人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

149 / 176
こんばんは。
今回のお話はヨスズメとチントウに連れられた五位たちとある魔化魍のお話です。


私事ですがシン・ウルトラマン観てきました。


記録百伍

SIDE五位

 幽冥たちが家から消えた五位たちの捜索を始めた同時刻。

 ヨスズメとチントウという名の魔化魍に案内されて着いたのは、王の住まいである妖世館に似た洋館だ。

 しかし、最近リフォームに近いことをした妖世館と比べればこっちは所々、破損しておりそれが相まってお化け屋敷といってもいい雰囲気がある。まあ、魔化魍はお化けみたいな存在だから気にすることも無いだろう。

 

 ヨスズメとチントウは擬人態の術で姿を変えて、館の少しガタついた扉を開く。

 素の姿だと館に、というより扉を通れないので人型に近い拳牙、命樹、跳、単凍と常に自身に縮小の術を掛けている大尊を除いて、五位たちは擬人態の術を掛け、人の姿になって中に入っていく。

 

 館の中は外から見た外見通り荒れている。だが、逆にそれが良いのだろう。

 外は荒れているのに中が綺麗だったら間違いなく誰か住んでいると気付く、そこを怪しまれたらおしまいだ。それにこういう荒れた建物には昔でも今でも怖いもの見たさに入ってこようとするバカ(人間)はいる。

 此処の魔化魍の獲物はまさにそういう人間だろうが、いきなり全員消えては猛士に怪しまれて気付かれる。

 おそらくは術か能力で人間を操って何もせずに返し、その人間の中で消えても問題ない人間を何人も連れて来て餌としているのだろう。

 

 そうやって考えながら歩いてるとヨスズメたちは急に立ち止まり、何も無い壁の方に身体を向ける。

 

「着きました」

 

「ヨスズメ。着いたって、此処には何も…………ああ、そういうことか」

 

「ええ。アオサギビなら直ぐに気付くと思ってました」

 

【どういうことでやすか?】

 

「ヨスズメの笛には幻覚を見せる効果があってな。まあ、言うよりも実際見てもらった方が早いだろう」

 

 俺がそう言うとヨスズメは笛を取り出し、そのまま笛を吹き始める。

 昔は本来の姿に戻ってからじゃないと笛を上手く吹けなかったのに、今では人間の姿で笛を吹いている。ヨスズメの長い年月の末の成長の成果を見た気持ちで俺は嬉しく思う。

 そんな幻想的な笛の音を聞いてると、やがて壁の周りが歪み始めて、そこに大きな扉が現れる。

 

「この先に俺らの主人がいる」

 

「では、開けます」

 

 ヨスズメとチントウのふたりが開けた扉の先は洋館という印象をぶち壊す和風な大部屋だ。

 所々に宙に浮く蝋燭があり、壁には水墨画の猫、雀、蟷螂、山椒魚、幼虫、蠍、鷲、仔牛、女、猪、蟹などの様々な生物が描かれている。

 

【ようこそ!! ニャンたちの『鳥獣蟲同盟』へニャ!】

 

 声のする方に向くとに座布団の上に座る魔化魍といつの間にか移動してるヨスズメとチントウとその周りに佇む複数の魔化魍と女の子だ。

 彼らこそ、中部地方の鬼たちを相手に力を持たぬ魔化魍を助ける鳥、獣、蟲系の魔化魍で構成された『鳥獣蟲同盟』の魔化魍たちだ。

 そして、声の主である魔化魍の姿はほとんど人間の女性に近いだろう、老若男女を魅了するような艶めかしい雰囲気を持った顔で、赤と白の着物を纏い、左手に稲穂を持ち、首にはよく飼い猫などに見られるような鈴の付いた首輪を着けている。

 だがそれ以外の特徴が女性を魔化魍だと示している。元が三毛柄のバケネコだったと証明するように頭頂部に猫耳、着物から空いた穴から飛び出てる少し長い尻尾を生やし、両手両足は人間の四肢を模した猫のような四肢だ。

 

【初めましてだニャ。王である家族の皆様。ニャンは『鳥獣蟲同盟』の長 ネコショウだニャ】

 

五位

【初めましてネコショウ。俺はアオサギビの五位】

 

 本来の姿に戻っても問題なさそうな広さの部屋だから術を解いて、本来の姿に戻る。

 

【おお。お前がヨスズメの言っていたアオサギビだったかニャ】

 

五位

【知ってるのか】

 

