人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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大変お待たせしました。
いやーーー眠眠をかなり残酷に書くのに手間取ってしまいました。

それでは、眠眠のスーパーKILLタイムをどうぞ!!


黒煙は血に染まる

SIDE眠眠

 古パイプの吸い口から飛び出す白煙は姿を変えて、自身を出してくれたものの前にあらわれる。

 

眠眠

【貴方は!】

 

 眠眠を古パイプから出してくれたのは、緑の長髪で椿の刺繍の入った黒の着物を着て、右手には大量の荷物を抱えて、左手には眠眠の身体の一部ともいう古パイプを持った緑だった。

 

眠眠

【緑さん】

 

「はい。所で何故こんな所に………それにランピリスさんは一緒じゃなかったんですか?」

 

眠眠

【そうだ。緑さん。今すぐに妖世館に戻れますか?】

 

「ええ。買い物は終わりましたので……何かありましたか?」

 

眠眠

【それは妖世館に行く道中です説明します。一刻も早く!!】

 

「分かりました」

 

 そう言って、緑さんは私の古パイプを裾に仕舞い、私も見えないように小さくなって、緑さんの服の襟元に隠れる。そして、緑さんに説明しながら妖世館に戻った。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE骸

 今日もいい天気だな。

 

 そんな事を思いながら、骸は妖世館の外で水晶頭蓋骨を磨いていた。

 基本的に骸は自分の武器にもなる頭蓋骨を磨く趣味を持ち、今は以前の詫びの品として貰った水晶で出来た頭蓋骨を磨いていた。この水晶頭蓋骨は太陽が照りつける程の天気のいい日にピカピカに磨くと、水晶独特の光で光り輝くのだ。

 

 その水晶頭蓋骨の輝きを見てからは、骸は太陽の出ている天気のいい日は外で水晶頭蓋骨を磨いている。

 

【おおーー! やっぱ、この頭蓋骨の輝きは堪んねえな】

 

 白骨化している尾で水晶頭蓋骨を器用に持ちながら、その輝きを見ていた。

 

【ーーーーーーーーーーー!!】

 

【何だ?】

 

 何かの声が聞こえて、辺りを見渡すも何も無く。骸は磨いた水晶頭蓋骨を仕舞い、別の水晶頭蓋骨を取り出すと–––

 

【むーーーくーーろーーー!!】

 

【んだよ。今、俺はこの水晶ずが】

 

 再び聞こえた声に返事を返そうとすると何かが、飛びつき骸を地面に叩きつける(水晶頭蓋骨は意地でも落とさないように尻尾で固定していた)。

 

眠眠

【骸!! ランピリスが!! ランピリスが!!】

 

【ああ? お前、眠眠。ってランピリスがどうしたって?】

 

眠眠

【ランピリスが拐われた!!】

 

【………ああ、分かった。俺は何を手伝えばいい?】

 

眠眠

【2人……呼んできて貰って宜しいでしょうか?】

 

【2人か………分かった。で、誰を呼べば良いんだ?】

 

眠眠

【それは…………】

 

 眠眠はその2人の名前を告げて、骸はそれを聞き、尻尾で落とさないようにしていた水晶頭蓋骨を仕舞い、そのまま妖世館に入って行った。

 因みに眠眠の一部である古パイプを持っていた緑は眠眠が骸と話している間に、眠眠の側の地面に置き、大量の荷物を抱えて妖世館に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【【成る程。理由は分かりました。しかし】】

 

睡樹

【何で…僕ら……なの?】

 

 眠眠が骸に呼んできた貰ったのはこの2人。

 そして、眠眠が2人を呼んだのにも理由がある。

 

 ランピリスを拐った人間達は古パイプの中にいたので分からない。だが、拐った人間達が狙っている者が何か分かった。

 妖世館に戻る前の現場に、ランピリス達を拐った犯人達が落としたのか数枚の写真とそれに挟まった紙を緑が拾い、それを眠眠に見せていた。その写真に写っていたのは幼い少年や少女の写真だった。

 

 これを見た眠眠はランピリスを拐った理由は不明だったが、どういう人間をターゲットにしているかは分かった。

 それは、子供だ。

 

