人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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山ウド料理を作る幽冥の話です。
ほのぼのでラストに鬼を襲う魔化魍達を書きます。


記録拾弐

 白たちにペンダントを見た後に何があったと聞かれ、ペンダントの中にいたシュテンドウジさんから魔化水晶の話を聞いていたと答えたら、白は顔を蒼褪め、黒は気絶、ひなちゃんはよく分からないという感じで頭を傾げる。

 

「シュテンドウジって誰なの幽冥お姉ちゃん」

 

「私の前の王様かな」

 

「王様!!」 

 

 すごい、ひなちゃんの目が星みたいに輝いてるように見える。

 今言っていることで分かるが、ひなちゃんはここで暮らすことになった。

 ひなちゃん本人がここで暮らしたいと言ったからだ、そして、ヤマビコは羅殴、キツネの魔化魍は飛火と名前を上げて嬉しそうに土門たちと遊んでいた。窓ガラスは黒が作り方を知っていたらしく、私が寝ている間に作り、館に付けたようだ。

 そして、3日経っちゃったけど、これでようやく山ウドの料理をみんなにご馳走できる。山ウドは新鮮なうちが良いと言った私の言葉を覚えていた睡樹が山ウドを地面に植えて、自分の栄養を一部だけ山ウドに与えていたらしく、新鮮な状態で料理が出来る。

 私は睡樹に山ウドを取ってもらい、一階の端の方にあったキッチンで料理を始めた。

 

SIDE睡樹

 主が………倒れ…た……って、白と黒が………言ってい……た。

 それから……ずっと白が付き………添って、主の………面…倒見て………いた。

 僕、思っ……た、主は……僕らを…置い…………てったりし……ない、きっと戻……ってくる…って、魔化魍の王………だったダイダラボッチ……様に主を起…こしてと………願った。

 

 それ………を3日間していた……ら、鳴風……から主が目………を覚ま…したと……言った、だから、主の部屋に………まで言ったら、白が…主に抱き……ついて…………いた。

 本当……なら、僕も主……に抱き…つきたい……けど、白は主……のことすごい…心配して…………たから、今回…は抱き……つかない。

 

 そして、白たちが……何が…あったか………と聞かれ…て、主………の言った名前………にビックリ…した。

 シュテンドウジ………様、主の前の……魔化魍………の王。

 主が3日……眠ってい………た理由…らしい。

 

 起きた主は……名前あげ ……てない2匹…に羅殴と…飛火と……名前あ……げて。

 ひなが家族に………なった……ことをみんな…に言った。

 

 僕は…嬉しい、ひな………は僕によく水を……くれる。

 主は館の…完成……祝いに、山ウドの……料理を振舞っ…………てあげると…言い、僕に預けた………山ウドを渡し……てと言い、山ウドを………地面…から抜いて……主に渡した。

 

 キッチン……に着き、僕の……渡した山ウド…を主が…………料理し始めた、僕……は料理につい…て詳しくない………けど、ただ一言で…言うなら………すごい。

 山ウドをどんどん……と料理して、次々と……新しい…料理が出来て………いく。

 

「睡樹、白と黒を呼んで来てくれる」

 

シュルルゥゥゥ(分かった)

 

 もう少し、主の……作って…いるのを見たい………けど、仕方……がないの…で白と黒…………を呼びに僕は……キッチンを…離れる。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE黒

 シカシ、王ガ眠ッテイタ理由ガ、シュテンドウジ様ガ原因ダッタトハ、オ会イシタコトハ無イガ、聞イタ噂ニヨル数十人以上ノ鬼ヲ相手ニ無傷デ勝利シタト言ワレテル実力者ダッタガ、酒ガ大好物デ、ソノ弱点ヲ突カレ討伐サレタト言ワレテル。

 

「こら黒、手が止まっているぞ」

 

 アア、ソウダッタ。今、ひなノ服ヲ洗ッテイルンダッタ。

 

「鳴風コレヲ」

 

ピィィィィ

 

 ひなノ服ノ1ツヲ鳴風ニ渡スト。

 

ピィィィィ

 

 鳴風ガひなノ服ヲ尻尾デ締メ付ケルト、服ノ水分ガ尻尾カラ垂レテ、服ガカラカラニ乾ク。

 

シュルルゥゥゥ

 

「王ガ呼ンデイルンヨウダゾ白」

 

