしみじみ感じる私であります。
数々の不安や心配がありますが、もし宜しければ今後ともよろしくお願いします。
「改めて、私はオルガマリー・アニムスフィア。カルデアの所長をしているわ」
オルガマリーは三人の自己紹介を聞いた後、自身も名乗り出る。
「さっきも聞いたがカルデアって事は星見に関係してるのか?」
『へぇ、鋭いな。確かにカルデアは星見を起源にしているよ』
此処でロマンが通信を繋ぐ。
「軟弱男っぽい声だな」
『うわ、辛辣だね!?
まあそれは置いといて、カルデアは星見を起源にしているけど、こっちのカルデアは少し違うんだ。簡単に言うと人類の未来を語る資料館という認識かな』
ロマンは十六夜の辛辣な物言いを軽くスルーしてカルデアについて簡単に補足する。
そもカルデアとは星見を指す言葉であり、その起源はカルデアの羊飼いの逸話などが存在する。
しかし、人理継続保障機関フィニス・カルデアは時計塔の天体科を牛耳るアニムスフィア家が管理する国連承認機関である。
「で、さっきいた骸骨面と槍の奴は英霊、サーヴァントってやつか」
「ええ、そうよ……って、貴方、サーヴァントなのにその手の情報全くないのね」
オルガマリーは素朴な疑問を口にした。
先程の反応、宝具への関心、どれを差し引いても一般的なサーヴァントとは違うのだ。
サーヴァントならば英霊の座にて、その手の情報を得られる筈なのだが、目の前の十六夜には、その類の知識を持っていない様に見受けられた。
「ああ、俺はお前らとは
だから、正規のサーヴァントという訳ではないと十六夜は告げる。
だが、その答えだけでは納得出来ない点が幾つか存在している。
「なら、貴方は抑止力に召喚されたという訳かしら」
「まあ、その認識で大体あってる」
この答えにオルガマリーは驚愕しながらも納得した。現状を正しく認識しきれていない彼女でも、此処が異常だという事くらいはわかる。人が死に、星が死にかけている現状ならば抑止力が動いていても不可思議には思わない。
だが、彼女の考えは的を射ているが、同時に満点という訳ではない。
大事な
「もう一つ聞きたいのは、骸骨面の右腕なんだが────」
「アレは宝具。英霊の残した功績、生前の逸話、物質化した奇跡。サーヴァントならば一つは所持している代物よ」
「つまり、ペルセウスでいうハデスの兜やカルナの神槍なんかもその一つか?」
「ええ、充分宝具足り得るでしょうね」
十六夜の脳内に二人の弄られ役が浮かぶ。
つまり、彼らも呼ばれる可能性もあるのだろうかと思考してしまう。そんな可能性は極小だと彼は切って捨てる。実際、自身の召喚は極めて
今はそんな場合ではないと気持ちを切り替え、彼女たちが切り出したいであろう本題へ踏み込んだ。
「で、お前らはこの特異点の人理を修復して、事態の収拾を図りたいって訳か」
オルガマリーは首を縦に振り、肯定する。
「ええ、その通り。で、此処からが私達の本題よ」
彼女は十六夜が敵になる可能性を視野に入れ、一言告げる。
「───出来ることなら、貴方に協力してもらいたいのよ」
そう、十六夜の協力を得る事が出来るなら特異点Fを修復できる可能性が高まる。何せ彼は英霊二体を相手取り、無傷で勝利しただけでなく、アサシンの宝具を無効化した奇蹟。並大抵の代物ではないだろう。
しかし、これは賭けだ。
交渉材料は無く、ただ一方的なお願い。
「───いいな、それ」
「───………は?」
だから、オルガマリーには十六夜の返答に驚愕した。
「HA? じゃねえよ。協力するって言ったんだよ。もっと喜べ所長様。ボサッとしてると胸揉んだりスカートの中に頭突っ込むぞ?」
「ちょっ、何考えてんのよ! 貴方馬鹿なの?!」
そう言って十六夜は既にスカートの裾を摘んでスカートの中を覗こうとしている。
それを慌てて振り払い、後ろに退くオルガマリー。
十六夜の言葉で先程までの緊張感や恐怖は払拭されてしまった。
彼はヤハハ、と愉快に笑う。
赤面しているオルガマリーにウサ耳の少女の姿が重なって見える。
「………本当なの?」
「ああ、本当でございますよ。それに最高じゃねえかよ。人類史を取り戻す戦いに過去の英傑に出会えるなんてイベント、
十六夜の言葉に若干の引っかかりを覚える一同。
しかし、────
「なあ、
それは誰に向けた言葉なのか。
虚空へと消えゆく言霊、彼が発した言葉の真意を、藤丸は即座に察した。特異点Fに於いて、言葉の通じる存在など一つしかない。
緊張が高まる中、十六夜は飄々とした態度を崩さず続ける。
「俺達はお前の御眼鏡に叶ったか?
アサシン、ランサーは倒したんだ。そろそろ出て来ても良いじゃねえかよ」
十六夜の言葉に反応して、彼は現れた。
倒壊したビル群の陰からルーン文字が浮き上がり、空間に炎が灯る。
炎の中より現れたのは杖を手にし、青いローブを羽織った長身の男。
見たまんま魔術師という風貌の男だった。
「ああ、悪いな。お前さん達の試金石にと観察していたんだがな……奴らじゃ当て馬にすらならなかったもんでな。流石の俺も度肝を抜かれたぜ」
青髪の魔術師はカラカラと快活に笑う。まるで心底痛快だったと言わんばかりに。
「で、値踏みは済んだか?」
「応とも。規格外も規格外。俺もランサーで召喚されていたのなら、存分に殺し合えたってのによ」
「ああ、そりゃあ惜しいな。あんたを
全くだ、と魔術師と十六夜は笑い合う。
初見とは思えない程、彼らは意気投合しているのをマシュと藤丸は感じていた。
「それはそうと聞きたい事があるんだが────」
「そうか。俺に聞きたい事があるならじゃんじゃん訊けよ」
尚も快活に笑う魔術師を前に、先程とは打って変わって十六夜は紫水晶の瞳はスッと薄め、真剣な面持ちで言葉を紡ぐ。
「──この現状について、あんたなら多少知ってんだろ?」
十六夜は単刀直入に、核心へと切り込んでいく。カルデアに協力すると決めたのだ、やるのなら徹底的に完膚なきまで完遂するのが彼のやり方だ。それに悠長なゲームメイクを彼は好まないのも一つの要因だ。
そして魔術師は、やはりそう来たかと笑う。
こういう流れを彼は待っていたのだ。この戦いを終わらせる為に彼は自身が知り得る全てを語る。
「ああ、語るとも。
今回の不安。
十六夜、オルガマリー、兄貴のキャラがぶれてないか、しっかり書けているのか。
それだけが本当に不安で仕方ないっすね……
次回の投稿はなるべく早くやっていきたいと思います