少しグロいと思います。
久々に自分の名前を言ったなと思いながら、目の前で拳銃を構えてる男たちを見る。
一人一人違う感情が顔に現れている。ある者は恐怖、ある者は驚愕、そして怒り、殺意、絶望など色んな感情を表した顔を見る。
そして、そんな顔をする男たちの後ろから来る家族に気付き、私は笑う。
「あははははは」
「何を笑ってる!!」
「はははは………いや、私のことよりオジサンは仲間の心配をした方がいいよ」
「何を「「「「うわああああ、か、頭あぁぁぁ」」」」なっ!!」
男が後ろを向くと穴に落ちていく仲間たちを見て、男は仲間の手を掴もうとするも手を掴めず仲間たちは穴に落ちる。顎の掘った二度と光を見ることの出来ない落とし穴の迷路に。
SIDE顎
俺の掘った穴に何人もの人間が落ちてくる。
王が館に戻ったらあの
それにこいつらは王を殺そうとした、だからただ喰べるだけじゃ済まない。王に手を出した事を後悔させて身体をグズグズに溶かしてから喰らってやる。
「なんだここは」
「穴に落ちたようだな」
「どうやって上に登る?」
ギリギ………ギ……リ…………ギ…
「なんか聞こえないか?」
ギリギリギ…ギリギ…ギ………ギリ
「なんの音だ?」
ギリギリギリギリギリギリギリギリ
俺は顎を鳴らしながら人間の一人に近付く。暗い土の迷路の所為か人間は足元が見えていない。まずは、動きを止める為に俺は男の脚を自慢の上顎で切り裂く。
「があああああああ!!」
「なんだ!!」
「おいどうした!!」
「あ…脚がああ!!」
脚を切った人間に集まる人間たちを見て、また顎を鳴らす。
ギリギリギリギリギリギリギリギリ
人間は拳銃という武器を出して、片脚が無い男を守るように固まる。
周りを見続ける人間は片脚の無い男を治療しようとするが、それは無駄だな。
「ギャアァァッァアアアアアア」
「おいどうした」
「脚が溶けていく」
俺が奴の脚を切ると同時にもう片方の脚に蟻酸を吐いた。これで一人は確実に動けない。
さて、どう料理してやろう。
SIDEOUT
SIDE黒服の男
「てめえええええ!!」
目の前のガキに対して、俺は怒りを感じていた。部下の何名かが穴の底に消え、少ししたら穴から悲鳴が聞こえた。
恐らく、ガキの周りにいる奴の仲間が穴を作り、部下を襲っているのだと。
ガキの近くにはハエトリ草の化け物と片言で喋る木こりの女がいた。そして、先ほどの急に燃えた現象と穴に落としたやつを考えると四体の化け物がガキを守っているようだ。
「(こいつらでこのガキと化け物の隙を突かせて、とっとと逃げねえと)」
男は自分の部下を囮にし、この場から逃げる事を考えていた。
実はこの人攫いグループのリーダーであるこの男は、何度もこういう手を使って、警察から逃げている。その度に新しい人間を集めては、ピンチの時には囮にして、そしてまた集めて、そんなことを繰り返していた。
だが、忘れてはいけない。ガキと言われた安倍 幽冥の家族は
「(さて、どうやって逃げるか)」
「頭どうしやしょ?」
「ああ、とにかくあいつらから逃げる事が優先だ」
「穴に落ちた奴らは!?」
「こんな化け物に襲われて助かるはずがねぇ。見捨てるしかねえ」
「クソ!!」
「とにかく1、2の3であいつらから逃げるぞ」
「分かりました」
「1……2の……3!!」
ダッと踵を返してガキの向きの反対に走る。
SIDEOUT
「1……2の……3!!」
あっ………逃げた。黒と睡樹が追いかけようとするが、私はそれ手で制して止める。
「王、追イカケナクテ良イノデスカ?」
シュルルゥゥゥ
黒と睡樹は質問してきた。
「大丈夫だよ黒、睡樹。あのオジサンたちは絶対に逃げられないよ」
その理由は–––
SIDE黒服の男
「(なんとか逃げられたが、次はどうやってこいつらを囮にするか)」
「頭、早く車に」
「そうで………」
何かが風を切り、部下の頭に突き刺さり、勢いよく地面に叩きつけられて首が捥げる。
「くそッ………がびゅぅ」
鳴風を撃とうとした男は鳴風の背中から降りてきた黒いのが首に指をめり込ませ、木こりの女と同じようにクルミのようなモノを取り出し、それを喰べる。
喉元を抉られた男は倒れると服から火が付き、一瞬にして死体は灰と化して、その灰の近くに尾が二つある赤い狐が現れ、灰を吸い込む。
「まだいやがったのかよ」
だが、男はチャンスが来たと思い車の置かれている場所まで走り去る。
「頭待ってく……ギャア」
後ろから部下の声が聞こえたが俺は自分の命が大事だ。まあ、お前らの分まで長生きしてやるよ。
「(良し、車だ!!)」
俺は急いで車に乗り込み、逃げるためにエンジンを掛ける。
SIDEOUT
黒と睡樹を連れて、鳴風とヤマビコ君と狐ちゃんのいる場所に来た。鳴風によって絞られた死体が二つと燃えた痕が幾つもあるから狐ちゃんがやったのだろう。
「自分で絞れるようになったんだね鳴風。えらいえらい」
ピィィィィィ
自分だけで絞れるようになった鳴風の頭を撫でてると、足元が急に盛り上がり。
足を退かすと盛り上がった所から顎が頭を出す。穴から身体を出すと全身に付いた土を振るい落とす。
ギリギリギリギリギリギリ
顎の顎は少し赤く染まっており、それは穴に落とした男たちを全て喰らった、あるいは始末したということだろう。
シュルルゥゥゥ
顎を見た睡樹が顎をツタの腕で抱えて、私と同じように頭を撫でる。すると、顎は眠った。
「あのオジサン一人で逃げるつもりみたいだけど、黒………あの車の通る場所、崩に教えてあげた?」
「ハイ」
「じゃあ 崩が戻って来たら、白たちを探しに行くよ」
「分カリマシタ」
SIDE黒服の男
追ってくる気配はないな。しかし、あの化け物が居なけりゃ、あのガキを捕まえられて金になったのに。
だが、また部下を集めなければ、そしてあのガキを捕まえて今度こそ–––
「ん? 何の………」
男は幸福だったろう、部下たちのように苦しみながら死んだわけでは無いのだから、だが他の者たちより惨く死んだ。
崩が車の上に落下し、その重さによって車体は潰れた。車の窓ガラスとランプは粉微塵に砕け、タイヤは破裂し、ボンネットは上向きに曲がり、車の中に居た男は、グシャグシャの肉の塊に変わった。
ノォォォォォン
崩が遠くに離れた王に向かって吠える。
それは、逃げた男を殺した報告のように聞こえた。吠えるのを辞め、そして、崩は車体から身体を退かし、中にある男だった肉塊を喰った。
如何でしたでしょう。
まあ、ただの人身売買グループに魔化魍の相手は無理でしょう。
結果、グループは壊滅。
次回は保護した女の子如何するかと料理会にしようと思います。