人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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今回初、オリジナルの魔化魍と鬼によるバトルを書きました。
幽冥は最初だけけかも。



記録拾参

「う、ん………うん?!」

 

 眠っていたようだ、昨日は楽しく山ウド料理を振舞って、みんな美味しそうに食べてくれていた。それを見た私は眠ってしまったようだ。

 体を起こそうとすると、何かが体にくっ付いており、起き上がれない。

よく見ると–––

 

「お姉ちゃん………むにゃむにゃ」

 

「王、ダメです」

 

 ひなちゃんと白が私の体を抱き枕のように抱きついていた。白はなんかアブナイ夢を見てる気がする。

 さらに、周りをよく見ると他の子達も身体を寄せ合って眠っていた。土門と鳴風はひっくり返ってるような状態になって眠っている。

 まっ、みんな眠っているみたいだし、もう少しこのまま眠ってますか。

 

SIDE練鬼

 あの後、武田さんと各支部の王たちと共に魔化魍の王の話をした。結局は魔化水晶がなぜ青く光るのかは不明でこの話は終わった。

 そして話は、活発化している魔化魍の話になった。

 

「みんな知ってる思うが、最近あらゆる所で魔化魍が活発化している」

 

「ええ、他の魔化魍の王たちと違い、これが王の能力なのかもしれないわね」

 

「だが、確証は無い」

 

「しかし、これがもしも新たな魔化魍の王の能力だとしたら」

 

「みどりさん決めつけるのは早すぎます」

 

「その通りです。でも、ここ最近の魔化魍の行動の多さは確かに異常だね」

 

 確かにここ最近、魔化魍の行動は活発化しているのだが、被害は猛士に関わりの持つ者が被害を受けている。そして、殺された鬼や猛士のメンバーの近くには三度笠を被った黒い狼の魔化魍がいたと言われている。

 

「そう言えば………ん」 

 

「入れ」

 

「報告です。四国地方高知支部が魔化魍の攻撃に遭い壊滅したと」

 

「何ですって!!」

 

「高知支部が」

 

「おい確か、高知には暴鬼が!!」

 

「報告によると暴鬼さんは『三度笠の狼の魔化魍』と『独眼蛇の魔化魍』との戦闘により………殉職したと」

 

「暴鬼さんが………クソッ!!」

 

「さらに魔化水晶が奪われたそうです」

 

「何だって!!」

 

SIDEOUT

 

 

SIDE◯◯

 王の為に、いやあの子の為に私は–––

 

「こっちに来たぞ」

 

「早く、暴鬼さんを呼ぶんだ」

 

 ディスクアニマルと呼ばれるものを人間達は使うが、無駄だ。

 

ジャラララララ

 

「何だ、あの魔化魍は………がああ」 

 

 ガシャには意味がない。ガシャの溶解液はあらゆる物質を溶かす。飛んで攻撃して来ていたディスクアニマルも溶け、動こうとすると、何か危ない感じがしてその場を離れると後ろのヤマビコ達に異変が起きる。

 その動きが止まり、苦しみ始める。

 

音撃鐘(おんげきしょう) 夢幻泡影(むげんほうよう)」 

 

ウォォォォォォ………   

 

 とてつもない清めの音が響く、すると離れた場所にいたヤマビコ達が木っ端微塵に吹き飛び、1人の鬼が現れた。

 体色は深緑で、鬼面の所に亀の面が付いており、甲羅の形をした鐘の肩当てを付けている。そして手には、先端に緑の鬼石を付けた従来の音撃棒よりも太い音撃棒を持っていた。

 

「ほーう、夢幻泡影(むげんほうよう)を躱すとは、お前が噂の三度笠の狼野郎だな」

 

【狼野郎ではない私はヤドウカイです!!】

 

「?! ………喋るとは驚きだな」

 

【ん………その腕輪に付いてるのは魔化結晶?! なるほど貴方は8人の鬼ですか?】

 

「確かに俺は8人の鬼の末裔 暴鬼だ!!」

 

【では、王の為に死んで下さい】 

 

SIDEOUT

 

 

SIDE暴鬼

【では、王の為に死んで下さい】 

 

 危ねえ、何だこの魔化魍。急に消えたと思ったら、いつの間にか俺の横にいやがった。

 しかし、早くこいつを倒して、他の奴らも倒さないと………ちっ!! 

