人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回は、魔化魍の王の一体が出てきます。
ひなの名字及び名前を漢字変更。
青木→立花。
ひな→雛。


記録拾壱

SIDE白

ノォォォォォン

 

 崩の声が聞こえたということは、この娘の母親を殺した奴ら喰らったのだろう。この娘を王の所に連れて行こうと思ったら。

 

「すうー」

 

グルルル

 

 土門と遊んで、疲れたのか土門を抱えて私の膝の上で眠ってしまった。つくづく私は王と関わって可笑しくなったと思う。

 今、私の膝の上で無防備に眠るこの娘を私の子供である鳴風や土門たちの餌にしたいと思わないのだ。少女が寝返りをしたのか、着物の胸元が少しはだけた。すると、着物の下にあったのかペンダントが出て来た。

 元に戻そうペンダントを持つと、ペンダントの先に付いてるものに気付く。

 

「こ、これは!!」

 

 驚いた。このペンダントの先に付いているのは、……いや、見間違いなのかも知れない。だけど、もしもこれがアレだとしたのなら、この娘は絶対に王に合わせなければならない。

 

「ここに居たんだねー白」

 

SIDEOUT

 

「ここに居たんだねー白」

 

 崩と合流して、やっと白たちを見つけた。

 

「お、王。ご無事で何よりです」

 

 白が少女を抱えて、私に頭を下げようとする。

 

「無理にしなくていいよ白、その娘が起きちゃうでしょ」

 

「はい」

 

「それにしても白、お母さんみたいだね」

 

「お、お母さんですか」

 

「うん。寝た時の顔が前に見た白そっくりだよ」

 

「そ、そうですか////」

 

 少し白の顔が赤い、照れているようだ。

 

「それで、この娘は如何するのですか王?」

 

「それはこの娘次第だよ」

 

「そうですか」

 

 今度は、落ち込んでいる。

 

「ん………うん、ママ?」

 

 そうしてると、白が抱えていた少女が目を覚ます。

 

「起きたんですね」

 

「お姉ちゃん、誰?」

 

「私は安倍 幽冥、あなたを抱えてるお姉ちゃんの家族だよ」

 

「そうなのお姉ちゃん?」

 

「そうよ雛」

 

「雛って言うんだ」

 

「うん。わたし、たちばなひな」

 

「えらいえらい、ちゃんと自己紹介できるのね」

 

 私より年下なのにしっかりしてるな〜。うん………この娘の持っているペンダント、何だろう懐かしく見えるのは何でだろう。

 すると、ペンダントが青く光り始めた。

 

「これは………うっ!!」

 

「如何シタンデスカ王!!」

 

 黒が私に近付き、心配しているようだが、頭が………

 

「ああああああ!!!」

 

SIDE雛

 お姉ちゃんのかぞくのお姉ちゃんがわたしのペンダントをみてたらたおれた。

 まただ、またいなくなっちゃうのかな。パパのように–––

 

「あっ」

 

 あたまをおさえてたお姉ちゃんがきゅうにわたしをだきしめてくれた。ビックリしたけどあたたかくて、なんかあんしんする。

 

SIDEOUT

 

 ここは何処だろう。あのペンダントを見て、頭にとてつもない痛みがきて、気付けば白い空間にいた。

 

(ぬし)が今の王なんかぁ」

 

 声が聞こえて、後ろを振り向くと、女性の鬼がいた。

 だが、音撃戦士のような感じがしない、どちらかと言うと妖怪いや、魔化魍の鬼だ。

 長くて綺麗な白髪に赤紫色の和服、妖艶な雰囲気を醸し出す肢体、男を誘惑するかのようにある巨大な胸、前頭部から生える細く長い二本の角、そして、額には私の右腕にあるのと同じ、青い龍の痣。

 おそらくだが、この魔化魍は–––

 

「そぉ。ウチが(ぬし)の前の魔化魍の王やっとったシュテンドウジや」

 

 しかし他の魔化魍の王って、人間に似た姿をしているのかな?

 

「別に魔化魍の王は人に近い姿してるのだけじゃないからなぁ」

 

 そうなんですか?

 

「そうやぁ。最初の魔化魍の王 オオマガドキはんやイツマデンはん、ダイダラボッチはん、イヌガミはん、キンマモンはんなどの王は人の姿ではなかったなぁ」

 

 王って、そんなにいるんですか?

 

「ウチを含めて八体はおるなぁ」

 

 八体も!?

 

「そうやぁ」

 

 それでここは何処なんですか?

 

「ここはなぁ、ウチの意識が封じられてる魔化水晶の中や、急に頭が痛くなったやろ」

 

 そうだ、あの娘のペンダントを見たら、頭が急に痛くなって………

 

「そう。あれなぁ、魔化水晶によって起きた、一時的なものや」

 

 そういえば、聞きたかったのですが。

 

「何や?」

 

 『魔化水晶』って何ですか?