 そして、それこそが睡樹と凍を呼んだ理由である。

 この2人の擬人態はどちらも写真に写っていた子供達の年齢に比較的に近い者達だ。

 睡樹は幼稚園から小学生の間にあるような幼さのあるその年相応な可愛さのある少女で、凍は外見的には幼いが、ピシッとした綺麗な姿勢をしていて美しさが目立つ和服姿の少女だ。

 他にもその外見に当てはまるものとして呼べるとしたら、鳴風や羅殴、飛火、唐傘、大尊、葉隠、波音、命樹、潜砂、乱風などとたくさん居るのだが、鳴風、羅殴、唐傘、命樹は今日は仕事をしている為、飛火と葉隠は日課の散歩に出ていて居ないことをあらかじめ知っていた為、大尊は眠眠自体もよく知らず頼んだとして応じてくれるか分からない為、波音はこの時間はひなと昼寝をしている為、潜砂は過保護なセコム(レイウルス)に何か言われる為、乱風は野間と買い物に出ている為という理由から用事もなく、特に大事なことをしていないだろうということで、この2人を眠眠は呼んできて貰った。

 

 そして、眠眠は2人に何をするかを説明して、行動を開始した。

 骸は2人を呼びに行った後に再び、趣味の水晶頭蓋骨磨きに戻った。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE眠眠

 まずは自分を古パイプの中に戻し、眠眠は睡樹と凍に擬人態を化けてもらい、ランピリスが拐われた場所をウロウロしていた。

 それから、数十分歩いてると–––

 

「嬢チャン達、来テモラオウカ」

 

 男が現れた、眠眠はランピリスが拐われた時に聞いた声ではないが、仲間であると確信し、古パイプの中からプルプルと動き、それを持っている睡樹に合図を送る。

 

 睡樹と凍は何も言わずに男について行き、車に乗り、男が助手席に乗り、運転席にいる男に指示を出して車は動き出す。

 

 

 

 

 

 

 そこから数時間移動して、何処かに着くと、睡樹たちを車から下ろそうと男が降りようとするが、睡樹は腕だけ擬人態を解いて、そのまま運転席と助手席にいる男達の頭目掛けてツタを突き出して、男達は何も発することなく、頭をツタで貫通されて死んだ。

 

 睡樹と凍は降りて、眠眠を古パイプから出す。すると、眠眠は目の前の建物を見て。

 

眠眠

【間違いない。ランピリスはここにいる】

 

 それを聞いた2人は眠眠を古パイプに戻して、2人は建物の中に入っていく。

 

 

 

 

 

 

 建物の中に入り、すぐ目の前にあった階段を登り、最初の部屋を見つける。

 睡樹は部屋に入ると。

 

「アアア、ダレダテメエ」

 

 子供を叩こうと手を挙げた男とそれを見ていた男がいた。それを見て、睡樹は古パイプを叩き、眠眠を呼び出す。古パイプから出てくる煙に男達は驚き、子供を壁に投げやって、懐からナイフを取り出す。

 

眠眠

【その子供に何をしようとした!!】

 

 変な生き物が突然、喋り、男達は固まる。

 眠眠を出した隙をついて、睡樹と凍はその姿を本来の姿に戻し、それぞれが動く。

 

「ごば!」

 

「ぎゃあ」

 

 眠眠と凍は一気に2人の男に近付き、何かをする前に手際よく仕留める。睡樹は子供の前に立ち、ツタを盾のようにして構えるも何もなく、そのまま後ろの子供に向けると。

 

「ひっ!!」

 

 子供は怯える。それは全く見たこのない生物が男達を殺す姿を見たら、自分も殺されると思うだろう。子供はそのまま後ろに後ずさる。

 睡樹もそれに合わせて進み、子供は壁にぶつかり動けなくなる。さらに睡樹が目の前に立ち、震える子供の目の位置までしゃがむと。

 

睡樹

【いい子…いい子……眠って】

 

 睡樹が子供の頭を撫でると、恐怖で泣いていた子供は安堵した表情で眠り、睡樹は自身のツタの一部を集めて千切、子供の上に掛ける。

 

【【今は、この子はここに居て貰いましょう】】

 

 そこからは眠眠と睡樹、凍の3人は部屋を1つずつ調べていき、男達がいたら眠眠と凍が殺し、子供がいたら睡樹が頭を撫でて眠らせ、ツタの布団を掛けていった。

 

 

 

 

 

 