「え、王が! すぐに行きますよ黒」

 

「ハ、白、手ヲ引ッ張ラナイデェェェェェェェェ」

 

SIDEOUT

 

「刺身に酢の物、和え物、味噌煮、天ぷら準備良し」

 

 久々にいっぱい作ったと思うな。

 

「王よこの匂いは」 

 

「良イ匂イ」 

 

 2人共少しよだれが垂れている。だが、こんな反応するという事は他の子たちも大丈夫そうだね。

 

「白、黒来たね、料理を運ぶの手伝って欲しいの」

 

「分かりました」

 

 白と黒と共に、料理を館の外に置いた、テーブルに持って行く。

 館の扉近くまで行くと、睡樹が扉の側に立っており、私を見ると一礼し、扉を開ける。

 外には、ひなちゃんと土門、鳴風、顎、崩、羅殴、飛火がテーブルで待っていた。

 

「ご飯だー!!」

 

ウォォォォォ

 

 ひなちゃんと羅殴はお腹が空いてるようで、待ちきれないようだ。

 

グルルルル 

ノォォォォン 

 

 土門と崩はよだれが少し垂らしている。

 

「みんなお待たせ」

 

 私と白と黒が持って来た、山ウド料理をテーブルに置く。

 すると睡樹がコップを持って来ていた。1つを私に、もう1つをひなちゃんに渡し、コップに水を注ぐ。

 

「ありがとう睡樹」

 

「ありがとー」

 

シュルルゥゥゥ

 

「じゃあみんな、私の事を心配してくれてありがとう。では、みんな思う存分に食べて」

 

「いただきまーす」

 

「いただきます」

 

「イタダキマス」

 

グルルルルゥゥゥ  ピィィィィィィ

ギリギリギリギリギリギリ  ノォォォォォン

シュルルゥゥゥ  ウォォォォォォォ  コォォォォォン

 

 私の言葉を聞き、みんな自分の食べたいものに手や足を伸ばす。

 

「お、美味しいー」

 

「ウマイ」

 

「王よ、これは何という料理ですか?」

 

「白が食べてるのは、山ウドの酢の物だね」

 

 ひなちゃんと白、黒は気に入ってくれたみたいだ。他の子たちは・・・

 

グルルルル  ギリギリギリギリ

 

 土門と顎が天ぷらを取り合っていて。

 

「こらこら喧嘩しないの」

 

ウォォォ  コォォォン

 

 羅殴が小皿に和え物を移して、飛火と食べていた。

 

「行儀が良いね羅殴」

 

ピィィィィィィ  シュルルゥゥゥ

 

 睡樹は鳴風に箸で刺身を食べさせていた。睡樹って器用なんだね。

 

ノォォォォォン

 

 崩は味噌煮が気に入ったらしく、お代わりを求めてる。

 

「ちょっと待っててね、崩」

 

 そんな感じで食事は深夜まで続いた。

 誰かのために作る料理って、楽しんだね。機会があったら別の料理を作ってあげようかな。

 

SIDE◯◯

 山の暗い森の中をフラフラと歩く1人の男がいた。

 彼の身体はあらゆる所に切り傷があり、特に右腕は念入りかの如く、骨が見える程に切り刻まれていた。そして、左手にはボロボロになった変身音叉を持っていた。

 

「クソ!! 何なんだあの魔化魍!!」

 

 男は猛士からの指令で山奥に潜む魔化魍の討伐を命じられ、数人の鬼と共に山に入った。楽勝だろうと言って山に入って行った。

 だが結果は、今まで見たことのない魔化魍達の手により男を残して、他の鬼は全て殺された。

 決死の思いで、逃げるも–––

 

【弱すぎですね】

 

【最近の鬼は弱すぎるぜ】

 

【そんな事はどうでも良い、王の為に強くならなければ】

 

【そう。王の為にね】

 

「ひっいいい」

 

 男は謎の声が耳に入り、その場で腰を抜かす。

 

【無様な鬼、喰らう気にもなれん】

 

【では、私がいただきます】

 

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

 後日、猛士は行方不明になった鬼を探す為に、森に入った。

 そこには、身体中食い散らかされた男や他の鬼の死体があった。




如何でしたでしょう。
彼らの存在はそのうち書きます。
次はシュテンドウジに言われた魔化水晶を集める為に魔化魍一家を成長させる所を書こうともいます。

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