【知ってるもニャにも、いつもヨスズメ【嗚呼あああ、ネコショウさん】が…………なんで止めるニャ】

 

【そのことはアオサギビには黙っておいてください!!】

 

【ニャ〜。つまんないニャ。

 まあ、このことは後でお前に教えてやるニャ。じゃあ、ニャン以外の紹介ニャ】

 

 ネコショウがぱんぱんと手を叩くと、佇んでいる中から1体の魔化魍が前に出る。

 

【ヨスズメとチントウ助けて頂き、ありがとうございます。

 『鳥獣蟲同盟』のシュチュウです】

 

 お礼と自己紹介を言うのは、背中に苔のようなもの生やし、全身が半透明な身体の小さな山椒魚の魔化魍 シュチュウ。

 

【オラも礼が言いてえ。こいつら助けてくれて有難うな。オラはタンコロリンだ】

 

 そう話すのは、背甲に柿と栗を生やして苔に覆われた左鋏を持った蟹の魔化魍 タンコロリンだ。

 

昇布

【いや、俺は何もしていない。やったのは全部五位たちだ】

 

【だがあんたたちのおかげでヨスズメたちは助かり過激派の鬼をひとり消せたんだ。これで死んだ魔化魍たちの魂が安らぐことを願うものだ】

 

 タンコロリンは鋏を鳴らしながら先程のこと嬉しそうに言い、天井を見上げて何処か遠いところを見ていた。

 つられて一緒に天井を見上げそうだった跳は壁を見て疑問を覚える。

 

【………気になったんでやすが、あの絵はなんでやすか?】

 

 跳の視線の先にある壁には別の色で描かれた蜘蛛、蟻、蟹、犬、猫といった5つの赤い水墨画とお供えのように花が絵の下に飾られてる。

 水墨画の壁もよく見れば黒く塗り潰されたのが5つある。

 

【…………あの絵は、その「その絵は中部の鬼と戦い亡くなってしまった同志の絵です」っ!!】

 

 答えにくそうなシュチュウに変わって答えたのは今だに魔化魍の姿を晒していない少女だ。

 

【ヒダルガミ、別に話さなくても】

 

「こう言うのはちゃんと伝えておかないと後で怖いから。

 それに知られたところで問題はないはずだよ」

 

 そして、少女は絵を指差しながら絵の魔化魍を教える。

 

「蜘蛛はジョロウグモ。いつも周りを気遣って自分のことを二の次にしていたお人好し」

 

 蜘蛛の絵を指すと種族名とどんな性格だったのかを言い、次の絵に指を指す。

 

「蟻はオンボノヤス。周りを楽しませるムードメーカーでお調子者」

 

「蟹はバケガニ。タンコロリンの自称部下、で負けず嫌い」

 

「犬はオクリイヌ。ドすけべで……変態だったけど、誰よりも、な、仲間思いの熱い心の持ち、主」

 

「……猫は、バケネコ。………私の、友達で……すっ、鬼、ずっ……から、私を庇って、それで、ぐぅ、ひう」

 

 絵の魔化魍を紹介していくたびに少女の声は嗚咽混じりになっていき、その姿を見て質問するべきではなかったと跳は後悔する。

 

拳牙

【え、っとお嬢さんも魔化魍なんだよね?】

 

 嗚咽混じりに泣く少女に聞くことではないだろ場の空気も読まずにいう拳牙に拳牙以外の幽冥の魔化魍たちは思った。

 

大尊

【ハアーーーなに雰囲気ブチ壊して質問するの。

 そして、なに当たり前のことを聞いてるの】

 

 そんな的外れな質問をする相棒に溜め息を吐きながら大尊は冷たく答える。だが–––

 

拳牙

【だって気にならないの大尊は?】

 

大尊

【だーかーらー!!

 それは今聞くことのなのかって言ってるの!! このバカ!!】

 

拳牙

【っ! バカとは何ですか! バカとは、せめてなら武術バカって言ってください!!】

 

大尊

【そういうところがバカって言ってる!!】

 

「ぷっ、ふ、ふふ、あははははは」

 

 少女は漫才のようなやり取りをするふたりに笑う。

 そして、その顔には暗さはなく少女らしい笑顔に戻っていた。

 

「ははは、ふふ、ありがとうございます。少し落ち着きました。

 それに、そう聞きたくなるのは無理もありません。何故なら私は、人間でもあり、魔化魍でもあるからな

 

五位たち

【【【【!?】】】】

 

