このヤマビコの姫も苦労していたんだな。
今まで溜まった感情が爆発したかのように泣いたヤマビコの姫は泣き止んだと思ったら今度は顔を赤くして白の後ろに隠れてる。
名前は館に帰る道の中で考えるとして、今はこの石灰石の山を館に持って帰ることを考えなきゃ。
「ねえ白。今あるリュックでこの石灰石持って帰れる?」
「少し無理だと思います」
「(そうだよね〜)」
目の前にある顎が掘ってくれて山のようになっている石灰石。せっかく顎が掘ってくれたものだからできるだけ全部持ち帰りたいんだけど、持ってきたリュックに納まりそうにない。
すると、ヤマビコの姫の肩に乗っていたヤマビコが肩から降りて、石灰石をひとつ取ると、それを砕いた。
「何ヲスルンダ! 我ガ子!」
ヤマビコの姫が止めようとするが、ヤマビコは石灰石を取っては砕くを繰り返していた。だが、今気付いた元々ガラスを作る過程の際、石灰石はドロドロに溶かすのだ。なら、初めから砕いておけば作業も楽になる。
「白! 顎! あのヤマビコと同じように石灰石を砕いて」
「かしこまりました」
ギリギリギリギリ
私の指示でヤマビコに続くように石灰石を砕き始める白と顎。
そして、石灰石を砕き続けて10分経った。
顎に掘ってもらった石灰石を全部粉々にしてリュックの中に詰め込んだ。
「この子のお陰でこの石灰石を全部持って帰れるよ。ありがとう」
「勿体無イ………オ言葉デス」
ウォォォォ
私がお礼を言うとヤマビコの姫は頭を下げて、ヤマビコは照れ臭そうに頬を掻く。
「じゃあ、睡樹たちの所に戻ろっか、ってあれ?」
砕いた石灰石をぎゅうぎゅうに詰めたリュックは重く、持ち上げようにも持ち上がらない。どうしようかと思ったら–––
「王、ソノ荷物ヲ貸シテクダサイ。持チマス」
ヤマビコの姫がリュックを持つと言った。
「(私だと持ち上げれないし)じゃあ、お願いね」
「ハイ」
リュックをヤマビコの姫が持つの確認して、私たちは採掘場の外で待つ睡樹たちの元へ移動を始めた。
SIDE睡樹
主………が採掘……場へ………向か………う時…………荷物を任せ……てくれた。土門、鳴風………崩と一緒………に山ウドを見………てる。
帰った………ら、この山…ウドで………主が料理作って……くれる。楽し………みだなぁ。
でも、石灰石を取り………に行くと言って………かなり経っ…た。
土門と鳴風………は静かに………主の行った方角………を見て待ってい……る。崩は………岩に化け……て、僕たちを隠して…る。
僕……………暗い所にい………た。白が………暗い所………から出して主……を教え………てくれた。初めて…見る……外は少し暗かった……けど、綺麗………だった。そのあと………主と……会った。
白は………お母さんみたいだ……ったけど、主は妹………みたいだっ……た。そば……にいると………ポカポカして、守りたく……なる。
早く帰……って来てよ………主。
「ただいま! みんな!」
主の声………だ!
「睡樹………わあっ」
SIDEOUT
長い坑道を抜けて、睡樹たちの待つ山道に着くと 、睡樹が私に飛びかかって来た。
どうやら私が居なくて寂しかったそうだ。今は白が以前と同じように正座させて、睡樹を説教している。
「崩、起きて」
ノォォォン
大きな欠伸をして、崩は岩の擬態を解いて起き上がる。
白も崩が起き上がると説教を辞めて、ヤマビコの姫を崩の上に乗せる。ヤマビコは鳴風の尻尾に捕まり、狐の魔化魍は鳴風の足に掴まってぶら下がってる。私は睡樹と共に崩の上に乗り。
「白、全員揃ってる?」
「はい。全員揃っています」
「じゃあ崩、館までお願いね」
ノォォォォォン
崩の声が武甲山の山道に響く。
如何でしたか?
次回は館の帰路であるものを見つけた主人公たちが色々やります。