 狼野郎だけじゃなく、蛇まで邪魔をして来やがった。

 

ジャラララララ

 

【溶けろ、そして骨を寄越せ】

 

「あんな図体で速すぎんだろと!」 

 

【てえなー、久々に喰らいがいのある鬼だ。ヤドウカイ、こいつ貰っていいか?】

 

【構いません。私はこの間、頂きましたので】

 

 ちっ、ふざけた事を言いやがって。だが、あいつはスピードがあるがそこまで身体は硬くないはずだ、奴の頭を叩いて地面にめり込ませその隙に音撃を叩き込めば、奴を倒せる。

 今だ!! 

 

「何だ、これは?」 

 

カッカッカッカッカッ

 

 蛇が咥えていた頭蓋骨が俺の足に噛み付いていた。

 

【惜しかったな、だがお前じゃ俺を倒せねえな】

 

ジャラララララララ 

 

ガシャドクロの吐いた溶解液が右腕に掛かる。

 

「があああああああああああ!!!!!」

 

 馬鹿な、鎧ごと腕が………………溶かされてるだと。

 暴鬼の右腕はもう、音撃を振ることの出来ないほどの重症だった。鎧の上から掛けられたのに、右腕全体は骨だけになってしまった。

 

「(クソッ!! 応援を呼ばないと)」

 

 暴鬼は右腰に付けてる茜鷹のディスクを空に向かって投げるが–––

 

【無駄です】 

 

 ヤドウカイによって茜鷹のディスクは粉々に噛み砕かれる。

 

【さあて、いい髑髏がこいつから作れそうだな】

 

 ガシャドクロは暴鬼の首に白骨化している自身の下半身を巻き付け、徐々に力を込める。

 暴鬼は首を締め付けられているが、それでも鬼としてのプライドかガシャドクロを睨む。

 

【いいね。いいね。その憎悪に満ちた顔、俺はなその顔を見るのがだーーーーい好きなのさ】

 

 どんどん目の前が暗くなっていく、そうかこれが死か。あの半端者を残していくのは心残りだ、だが、最後くらい鬼として意地を見せてやる。

 

 暴鬼はボロボロになった暴木を左手に持ち、自身の左肩に付いた鐘の肩当てに叩きつける。

 

音撃鐘(おんげきしょう) 夢幻泡影(むげんほうよう)」 

 

【ジャっ………てめ、えええ!!】

 

 首を締め付けられてる状態でまさか、音撃を使うとは思わなかったのかガシャドクロは苦しむが、暴鬼の最後の抵抗は–––

 

【耳ざわりです】 

 

「ぎゃああああああ」

 

【遊びはやめだ、これで死にな】

 

 ヤドウカイによって音撃を放っていた暴鬼の左腕を暴木ごと噛み砕かれた。

 ガシャドクロは今までのが遊びだったようでさらに力を込め、暴鬼の首を折った。

 ガシャドクロは暴鬼の首を捻り、首をもぎ取る。

 

【遊んでるからですガシャ】

 

【そお言うな、ジャラララララ これでまたコレクションが増える】

 

 そして、ガシャドクロは首のない暴鬼の死体に溶解液を掛けて、骨に変える。

 そして、骨になった暴鬼の身体を–––

 

【頂きます】

 

 喰らい始めた。ヤドウカイは落ちている魔化水晶の欠片を咥えて言った。

 

【後、6つで王は完全になる】

 

 ヤドウカイとガシャドクロそして、他の2体も王に会う日を楽しみに待っている。

 やがて、自分を見つけてくれる王を。




以下でしたでしょうか?
覇王龍さんのガシャドクロのアイデアを少しいじって、出させて頂きました。これからもアイデアをお願いします。
また、ガシャドクロの名前もそのまま採用させてもらいます。

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