 しゃべる少女の顔半分が突然ピンク色の肉のようなものに覆われ、その肉片から少女の声に重なるように低い声が出る。

 

コイツ(・・・)も含めて自己紹介しよう。コイツ(・・・)は曙美。

 そして、俺の名はヒダルガミ。人間の身体に寄生し共生(・・)するしがない蟲魔化魍だ】

 

 少女の半身を覆ったピンクの肉は少女の方を曙美と名乗り、肉の部分はヒダルガミと名乗る。

 まさかのことに何と言えばいいのか分からない五位たちを救うかのように–––

 

拳牙

【つまり、曙美でもありヒダルガミでもあるってことですね】

 

 理解したのかしてないのかよく分からないが拳牙が答える。

 

【そう思ってもらって構わないな】

 

拳牙

【ほーーー】

 

 さっきは馬鹿なことに何を言ってるんだと思った相棒はその馬鹿に救われたことになんとも言えない気持ちになりながらもその気持ちをグッと呑み込むのだった。

 

 『鳥獣蟲同盟』の魔化魍たちが自己紹介する中で全く空気感が違うように感じる場所がありそこには2体の魔化魍がいた。

 一つは魔化魍の王たる幽冥の家族であるイッポンダタラ亜種 ユキニュウドウの単凍。

 もう一つは単凍と似た姿をしており赤い厚いコートを羽織り、頭に日の丸が描かれた鉢巻を巻いた猪の人型魔化魍 イッポンダタラ。

 

単凍

【…………】

 

【…………】

 

 色や姿は微妙に違えど、厚いコートと猪の人型魔化魍とイッポンダタラ種の魔化魍の特徴を持つ2体の魔化魍はただなにも喋らず互いを見ていた。

 

単凍

【…………久しぶりだな弟よ】

 

【…………兄貴こそ、生きてるなら連絡くらいしろよな】

 

 そうこの2体は実の兄弟である。

 単凍が兄でイッポンダタラの彼は弟である。単凍は弟と共に旅をしていたが、ある事故によって離れ離れとなり、今日に至る。

 

【でも良かった…………兄貴に会えた】

 

単凍

【おいおい、泣くのは辞めたんじゃなかったのか?】

 

【う゛………五月蝿えっ。これは……目に、目にゴミが入っただけだ】

 

単凍

【そうだな】

 

 懐かしき再会に涙混じりの声を上げながら喜びの抱擁を交わす2人を止めるような無粋者は居らず、その光景に少し涙する不動と兜と命樹ペアだった。

 

【まだ此処にはいない子もいるんだけどニャ、まあしょうがないニャ。

 じゃあ来て早々悪いんだけどニャ、早速話をしようかニャ】

 

 ある程度の自己紹介が終わったと判断したネコショウは五位たちと話を始めるのだった。

 

SIDEOUT

 

 

SIDE◯

 五位たちとネコショウたちとの会合から変わって猛士中部地方静岡支部のとある一室。

 そこには猛士静岡支部支部長 井伊宮 宮子。静岡支部の過激派の角 崗鬼。潜入中の角 診鬼こと神通 希美。他にも名持ちや無銘、天狗などが集まっていた。

 

「報告のとおり、私たちの仲間の軼鬼、無銘9名、天狗2名が戦死しました」

 

 井伊宮はすでに周知ながらも改めてその報告を伝える。

 怒りに燃える者、悲しむ者、そのことを信じられない者、反応は様々だが、全員(診鬼を除き)共通しているある感情がある。

 殺された仲間の復讐というドス黒い感情だ。

 

「彼らを殺したのは『魔笛雀』だと推定していたのですが無銘2名は『壊音鎌』の仕業でした。ですが軼鬼を始め他の死体の状態がこの中部地方に挙げられる名持ちの魔化魍のやり方と異なり、そのことから確認されてない新たな魔化魍か他地方からやって来た魔化魍の仕業と断定されました」

 

 そして、そんな感情を心に灯しながら井伊宮の報告を聞く。

 

「おいおい。別のやつが此処にきたって言うのか?」

 

「おそらくは、ですがどういう魔化魍か、名持ちなのかということは分かりません?