 

「………………ほんまに知らんの?」

 

 はい。まったく何のことか分からないんです。

 

「………………そか、じゃあまず魔化水晶のことを説明しよかぁ」

 

 お願いします。

 こうして、私はシュテンドウジさんに魔化水晶について教えてもらった。

 

SIDE白

 王が雛を抱きしめて、その後、倒れた。

 黒に雛を任せて、急いで館に戻るよう崩に命じ、王を抱えた私と雛を抱えてる黒、睡樹、ヤマビコが乗るの確認した崩は館に向けて、全速力で走り出した。

 武甲山に行く時とは段違いな速さで館に着いた。

 すぐさま王を背中に移して、王の部屋の移動する。黒も一緒に雛を連れて、部屋に向かう。

 部屋に到着し、王をベッドに寝かせ。睡樹が持ってきたタオルを王の額にのせる。

 

 そして、王が倒れてから3日経った。

 あれから私は寝ずに王の看病をしている。王にのせたタオルを冷やして再びのせるを繰り返してる。

 

「………タオルを変えなきゃ」

 

 土門と顎が持ってきたタライの水に入れてタオルを冷やし、再び額にのせる。すると、扉からノックの音が鳴る。

 

「どうぞ」

 

 入ってきたのは、木こりの姿から木こりのベストを羽織った黒のメイド服に変えた黒と雛、土門、睡樹だった。

 

「少シ休メ、白」

 

グルルゥ  シュルルゥゥゥ

 

 心配そうに言う黒と土門、睡樹。

 

「いいえ、もう少しさせてください」

 

「オ前ヲ心配シテイルノハ、私ダケデハナイ」 

 

 私の服を誰かが引っ張っているので、後ろを向くと雛がいた。

 

「お姉ちゃん、おねがい休んで」

 

 目を潤ませ、私を見る雛に少しグッときてしまうが、だけど–––

 

「ここ………は?」

 

 今の声は!!

 

「王?」

 

「白?」

 

「王ウウウー!!」

 

 睡樹ではないが、私は目から涙を流しながら王に向かって飛びついてしまった。

 

「は、白……く……苦しい……」 

 

「あっ!! も、申し訳ございません王」

 

SIDEOUT

 

 シュテンドウジさんに『魔化水晶』について教えてもらった。

 シュテンドウジさん曰く、魔化水晶は初代魔化魍の王 オオマガドキの持っていた秘宝のようなもので、覇鬼という鬼に砕かれてからは、オオマガドキと戦った覇鬼を含めての八人の鬼が代々守っているそうだ。

 

「にしても、あの小娘何者なんやろなぁ?」

 

 どう言うことですか?

 

「いやなぁ、さっきも言ったから分かっとると思うけどなぁ、魔化水晶は八人の鬼が守ってるって言ったやろ」

 

 あっ!!

 

(ぬし)にも言っとったように、魔化水晶は憎たらしい鬼たちに守られてるはずなんやぁ、なのに、ひとつはあの小娘は持っとた。つまりぃ、あの小娘は八人の鬼の子孫ってことやろなぁ」

 

 確かにそれなら魔化水晶を持っていた理由も分かる。しかし、なぜ魔化魍の存在を知らないのだ、何か理……由が………

 

 あれ、だんだん暗く………

 

「時間切れみたいやなぁ、他の魔化水晶見たら同じことが起きるかもな、まあそん時まで、ほな、さいなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 う、ううん。

 

「ここ………は?」

 

 目が覚めて、見た景色は雛ちゃんと会った森ではなく、館の中にある私の部屋だった。

 

「王?」

 

「白?」

 

 少し、顔色が悪そうな感じだけど。

 

「王ウウウー!!」

 

 白が涙を流しながら、私に飛びついた。腕を背中に回して、白の大きい胸が私の顔に当たる。って–––

 

「は、白……く……苦しい……」 

 

 前世の親友が羨むかもしれないけど、胸の柔らかさで顔が埋もれて息苦しい。

 

「あっ!! ………も、申し訳ございません王」

 

 私から離れた白は頭を下げる。

 

「どれくらい寝てたの?」

 

「3日くらいねてたよお姉ちゃん」

 

「3日!!」

 

 シュテンドウジさん話を聞いてたのは、そこまで長くなかったけど、そんなに経ってたんだ。

 でも、館の修理が終わった後は、何をするかは決まった。

 八人の鬼を倒し、魔化水晶を完成させる。そして、完全な魔化魍の王になる。




料理の回は次回になりました。
すいませんでした。次回も楽しみにしていてください。
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