 やがて、他の部屋より大きい部屋になり、眠眠たちはその部屋に入る。

 その部屋に入って眠眠が最初に目にしたのは、上半身が裸の男とスーツ姿の男達、そして………攫われる前の時より怪我が増え、体の一部が露出したランピリスの姿だった。

 

 それを見た眠眠は何かを呟くと、古パイプが宙を浮き、吸い口から多量の煙が噴き出ると、やがて身を包む煙が螺旋状に渦巻き、空気が重くなる。やがて、螺旋は勢いを増して、眠眠のツートンの身体が真っ白な毛で覆われ、その姿を現わす。

 白と黒のツートンの身体は真っ白な毛に変わり、その周りには無くなった黒の部分を表すような螺旋状に漂う黒煙となり、口には自身の一部である古パイプを咥えた獏がいた。

 寝ぼけた黒煙は今、所有者(マスター)である者を守る為に黒き煙を纏し鏖殺者となる。

 

眠眠

【よくも、僕の大切な所有者(マスター)を!!】

 

 眠眠はランピリスとその側にいた上半身裸の男を煙で引き寄せて、ランピリスを睡樹たちのいる所に優しく下ろし、男は首に黒煙を巻きつけて、目の前の男達の撃とうとする拳銃を防ぐ盾のように突き出す。

 男達は拳銃などを使って眠眠たちを撃つが、変異した眠眠は黒煙で銃弾を掴み、パラパラと地面に落とす。

 

「クソ!! バケモノメ!!」

 

 眠眠は捕まえた男の首を黒煙をさらに巻き付け、男の口の中に無理矢理、黒煙の一部をねじ込む。

 

「ぐがっ、があが」

 

眠眠

【さて、僕の所有者(マスター)を攫い、あまつさえ僕の好きな物を…………故に殺す! 惨たらしく殺す! 慈悲なんてない。今までのことを後悔する暇を与えない…………無惨に散れっ!!】

 

「んんん。んぐぐぐ、があ!!」

 

 眠眠の黒い煙はやがて男の身体を内側から突き破り、そのまま身体の周りに螺旋状に漂う黒煙に戻る。男達はその姿に恐怖し、銃を捨てて、己の身が可愛いのか逃げ始める。

 

眠眠

【睡樹……凍……ありがとう。2人はランピリスと子供達をお願いね】

 

 眠眠はランピリス達のことを頼み、自らは黒煙を刀身のように変えて、逃げる男達に迫る。

 

「「「ウワアアアア!!」」」

 

 眠眠の動きは男達よりも速く、男達の前に回り込み、刀身のような黒煙を男達の首に斬りつけ、男達の首は宙を舞った。

 

 首斬りを皮切りに眠眠の虐殺が始まった。

 逃げ惑う男に口からガスを吹き出し、男達に吹き付ける。

 

 突然、眠気に襲われた男達は動きが鈍くなり、思考が疎かになった。眠眠はゆっくりと男達に近付き、1人ずつ黒煙で包む。

 

 人体から鳴る様々な音とともに骨を砕き、目玉を抉り、筋繊維を剥ぎ、耳を削ぎ、臓物を引きずり出し、指を捻り取り、腕を細かく切り、皮膚を剥き、唇を削り、歯を抜き、悲鳴が響き、男の象徴を潰し、肉を少しずつ奪い、男達を1人また1人と肉塊に変えていった。

 

 肉塊と肉片に変えられた男は黒煙の中に消えて、眠眠はそのまま目に付く男達を殺していった。

 そして、その道中でランピリスを攫った張本人を眠眠は上記の者達よりも惨たらしく殺した。

 特に男の象徴と言える場所を少しずつ黒煙で削り、絶叫を上げて、気絶する度に眠眠が黒煙で殴り起こして、全身の骨をゆっくりと折っていき、最後は『殺してくれ』と懇願する男に、眠眠は黒煙を体内に突っ込み、そのまま臓物を引きずり出し、男は大量の血を吐きながら死んだ。

 そして、眠眠はその死体を喰べることなく放置した。

 

 ランピリスを攫った事でブチ切れた眠眠によって、男達の組織は壊滅した。




如何でしたでしょうか?
これが自分だと想像したらかなり怖いと思いながら書きました。

次回は、眠眠が子供達を◯◯するお話です。
お楽しみに!!

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