 何せ生存者が居なかっただけでなく、ディスクアニマルも全て破壊されてましたし」

 

「ちっ!!」

 

 その言葉に舌打ちをする崗鬼。

 それはそうだ。どんな魔化魍がやったのかが分からない。おまけにそれが名持ちかも分からない。

 名持ちの魔化魍は全国に存在し、その数は幽冥が家族として育てる魔化魍を含めても100以上の数にもなる。おまけに名持ちの魔化魍は殺し方が似たようなものをいくつか存在する。

 ディスクアニマルがあれば、その特定に必要な情報を記録出来る。だが全てのディスクアニマルが破壊されてるということは特定に必要な情報が一切残されていないということ。

 

「(まさか、ディスクアニマルが無いとは、これでは王の魔化魍なのか判断出来ない)」

 

 そのことに困ったのは診鬼こと神通も同じだ。

 過激派に比べて数が少ない共存派だが、こと魔化魍の王に関する情報なら他の派閥よりも数多く持っている。勿論その中には、幽冥の家族であろう名持ちの魔化魍の情報もある。

 だからこそ僅かでもディスクアニマルで情報があればと望んだが、よっぽど用心深いのかディスクアニマルは全て破壊されていた。

 

「で、どうするんですか支部長? 情報がないのなら手出しは難しいです」

 

 集まった無銘の1人が質問する。

 

「今は情報を集めることを優先しましょう。

 相楽、茜鷹を長野支部に飛ばしてくれ」

 

「はっ、承知しました」

 

 井伊宮の言葉に従い座っている天狗の1人が立ち上がりそのまま部屋を出ていく。

 

「狼鬼さんに報告はしないのですか?」

 

「連絡は後でも可能です。それよりも今すべき事は」

 

 崗鬼の質問に答えを返す井伊宮。

 そんな話をする部屋の隅に人の頭ほどの大きさの火の玉が浮かんでいる。

 

「ですが狼鬼さんに報告した方が確実に!!」

 

「いいえ!! 彼には休みが必要です。

 もしも、彼になにかあればどうするのですか!」

 

 普通ならばそのような大きさの火の玉を見れば、敵襲と考えるだろう。だが、誰も部屋の隅に浮く火の玉に気づいておらず井伊宮と崗鬼は言い争う。

 そんな火の玉を出した主は現在、鳥籠の中(・・・・)で会議の内容を盗み聞きしていた。そう診鬼の連れた赤い鸚鵡は勿論ただの鸚鵡ではない。

 ネコショウが率いる『鳥獣蟲同盟』に所属する魔化魍 フラリビだ。

 

「[いいえ!! 彼には休みが必要です。

 もしも、彼になにかあればどうするのですか!]」

 

 オイラの名前はフラリビ。

 ネコショウに頼まれて潜入している魔化魍だ。今やってるのは術を掛けて不可視化したオイラの炎で会議の内容を盗聴している。でも、正直あの(井伊宮)と鬼の言い争いが続いてるみたいだし、そろそろ盗聴を止めようと思ってる。

 

 オイラは正直、最初は面倒だった。いくらネコショウのお願いでもオイラたちを殺す鬼にあまり近づきたくなかった。

 でも偶然、その話の後に出会ったあの人、診鬼こと神通に一目惚れしちゃったんだ。それでネコショウの話を承諾して、神通の目の前で怪我した鸚鵡として神通に保護され、この猛士で情報を収集している。

 

 そうして神通の元にいると神通の正体に驚いた。猛士には魔化魍との共存を望む共存派という一派がいると知り合いに聞いた事がある。

 正直、オイラの仲間を殺した鬼たちにそんなの居るはずがないと思っていた。

 でもある時、神通が機械(携帯電話)で話す内容から神通が共存派の鬼だと知った。オイラは嬉しかった。出来ればオイラの正体を神通に教えたかったけど、それだと神通が困るだろうから時が来るまで黙ってることにした。

 神通が此処に来たのは清めたフリをして魔化魍を逃すためと魔化魍の王が来るかもしれないという理由で共存派のトップから指令で此処にきたんだ。共存派のトップにオイラは感謝してるよ。

 オイラに神通に会わせてくれて、いつ会えるか分からないけどお礼したいな。

 

「[–––では会議は終了します。

 各自持ち場に戻ってください!]」

 

 おっと、いつの間にか会議は終わったようだ。盗聴用の炎を消して、神通を待ってよっと。

 

「ただいま」

 

 そうこうしてると神通が帰って来た。鬼が壊した扉はさっき事務員が直して、他の部屋のも直さなきゃってボヤいていた。

 神通はオイラを入れてる鳥籠の戸を開き、扉のそばに手を置く。オイラはその手に向かって飛び、神通の指に爪で傷付けないように慎重に掴まる

 

「聞いてよ。会議って言っておきながら後半はほぼ支部長と崗鬼の言い合いだったよ。

 なんか会議にいるのが馬鹿らしかったよ」

 

 神通はこうしてオイラに愚痴を言うことがある。でも神通の気持ちはあの場を盗聴していたオイラも分かる。

 だからオイラは神通の言葉に頷いて、神通のストレスが減ったらいいなと思った。

 

「‥‥……ねえ、君は魔化魍なのかな?」

 

 突然の神通のその言葉にドキリとするも、今はただの鸚鵡だから首を傾げて分からないふりをする。

 

「ごめんね。変なことを言っちゃって」

 

 そう言ってオイラの頭を優しく撫でる手が堪らない。

 ああ、こんな日々が続くといいな。

 

 そうしてフラリビは神通といるこの状況に幸せを感じながら敵である猛士の情報を集めるのだった。




如何でしたでしょうか?
『鳥獣蟲同盟』のメンバーはまだ居ます。ちょっとヒダルガミの涙描写下手だったかな? 実は拳牙は某館の門番と某特撮のプロテインの貴公子が混ざった感じの性格ですので、時折おバカ発言します。
フラリビでの「[]」の部分は盗聴して聞こえた言葉の部分です。
次回は五位からの事後報告を受けて幽冥たちはネコショウたちのいる場所に転移、そして–––
次回をお楽しみに。
では、おまけコーナーは前回の続きになります。どうぞ!

ーおまけー
紫陽花
【ふうぅぅ。すまんな迷家。
 ゆっくり休ませてもらった】

迷家
【いや、紫陽花が元気になったのなら良かったよ。
 もしも、あのまま紫陽花を返したら雛と凍になんて言われるか】

紫陽花
【まあ、はんば私のせいでもあるし、そう気にしなくていいだろう】

迷家
【そう言ってもらうと助かるよ】

紫陽花
【それで、質問の続きを話せばよいのか?】

迷家
【う〜〜ん。初めてだけど質問は変えるよ】

紫陽花
【別に前の質問でも良いぞ】

迷家
【いや、なんか申し訳ないから】

紫陽花
【そうか】

迷家
【まあ、改めて質問なんだけど、〜ん。どうしよっか?】

紫陽花
【ふむ。なら私の夫の話はどうだ?】

迷家
【えっ。その人って確か、梅雄さんだっけ?】

紫陽花
【ああ、雛の祖父であり私の夫で、先先代の呑鬼だ】

迷家
【8人の鬼の呑鬼ってどんな鬼だったの?】

紫陽花
【梅雄は、私のいた時代では8人の鬼の中で最強と言われた覇鬼の次に強かった鬼だ。
 音撃編簓(びんざさら)という輪刀に似た音撃武器を持っている】

迷家
【へえ〜………って、あれ?
 そういえば紫陽花って梅雄さんと戦ってる最中で崖崩れに巻き込まれて、その時に擬人態の姿を見た梅雄さんが求婚したんだよね?】

紫陽花
【嗚呼そうだ。当時の私は、今とは違いかなり派手に暴れていてな。
 当時の猛士からすれば魔化魍の王ほどではないにせよ。相当危険視されていてな。送られてきた鬼を返り討ちにしてのがキッカケであやつが私の討伐任務を指令されんだ】

紫陽花
【そして、その後は知っての通り梅雄と結ばれて竹弥を授かり、孫の雛が産まれた】

迷家
【そっか。梅雄さんになんか言いたいことってある?】

紫陽花
【なんだ急に?】

迷家
【いや、気になっちゃって】

紫陽花
【………あえて言うとしたら】

迷家
【言うとしたら?】

紫陽花
【魔化魍の私をただひとりの女として見てくれて、息子や雛に合わせてくれてありがとう】

迷家
【…………】

紫陽花
【さて、雛の所に戻るとするか】












迷家
【……………………本当に良かったの?
 せっかく変な人に頼んで、ここに来てもらったのに】

「いいんだよ。あいつの心には俺がいるっていうのを改めて知れたからな。
 それだけでも十分感謝してる。それにな」

迷家
【それに?】

「俺の方こそありがとうって言いてぇ。
 実の家族に疎まれていた人間味の薄い俺に愛を教えてくれて、温かい家庭を見せてくれてな」

迷家
【…………そっか。あ、今日はここまでじゃ、バイバーーイ♬】

「また、いつか会う日まで俺はお前を見守っているぞ紫陽花」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。